中国の臓器移植事情
投稿者: xyzhaya2gou 投稿日時: 2007/12/19 19:37 投稿番号: [39932 / 52541]
中国における死刑囚からの臓器移植
1.死刑囚移植のシステム
死刑囚からの臓器移植のシステムに関して、最高人民法院、最高人民検察院、公安部、司法部、衛生部および民政部の連名で発せられた1984年10月9日付けの「関於利用死刑罪犯屍体或屍体器官的暫行規定」(訳=死刑囚の屍体あるいは屍体臓器の利用に関する暫定的規定)と題する内部文書が参考になる。同「暫行規定」は次のように述べている。
「死刑執行命令が下達した後、直接利用できる屍体が出たら、人民法院はあらかじめ市あるいは地区の衛生局に通知しなければならない。衛生局はこれを利用単位(具体的には移植を実施する病院を指す−筆者注−)に伝え、同時に利用単位に屍体利用の証明書を発行し、副本を死刑執行の責任を負う人民法院と現場で監督する人民検察院に送らなければならない。」
「死刑囚の屍体および屍体臓器の利用は、厳重に秘密を守り、影響に注意して、通常は、利用単位内部で行わなくてはならない。やむを得ない場合は、死刑を執行する人民法院の同意を得て、衛生部門の手術車で刑場へ行って臓器を摘出することが許される。しかし衛生部門のマークの入った車を使用してはならず、白衣を着用することも許されない。摘出手術が終わるまで刑場の警戒を解いてはならない。」
「屍体は利用された後、利用単位が火葬場の協力を得て速やかに火葬に処す。埋葬またはその他の処置が必要であれば利用単位が責任を負う。もし遺族が灰、骨を必要としたら、人民法院の通知を経て、遺族が火葬場に赴いて受取る。」
1応、このような規定がある。しかし、必ずしも規定通りにはなされていないようである。ここで、入手した諸資料(5)から得た情報を基にして死刑囚移植のシステムを簡単に記しておく。
①患者が病院を訪ね、諸検査を受ける。②死刑囚の血液型、白血球型及び健康状態等がチェックされ、それらの記録が病院に送られる。③人民法院等が死刑執行の場所及び日時等を病院に通知する。④病院が移植の準備をする。⑤死刑執行当日、病院医師が刑場で待機する。⑥死刑が執行され、検死官が死亡を確認する。⑦病院医師が臓器を摘出し、それが病院に運ばれ、移植される(あるいは、遺体が病院に運ばれ、そこで臓器が摘出され、移植される)。⑧遺体が火葬され、遺族に遺骨の入った骨壷(正確には、遺灰の入った箱)が渡される。
2.中国の移植事情
中国では、臓器移植は他の諸外国と同様、1980年代の半ばから盛んになってきている(6)。現在、腎臓、肝臓、脾蔵、膵臓、心臓、肺、角膜、骨髄、皮膚などの移植が行われている(7)。最も盛んなのは腎臓移植である。近年増え続け、毎年約2千例行われているようである(8)。トータルでは1万数千例に達すると推測される(9)。
臓器移植の地域、場所としては、北京、上海、広州、福州、武漢その他の全中国の主要都市で行われている(10)。
臓器移植の成功率はあまり明らかではないが、特に腎臓移植については、患者の1年生存率は一般的に90%以上とされている(11)。なお、技術面及び衛生面で問題のある病院がままあることが指摘されている(12)。この点について、香港の医師グループが中国における腎臓移植後の死亡率及び罹病率が高いという統計結果を報告している(13)。また、香港のある新聞は、中国における移植の成否はある意味で運まかせであるとし、そのことを評して、「中国臓器ルーレット Chinese organ roulette 」という表現を用いている(14)。
臓器移植の費用は、資料(15)からみる限り、かなりのばらつきがある。基本的に、中国人か外国人かで費用は大きく異なる(16)。移植臓器の種類によって費用が異なるのは当然である。どこの地域にあるどのような病院か、によっても異なる。さらにいえば、時系列的にみれば臓器移植の費用は明らかに値上がりを続けている。これらをふまえた上で、ごく大雑把にいうなら、腎臓移植の場合、数万円から数百万円の範囲内である。私が会った香港の患者<女性、47歳、1990年7月、広州にて手術>は約100万円払ったといっていた。
移植患者は、もちろん中国人が多い。移植はまず高級官僚など特権階級にある患者や改革開放政策による経済自由化で成功した裕福な患者から優先的になされているようである(17)。移植費用は、一般の患者にとってかなりの額である。手術後の薬品(免疫抑制剤等)もほとんどが輸入にたよっているため、価格は高い。それゆえ、一般の患者は移植に手が届かないようである(18)。腎臓移植についていえば、毎年中国で移植手術を受ける術がなく死亡する患者は10万人を下らないという(19)。
http://homepage1.nifty.com/awaya/hp/ronbun/r008.html >ht
