南京大虐殺・従軍慰安婦強制連行の嘘

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731部隊の医学者たち

投稿者: fukagawatohei 投稿日時: 2009/11/11 14:46 投稿番号: [30126 / 41162]
「軍属の医学研究者たちは、別の種類のしがらみに縛られていた。
それは「医局講座制」における教授の大きな権力である。

大学の医学部には専門の研究室(講座)ごとに1名の教授を頂点とする権力構造が存在し、とくに教授は弟子の人事に関して裁量をふるっていた。

弟子たちは出身の講座に協力して「医局」を構成し、師である教授の意向に逆らうことができない。逆らえば医局で村八分にされ、研究者としての道を断念せざるをえないのである。

たとえば、七三一部隊できわめて残虐な凍傷実験を行っていた吉村寿人は、京都大学の講師を務めていたときに、師であった正路倫之助京大教授から七三一部隊行きを命じられた。

吉村は、それまで行っていた研究を捨てるのがいやで即座に断ったところ、正路に「今の日本の現状からこれを断るのは以ての外である」と叱られる。

それでも行きたくなくて、故郷から母親を呼び寄せて断りに行かせたところ「もし軍に入らねば破門するから出て行け」と言われ、しぶしぶ満州行きを承諾した。

しかしながら、正路はなぜこうまで強硬に吉村を七三一部隊へ行かせたがったのか。それは、すでに正路が、吉村を平房に行かせると石井四郎に約束していたからだと考えらる。

吉村自身のちに「何か先生が軍の方と既に約束済みの様な様子であった」と書いている。

石井は、出身大学である京都大学医学部の教授たちの協力を取り付けていた。京大だけでなく、東京大学医学部、東京大学伝染病研究所、大阪大学、慶応義塾大学、東北大学、熊本医科大学、北海道大学、金沢医科大学などの教授たちを、陸軍軍医学校防疫研究室の「嘱託」にしていたことが判明している。

石井はこれらの教授たちを通して優秀な弟子を石井機関へ派遣してもらい、研究者を確保していた。

1944年5月から七三一部隊の「内海班」に加わって血清研究をしていた秋元寿恵夫医師は、指導教授の緒方富雄東大教授から「あそこなら、研究を続けることがそのまま入隊するのと同じになるのだから、どうだ行かないか」と勧められた二つの場所のうち一つが七三一部隊だった、と述懐している。

緒方も防疫研究室の嘱託に名を連ねる1人だった。

また、教授たちとしても、石井に協力することで、研究費を確保したり、戦時下で調達困難になってきていた研究資材などの便宜を図ってもらうことができた。自らの研究のために石井機関で人体実験をしてもらうこともあった。

このように、石井機関は、もともと関連病院などのポストが少ない基礎医学系講座の教授たちにとっては弟子を送り込む格好の場所であり、貴重なデータを提供してくれるまたとない実験施設であり、研究上のパトロンでもあった。

石井のほうでも、防疫研究室の嘱託であるこれらの教授たちは、研究協力者であったと同時に、石井機関の中核をなす優秀な研究者の供給源だったのである。

人体実験や生体解剖による大量虐殺が「医学者たちの組織犯罪」であったといえるのは、石井機関と医学界がこうした密接な「共犯関係」を結んでいたからなのである。

いやいやながら送り込まれた吉村のような研究者にとっても、石井機関の研究施設は、研究費・設備・研究資材のどの点でも、夢のようにぜいたくな場所だった。

七三一部隊は当時の金で年間1千万円(今日の貨幣価値にして約90億円)もの莫大な経費を使っており、その半分の500万円が研究事業費だった(残りの半分の500万円は人件費)。

研究費は湯水のごとくあり、高価な電気冷蔵庫が少し故障しただけで修理もされずにたくさん放置されていたほどだった。

国家総動員体制が敷かれていた日本にあって石井機関は、そこで自分の研究テーマさえ見つけられれば、制約なく研究に没頭できる「理想的」な環境にあったのである。

しかも、流行性出血熱やペスト、発疹チフス、重度の凍傷など、日本本土ではめったに見られない「症例」が、そこにはあった。

吉村は七三一部隊で行った凍傷の研究により、戦後この分野の日本における権威となり、学術会議の南極特別委員会の委員を務め、京都府立医大の学長にもなっている。

また、同じく七三一部隊に加わった病理学者の石川太刀雄丸は、ペストや流行性出血熱の病理解剖を多数行い、標本を日本に持ち帰っている。

七三一部隊の部隊長を務めた北野政次も、人体実験によって流行性出血熱の病原体を確保することに成功した。

このように、石井機関はそこに送られた研究者たちにとって、日本本土ではけっして行えない研究を行うことのできる貴重な場所となった。」
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