さだまさしが私費を投じて作ったらしい「長江」(1980年)という映画もあります。
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD17106/index.html別に話題にもならなかったようですが、私には印象的な映画です。
上海から武漢−重慶−成都-更に上流へと映像は上がって行くのですが、
当時の上流の奥深い山中の人家・生活を見るとそれはもう日本でいうなら戦前どころか、
「お爺さんは山へ柴を刈りに」の世界でした。
今はかなり変わってはいるはずですが、どうしてもこのイメージは抜けないのです。
<早發白帝
李白>
朝辞白帝彩雲間
千里江陵一日還
両岸猿声啼不住
軽舟巳過萬重山
早(つと)に白帝城を発す
:李白
朝(あした)に辞す
白帝彩雲の間
千里の江陵
一日(いちじつ)にして還(か)える
両岸の猿声
啼いて住(や)まざるに
軽舟巳(すで)に過ぐ
萬重の山
通釈
朝早く、美しい朝焼けの雲のたなびく中、白帝城を出発して、
千里かなたの江陵まで、疾風のごとく一日でたどり着いた。
切り立った両岸では、猿の鳴き声が絶え間なく聞こえてくる。
幾重にも重なる山々の間を小船は滑るように過ぎ去っていった。
三狭とは言うまでもなく、長江の川幅が狭くなり、その分水の川の流れが速くなるところで、重慶と武漢の間にあります。
船から見ていると恐ろしくなるまでの激流と水量であります。
またたく間に2泊3日の船の旅も距離を稼せいだことの実感、
<千里の江陵
一日(いちじつ)にして還(か)える>の気分でした。
そこで素朴に思ったこと(2点)。
第1点:
三国志の<赤壁の戦い>はこの航路中のどこかで行われたのですが、
当時エンジン付きでもないのにあの激流の中をよく自由自在に船を操り戦争ができたものだと(笑)。
しかも船から落ちればまずは助からない。
第2点
これだけの水量があれば下流の南京や上海は水に困ることがない。
現に何年かに一度は下流にて水害を起こしていることだし。
ところが三狭ダムは、発電が増え水害は無くなるのかも知れませんが、この水が多くの工場に使われ、
水が海にはき出される頃はかなり汚染されたものになるとか。
長江の河口は飛行機の上からでも海の色が変わっているのが明確に見える水量の大河ではありますが、
それだけに影響も大きく、黄海がこれから死の海になっていくとの観測も。
現に既に下流の多くの湖では魚の養殖もできなくなっている。
華北の環境が砂漠化・黄砂・水不足等々で悪化しているのに華南がこれから厳しくなっていくとこれはもう大変なことです。
三狭ダムは計画段階から内外で環境に与える影響について論議されてきたとろです。
その結論がこれから長時間をかけてでてくるのでしょう。