高裁判決
投稿者: dorawasabi5000 投稿日時: 2004/07/22 00:28 投稿番号: [5546 / 29399]
――(9)強制連行福岡訴訟高裁判決
2004年5月24日。福岡高等裁判所。
・・・
今回の判決では、
【事実認定は丁寧になされ、原告らが強制連行・強制労働の被害者であることは認められています。】
【また、強制連行・強制労働について、国と企業が共同不法行為責任を負うことも認定されています。】
【さらには、国家無答責も排斥され、これで排斥は5例目となり、いよいよ排斥の傾向が主流となったと評価できると思います。】
・・(ドラ・・地裁判決では、この国家無答責が、適用された)
最終的に、時効・除斥という「時間の壁」に負けたことになりますが、
従来の形式的にばっさり切るという判断枠組みを用いていないことは一定評価できます。しかし、たとえば、じん肺訴訟などで蓄積してきた除斥論の到達に比べれば、粗いものとの印象を受けます。判決は、1986年の中国公民出国入国管理法の制定をメルクマールにしていますが、同法が制定された後も、実態としては、日本に出国するためには、日本側のインビテーションや身元引受人が必要であり、保証金も用意しないといけないという現実がありました。
実際に提訴ができるようになったのは、1995年3月に、当時の銭其深外相が全人代において、【「政府は個人の提訴を妨げない」】と発言してからだと解するのが、この間の経緯を知っている人たちにとっては「常識」でした。
判決は、この点を重視することなく、事実上権利行使が困難だったということは認めながらも、それは「中国国内の事情によるもの」だとしました。
原告らは、決して「権利のうえに眠る者」ではありませんでしたが、中国内部の事情という一語でもって切り捨てられてしまいました。
もっとも、【今回の判決が、正面から強制連行・強制労働について国と企業の不法行為責任を認めた】ことは重要です。
請求権が消滅したことで請求は認められませんでしたが、「責任」が存していることには変わりありません。今回の判決は、ある意味で、「逃げ勝ちお勧め判決」といえなくもありませんが、こうした政府の不作為の結果を原告の側に負わせるのは妥当だとは思えません。
また、国際法のレベルでいえば、時効という観念は成立しないということも重要です。・・・
http://www.jicl.jp/now/saiban/backnumber/sengo_9.html
これは メッセージ 5545 (dorawasabi5000 さん)への返信です.
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