続き
投稿者: dorawasabi5001 投稿日時: 2005/07/17 22:07 投稿番号: [9404 / 29399]
冷戦構造崩壊後の一九九○年代、国際人道法の世界は飛躍的な発展を遂げたが、
旧ユーゴとルワンダの戦犯法廷で史上初めて「レイプ」が「人道に対する罪」として処罰されたことは、
旧来の国際法の男性中心主義を変革する画期的な一歩と評価されるからである。
マクドナルド裁判長とセラーズ首席検事は、いずれもアフリカ系米国人の女性である。
セラーズ検事は、法廷に先立って、「黒人奴隷の子孫」として「性奴隷」とされた元「慰安婦」たちの訴えには格別の共感を覚える、と語っていた。二人の参加によって、この民間法廷がことのほか深い歴史的奥行きをもつことになったのは間違いない。
「判決要旨」の言い渡しの冒頭、四人の裁判官は、この法廷でなされた被害者証言の中からいくつかの言葉を拾い出し、次々に読み上げていった。
【それは国際法の専門家たちが、歴史から排除され抹消されようとしていた女性たちの痛みを少しでもわが身に感じ、被害者の声を法の空間に響かせようと試みた真摯な努カではなかっただろうか。】
マクドナルド裁判長は、この法廷がいかなる国家権力からも独立した「人々(ピープル)の法廷」であることを、くり返し強調した。
国際法は事実上、ヨーロッパ列強諸国間のルールとして発展してきたが、元来、「万民の法(ユス・ゲンティウム)という理念を含んでいた。
国家が「人道に対する罪」を犯し、その責任を取らないときは、
国境を超えた「人々(ピーブル)」の連帯でこれを正すことが必要だというマクドナルド裁判長の言葉は、国際法の未来にかかわる重要な認識を含んでいる。
「慰安婦」問題が提起されてほぼ十年。
【この間、日本政府が法的責任を認めて国家として被害者に補償すべきだとする勧告が、国際機関からくり返し出されてきた。】
今回の法廷の「判決」で、国際法論争はもはや決着したと言うべきだろう。
高齢の被害者たちは次々に亡くなっている。
日本政府は今こそ、大胆な政策転換を実行してほしい。
(たかはし・てつや
東京大学助教授・哲学)
これは メッセージ 1 (yuukouheiwa さん)への返信です.
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