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台湾につくした日本人列伝(終)

投稿者: thirteen_satan 投稿日時: 2008/06/13 17:04 投稿番号: [481 / 1344]
■9.東洋一の大水利事業を完成した八田與一■

  嘉南平野は台湾南部に広がる最大の平原で、香川県ほどの面積をもち、台湾の全耕作地面積の6分の1を占める。しかし雨期には集中豪雨のたびに河水が氾濫し、乾期には旱魃に襲われる。農作物がほとんど育たない不毛の地であった。
  総督府土木課に奉職する八田與一は大正9年から十年の歳月をかけて、上流の烏山頭で大規模なダムを造り、平野部に1万6千kmもの給排水路を張り巡らすという、東洋最大の水利事業を完成させた。アメリカの土木学会から「八田ダム」と命名され、世界的にも注目されたこの事業によって、不毛の大地であった嘉南平野は緑の沃野に変わった。
  台湾の民衆がこれをいかに受けとめたかは、昨年4月、嘉義県の呉明○(韋に榲のつくり)氏が自費出版した「嘉南大○(土へんに川)建設工事簡介」の次の文章からうかがわれる。
  当時東洋一の大水利事業を完成して、不毛の平原を台湾一の穀物の宝庫に変えた功績は、永久不滅である。現在もなお嘉南(嘉義、海南、雲南)の農民に父のように慕われている八田技師の名は永遠に残るであろう。
  戦後、日本人の銅像はことごとくを引きずり倒されたが、ただ独り八田技師の銅像が、今なお守り続けられている。さらに、同夫妻の墓も作られて、5月8日の命日には毎年欠かさずに、華南の人々によって供養が続けられている。愛や教育や宗教には国境がないことを如実に物語っている。

■10.台湾   加油(がんばれ)■

  日本が台湾を植民地にした事には、いろいろ議論がある。しかし、明治日本はそのかけがえのない人材を惜しみなく台湾統治に注ぎ込み、これらの人々はある種の同胞感を抱いて、心血を注いで台湾の民生向上と発展のために尽くした。この事は、台湾の民衆にもよく伝わり、それが「多桑」世代の親日感を生み出した。
  これらの日本人たちの努力に呼応して、台湾からも多くの偉大な人材が輩出したのだが、これはまた稿を改めて紹介したい。
  大陸中国の圧迫に耐えながらも、台湾は、今日、世界でも有数の経済力を誇る民主主義国として発展した。本稿で紹介した人々は、それを草葉の陰で何よりも喜んでいるに違いない。
  今回の大地震で、日本からの励ましの投書が台湾の新聞にも掲載された。「台湾   加油(がんばれ)」というそのタイトルは、そのままここに紹介した我が先人たちの思いでもあろう。



本文は伊勢雅臣氏の「国際派日本人養成講座」より引用致しました。
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