3月7日天声人語
投稿者: isashi1243 投稿日時: 2003/03/07 08:44 投稿番号: [61 / 52541]
2003,03,07
ボラの大群は想像とは少し違っていた。活発に泳いでいるのかと思ったが、ただ体を寄せ合っているだけのように見える。よく見るとゆっくりゆっくり移動している。
大きな群れはほぼ同じ方向に動いている。小さな群れも島のように点在し、やはり体をくっつけあっている。一匹オオカミならぬ一匹ボラは見当たらない。東京の浜離宮庭園を囲む汐留川に現れたボラの大群を眺めながら考えた。どうやら大群の指導者はいないようだ。目指す目標もはっきりしない。ただ群れて移動している。
その群れを見ながら小泉首相が語った「世論」のことを考える。「世論に従って政治をすると間違う場合もある。それは政治の事実が証明するところだ」。その世論について。
イラクではフセイン政権支持が100%だった。北朝鮮で信任投票をしても同じことだろう。戦前、戦中の日本もそれに近かった。情報統制と報道管制それに監視態勢の厳しい国ではそうなるだろう。歴史が教えるのは、そうして形成された世論はしばしば「間違っている」ということだ。
体制が違う今の日本では、一応自由に自分の考えを表明できる。世論はその集合といえるだろう。その世論が間違っていると思えば、指導者の役割は説得することだ。たとえばイラク戦争反対の世論が間違っていると思えば、いかに戦争がやむをえないか、あるいは必要かを説得すべきだろう。
指導者も、目標もなく動いているように見えるボラの群れを眺めながら、人間世界の群れはそれとは違うはずだ、と思うのだが。
これは メッセージ 1 (jjjjjjjjjjjjjjkohe さん)への返信です.
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