小泉首相の訪朝と課題について☆☆☆☆☆

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ジュンイチロウとジョンイルの思惑④

投稿者: komash0427 投稿日時: 2005/02/12 07:58 投稿番号: [177743 / 232612]
  次に、北朝鮮が平譲宣言にこだわっている理由について考えてみたい。

  平壌宣言署名当事、北朝鮮はブッシュ政権に「悪の枢軸」と名指しされて国際的孤立を一層深め、苦しんでいた。北朝鮮がこの苦境を打破しようと、2002年夏に仕掛けたのが大々的な「平和攻勢」だった。北朝鮮は7月、黄海で前月起きた南北艦船の交戦に「遺憾の意」を表明したのを号砲に、日朝・米朝外相会談に臨んだ。掌を返したような、日米に対する融和姿勢だった。8月に入ると、南北対話に応じて韓国との関係をあっさり修復してみせる。さらに金総書記自身がロシアに乗り込み、プーチン大統領と会談した。

  その次に打った手が、9月の小泉首相の訪朝受け入れだった。

  当時、韓国の北朝鮮問題専門家の一人がこう喝破していた。

  「北の伝統的な外交戦術に『米帝の手足をもぎ取る戦略』というものがある。金正日がやっているのは、その現代版だ。日本はだまされてはいけない」

  「米帝の手足をもぎ取る戦略」は、金日成首席が1970年代の第5回労働党大会で示したものだ。北朝鮮の「政治辞典」では、「革命的戦略」「偉大な戦略」と最高級の外交戦略と位置づけられている。

  「革命する国、闘争する国の人民たちが世界のいたるところで米帝の手をもぎ取り、足をもぎ取り、頭を切り捨てなければならない。米帝の手足をもぎ取れば、米帝は結局、滅亡するだろう」。これが金主席の「教示」だった。

  要するに、米国と友邦国を離間させ、米国を孤立させていく戦術である。この専門家は「金総書記はこの戦術を現在の状況に合わせ、中・露・韓国、そして日本という周辺4カ国をひきつけ、米国を包囲・孤立させる戦術として発動した。それが一連の平和攻勢だ。米国の外堀を埋めて、米国が北朝鮮との対話に応じざるをえない状況を作る。その頂点が小泉首相との首脳会談なのだ」と鋭く指摘していた。

  事実、9月の日朝首脳会談直後に欧州で開かれた小泉首相と金大中・韓国大統領(当時)の首脳会談では「南北対話、日朝対話とともに米朝対話を並行して進めることが非常に重要だ」と完全に一致し、二人でブッシュ大統領に対し、米朝対話に積極的に応じるよう説得しようという段階にまで話は進んだ。金総書記は、おそらくこの時、「ついに米国の手足の日本をもぎ取った」と見たはずだ。

  米国はこれに対し、小泉訪朝翌月の10月、ケリー国務次官補を平壌に送り込み、北朝鮮の秘密核開発を暴露し、攻勢を押し戻す。この結果、第2次核危機が勃発。各国は北朝鮮に圧迫を加え、中国を仲介役に米朝中の3ヶ国協議、さらに6ヶ国協議へと続き、核問題未解決のまま現在に至っている。

  要するに、北朝鮮による2002年の小泉訪朝受け入れは、中露韓日との関係改善を通じた壮大な対米包囲作戦の重要な一環として企画された可能性が濃厚なのだ。

  平壌宣言もこの視点から見なければならない。北朝鮮が平壌宣言作りで経済協力方式を受け入れたのも、対米包囲網を完成させる必要性がそれほど大きかったと見るべきだろう。そう考えれば、日本の説得が成功したというより、むしろ北朝鮮が日本の経済協力方式への熱望を逆手に、土壇場で受け入れ日本を喜ばせ、拉致についてはあいまいな表現でとどめる方向へ導いた可能性さえ浮上してくる。

  そうだとすれば、経済協力方式受け入れは「コペルニクス的転回」どころか、北朝鮮のシナリオ通りの展開に過ぎなかったことになる。

  平壌宣言が発表された当時、日本国内では「北朝鮮は経済難から1日も早く金がほしいから国交正常化を急いでいる」との分析も多かった。しかし、話はそう単純ではない。日本は「正常化交渉を始めるが、拉致と核が解決しなければ正常化は実現しない」と強調していたし、北朝鮮もそれを十分承知していたからだ。北朝鮮にとって核は、米国と取引するための最大にして唯一のカードだけに、日本に向けて虎の子のカードを切る考えは毛頭ない。ということは、金総書記は平壌宣言を作ったからといって、即刻日朝国交正常化を実現させ、巨額の資金を手に入れられるとは考えていなかったことになる。

  北朝鮮は、近い将来、核問題で渡りあって実現するはずの米朝関係改善をにらみ、米朝関係改善がなれば、即座に日朝国交正常化も行って巨額資金が手に入る仕掛けを作っておいたということだろう。北朝鮮にとって平壌宣言の経済協力条項は、日本政府に裏書させた「約束手形」のようなものだったといえよう。

  金総書記は米国を追い詰めるため日本との関係改善を進めると同時に、将来、自動的に巨額資金を手に入れる二重の狙いを胸に秘めて、平壌宣言に署名したのだった。

続く)
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