1.死刑囚移植のシステム
死刑囚からの臓器移植のシステムに関して、最高人民法院、最高人民検察院、公安部、司法部、衛生部および民政部の連名で発せられた1984年10月9日付けの「関於利用死刑罪犯屍体或屍体器官的暫行規定」(訳=死刑囚の屍体あるいは屍体臓器の利用に関する暫定的規定)と題する内部文書が参考になる。同「暫行規定」は次のように述べている。
「死刑執行命令が下達した後、直接利用できる屍体が出たら、人民法院はあらかじめ市あるいは地区の衛生局に通知しなければならない。衛生局はこれを利用単位(具体的には移植を実施する病院を指す−筆者注−)に伝え、同時に利用単位に屍体利用の証明書を発行し、副本を死刑執行の責任を負う人民法院と現場で監督する人民検察院に送らなければならない。」
「死刑囚の屍体および屍体臓器の利用は、厳重に秘密を守り、影響に注意して、通常は、利用単位内部で行わなくてはならない。やむを得ない場合は、死刑を執行する人民法院の同意を得て、衛生部門の手術車で刑場へ行って臓器を摘出することが許される。しかし衛生部門のマークの入った車を使用してはならず、白衣を着用することも許されない。摘出手術が終わるまで刑場の警戒を解いてはならない。」
「屍体は利用された後、利用単位が火葬場の協力を得て速やかに火葬に処す。埋葬またはその他の処置が必要であれば利用単位が責任を負う。もし遺族が灰、骨を必要としたら、人民法院の通知を経て、遺族が火葬場に赴いて受取る。」
1応、このような規定がある。しかし、必ずしも規定通りにはなされていないようである。ここで、入手した諸資料(5)から得た情報を基にして死刑囚移植のシステムを簡単に記しておく。
①患者が病院を訪ね、諸検査を受ける。②死刑囚の血液型、白血球型及び健康状態等がチェックされ、それらの記録が病院に送られる。③人民法院等が死刑執行の場所及び日時等を病院に通知する。④病院が移植の準備をする。⑤死刑執行当日、病院医師が刑場で待機する。⑥死刑が執行され、検死官が死亡を確認する。⑦病院医師が臓器を摘出し、それが病院に運ばれ、移植される(あるいは、遺体が病院に運ばれ、そこで臓器が摘出され、移植される)。⑧遺体が火葬され、遺族に遺骨の入った骨壷(正確には、遺灰の入った箱)が渡される。
2.中国の移植事情
中国では、臓器移植は他の諸外国と同様、1980年代の半ばから盛んになってきている(6)。現在、腎臓、肝臓、脾蔵、膵臓、心臓、肺、角膜、骨髄、皮膚などの移植が行われている(7)。最も盛んなのは腎臓移植である。近年増え続け、毎年約2千例行われているようである(8)。トータルでは1万数千例に達すると推測される(9)。
臓器移植の地域、場所としては、北京、上海、広州、福州、武漢その他の全中国の主要都市で行われている(10)。
臓器移植の成功率はあまり明らかではないが、特に腎臓移植については、患者の1年生存率は一般的に90%以上とされている(11)。なお、技術面及び衛生面で問題のある病院がままあることが指摘されている(12)。この点について、香港の医師グループが中国における腎臓移植後の死亡率及び罹病率が高いという統計結果を報告している(13)。また、香港のある新聞は、中国における移植の成否はある意味で運まかせであるとし、そのことを評して、「中国臓器ルーレット Chinese organ roulette 」という表現を用いている(14)。
臓器移植の費用は、資料(15)からみる限り、かなりのばらつきがある。基本的に、中国人か外国人かで費用は大きく異なる(16)。移植臓器の種類によって費用が異なるのは当然である。どこの地域にあるどのような病院か、によっても異なる。さらにいえば、時系列的にみれば臓器移植の費用は明らかに値上がりを続けている。これらをふまえた上で、ごく大雑把にいうなら、腎臓移植の場合、数万円から数百万円の範囲内である。私が会った香港の患者<女性、47歳、1990年7月、広州にて手術>は約100万円払ったといっていた。
移植患者は、もちろん中国人が多い。移植はまず高級官僚など特権階級にある患者や改革開放政策による経済自由化で成功した裕福な患者から優先的になされているようである(17)。移植費用は、一般の患者にとってかなりの額である。手術後の薬品(免疫抑制剤等)もほとんどが輸入にたよっているため、価格は高い。それゆえ、一般の患者は移植に手が届かないようである(18)。腎臓移植についていえば、毎年中国で移植手術を受ける術がなく死亡する患者は10万人を下らないという(19)。
http://homepage1.nifty.com/awaya/hp/ronbun/r008.html >ht
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