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故郷忘れじがたく候 7

投稿者: hendazo04 投稿日時: 2009/02/14 08:16 投稿番号: [268 / 402]
戦国期茶道が勃興するが、当時窯を開いていたのは瀬戸とか備前とか、一部に限られていた。それぞれの藩の重要な地域産業なので他藩は技術の獲得が難しい。
以外は、陶器といえば須恵器のような素焼きに近いものであった。朝鮮半島の作陶技術は諸大名にとってたしかに憧憬の的だったのだ。中でも朝鮮白磁は、儒教の純化という朝鮮哲学(そんなのあるんかいと言わないで。あるよ)からイメージされたものであったこともあり、薩摩階層社会の長である義弘は白磁を切望した。
『国中のすみずみまで掘りかえせばどうか』との、義弘の異常な肩入れにより白磁の含んだ地層が発見され『薩摩の白磁』が焼かれた、が、それは土質から白いというだけで朝鮮白磁の世界観とは似て非なるものだった。

P39「白は、李朝の特色である。卵白あり乳白あり灰白があるが、いずれも白にこれほど複雑な表情があるかとおもわれるほどの膚質を、とくに李朝前期の工人たちはつくりだした。朴平意がつくりだした白薩摩は、義弘が言ったように似ているのみで、李朝の白さではない。李朝は、白磁である。薩摩には朝鮮ほどの良質の土器の土がないため、朴平意はやむなくこれを陶器とし、しかもこの白陶をできるだけ白磁に近づけるべく皮を薄くした。このため李朝がひらいた白とはまったく独自な、世にいう白薩摩の世界を作り出した。」

早い話が、流浪者たちは高温で焼く白磁の窯業に失敗したのだ。日本で始めて磁器を焼いたのは同じ九州の鍋島藩朝鮮人陶工、李参平、1616年のこととされる。
藩主義弘は落胆したであろうが、転んでもただでは起きない戦国の闘将は、この薩摩産擬似白磁をやむなく陶器として工夫させた。皮を薄くさせると独特の色合いを持つ陶器ができた。それに絵付けを施し、朝鮮白磁とはまったくちがう、当時の主流であった景徳鎮に近いものを確立していく。

P40「−かれ(義弘)はこの島津家の新しい象徴をいよいよ醇化するために苗代川を藩立工場にし、専心製陶の指導につとめる一方、―」

このように、薩摩焼はひとえに流浪者の技量によるものとの従来の見解より、義弘肝いりの国家プロジェクトが第一の功としてあって成功したものだ、といったほうが正鵠を射ているのだ。

確認するが、そもそも「故郷忘れじがたく候」といった70余名の漂着者は文禄・慶長の役のさい薩摩軍に連れこられた陶工たちではないのは前述したとおりである。
新たな考証として、両役でつれこられた朝鮮人陶工は総勢500人ほどと言われている。そのうち半分が薩摩に来たとしても250人でしかない。70人もの遭難者が出ればわからないはずがない。しかも、その大事な連行者が6年間も薩摩領内に無許可で暮らしていたのだ、「再発見」できないはずはないだろう。大事な「遺失物」だ、ふつうは回収にかかるはず。
しかし、島津家のいかなる文書にもそれらの連行者と70余名の漂流者とを関連づける記録がない。そんなことあり得るか?

前に書いたが、かれらが薩摩の人間に現認されたのが慶長の役から2年を経た1600年という事実。逆潮の薩摩半島に流れ着いた不思議。70名17姓の謎、などなど、かれらは被強制連行者ではないのは明らかだ。
生き地獄のような李氏朝鮮社会の最底辺に位置する工人たちが、生き延びるための食を求めて日本に密航してきたと解釈するほかない。

であるから、「故郷忘れじがたく候」といわれても、それはあんたの勝手でしょ、と返す以外にないのだ。
そして思い起こされるのは日本に強制連行されて来て、帰る基盤も失ったとする在日の主張だ。

関連する例を出そう。前述の、日本で始めて白磁を焼いたとされる鍋島藩の李参平は、文禄の役の折家族揃って日本に帰化した陶工だ。日本の協力者でもあったと伝えられてきた。
佐賀県有田町にかれを顕彰する碑文が建立されている。それに参平の出身地公州からクレームがついた。
原文の一部に、「豊臣秀吉の文禄の役の当時、李参平は日本に協力的だった」とあるが、補助碑を並立させ、それに「豊臣秀吉が朝鮮に出兵した時、鍋島軍に捕らえられ、道案内などの強力を命令されたと推定される」と書かせたのだ。

このように歴史的事実を捻じ曲げても日本を加害者、自らを被害者とする、ある意味打ち出の小槌ともいえる金づるを、朝鮮人は離そうとしないのだ。

つづく
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