日本語の特殊性?
投稿者: nyankotyanndamon 投稿日時: 2010/05/20 13:48 投稿番号: [33370 / 41162]
今日の言語学において、日本語が特殊であるという見方自体が否定的である。たとえば、日本語に5母音しかないことが特殊だと言われることがあるが、クラザーズの研究によれば、209の言語のうち、日本語のように5母音をもつ言語は55あり、タイプとして最も多いという。また語順に関しては、日本語のように SOV構造をとる言語が約45%であって最も多いのに対して、英語のようにSVO構造をとる言語は30%強である(ウルタン、スティール、グリーンバーグ らの調査結果より)。この点から、日本語はごく普通の言語であるという結論が導かれるとされる[186]。また言語学者の角田太作は語順を含め19の特徴について130の言語を比較し、「日本語は特殊な言語ではない。しかし、英語は特殊な言語だ」と結論している[190]。これらは統計の基準を言語数としたものであり、かわりに話者数を基準とすれば異なった順位付けが得られるが、その場合でも5母音体系には話者数4位のスペイン語が、SOV構造には話者数3位のヒンディー語がある等、特殊であるという結論には達しがたい。
かつてジャーナリスト森恭三は、日本語の語順では「思想を表現するのに一番大切な動詞は、文章の最後にくる」ため、文末の動詞の部分に行くまでに疲れて、「もはや動詞〔部分で〕の議論などはできない」と記している[191]。このように、動詞が最後に来ることを理由に日本語を曖昧、不合理と断ずる議論は多い。しかし、文の中では「誰が、何を、どこで」など、述語以外の部分のほうが情報として重要な場合も多く、これらの部分を述語の前に置く妥当性もまた無視しえない。
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