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朝日新聞販売店の労働争議その3

投稿者: michirouX 投稿日時: 2007/09/06 19:29 投稿番号: [38064 / 52541]
解雇の経緯

  2007年1月16日、西宮販売の経営陣は鎌田さんに対して、営業サポートの名目の下で、夕刊を配達するように業務命令を下した。しかも、それに対する報酬は支払わないと言う。これが解雇へ通じる最初のステップだった。

  この業務命令がなぜ無理難題なのかを理解するためには、拡販業務の特徴と、西宮販売における営業要員の給与体系を知る必要がある。鎌田さんらは、成果主義の下に置かれているのだ。西宮販売の給与体系は、新聞拡販の成績が直接、給与額に跳ね返るようにできている。

  社会的な信用がある株式会社ということもあり、さすがに基本給だけは設定されているが、それも営業成績によって、なんと3カ月ごとに見直しが行われる。基本給のランクは1から10まで。最低のランク1は7万9000円の基本給。最高のランク10は、15万2000円である。

  基本給のランクを見直す際の基準となるのは、3カ月の期間における新聞の購読契約の獲得数である。新聞業界では「獲得件数」と言うかわりに「カード枚数」という表現を使う。ランクの上下移動は次のような基準で行われる。

  75枚以上……2ランクアップ
  60〜74枚……1ランクアップ
  45〜59枚……アップダウンなし
  30〜44枚……1ランクダウン
  0〜29枚……2ランクダウン

  基本給の上限がわずか15万円なので、営業部員の給料の内訳で大きなウエートを占めるのは、新聞拡販の成功報酬である。しかし、西宮販売における拡販の成功報酬は非常に安い。3カ月の契約の場合、2000円の成功報酬にしかならない。しかも、購読を中止した人に再契約させる場合は、新規の読者ではないので、成功報酬も半額になる。西宮販売にとって新規の購読者とは、半年の間、朝日新聞を購読していない読者を意味する。

  鎌田さんが言う。

  「ですから新規の読者を見つけるだけで大変なんです。しかも、新聞ばなれが進んでいますから、ただでさえ厳しい営業条件規定の中で、さらに夕刊配達を強いるのはむちゃです」

  周知のように、新聞の勧誘員たちが最も活発に営業活動を展開するのは、午後の3時ごろから、夕方の時間帯である。その時間帯を夕刊配達にあてるように鎌田さんは命じられたのである。従って、業務命令を断ったのも正当な理由があると言えよう。

待遇の格差が、人権の格差に

  さまざまな問題が解決しないまま放置されてきた新聞販売の現場において、鎌田さんらの要求は当然の権利である。

  労組は、べつに朝日新聞社の記者なみの待遇を要求しているわけではない。人間として最低限の労働条件を満たすように求めているだけなのだ。

  新聞販売現場では、配達員の多くがパートで人員の交代が頻繁なために、組合を組織すること自体が非常に難しい。

  その結果、長いあいだ、新聞販売の現場で働く人々は著しい無権利状態に置かれてきた。しかも、ジャーナリズムが不在になっている領域だから、問題が発生しても、新聞社はそれを解決しないまま覆い隠してしまう。

  このような状況の下で、西宮販売の組合が果たした役割は計り知れない。朝日新聞社の社員に保証されている待遇の数分の1の要求をしたことに対する返答が、鎌田委員長の解雇だとすれば、格差社会は人権の格差をも生み出していることになる。

販売会社・取締役の見解

  朝日新聞の社員で西宮販売・取締役の佐藤一成氏のコメントは次の通りである。

  「鎌田氏は営業の成績が不振なので、ほかの仕事もするように提案した。何度も話し合いを重ねてから解雇した」。



(MyNewsJapanの記事全文の要約です。オリジナル記事はこちらです)
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