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「韓国はなぜ強いのか?」その一

投稿者: elgfaret 投稿日時: 2011/12/24 09:03 投稿番号: [205241 / 230347]
東洋経済日報

◆顧客価値競争に負けた日本◆

  昨年9月以降、「韓国はなぜ強いのか?」「日本企業は韓国勢にますます突き放されるのか?」といったテーマでの講演、寄稿論文、座談会を通して、多くの企業人と意見交換をした。そのいくつかをシリーズで紹介する。

  全体を通した私の印象はこうである。「韓国企業が、朝目覚めたら、とつぜん強大になっていた」などありえないのだが、昨年初頭来の「韓国勢強し」のニュースは、多くの日本人には「青天の霹靂」だった。「日本企業が韓国勢に負けるとは、思いもよらぬこと、あり得ないこと」だった。しかし、次々と入ってくるニュースは、世界中でサムスン電子がソニーを突き放し、現代自動車がトヨタやホンダに肉薄・追い越していると伝えている。そうだとしても、「すぐに日本勢が抜き返すにちがいない」。「韓国企業強し」を認めたくないのだ。

  決まりのように二つの反論がきた。「韓国企業は日本の二番煎じの技術を使って二流品を作り安い値段で提供している。世界の一流企業とは言えない」「ハイテクの部材を日本企業に依存しているから、日本企業に追いつけるわけがない」

  最初の反論に、こう答えた。「いま、ソニーとサムスンの液晶テレビが店頭で同じ値段で販売されていたら、世界中の人たちは、日本人を除いて、サムスンを買います。世界一美しいテレビという賛辞はサムスンのものです。ブランド・イメージもサムスンがずっと高い」と。裏付けデータもある。スタート時の技術は日本をベンチマークしたが、サムスンは、それを応用・革新、習熟・創発して日本を追い抜いた。世界中の賛辞がサムスン品質に集まっている。

  二番目の反論には、次の事実を伝えた。「アップル」のスマートフォンやタブレット型端末は、日韓台製の部品でできている。アップルには部材技術がない。しかし、その完成品である「アイフォン」「アイパッド」に世界の称賛が集まっている。これまでなかった新しいITライフを提供しているからだ。

  「エニーコール」(携帯電話)や「ボルドー」(液晶テレビ)は、日本勢の部材を使っているが、世界の支持は完成品を提供するサムスンに集まっている。不足している素材・部材技術を補って余りある性能・機能品質とイメージ品質を提供しているからだ。

  世界中の顧客の強い支持が集まる企業とその商品ブランドが「強い」のだ。ソニーやパナソニックはかつて、欧米の二番煎じの技術からスタートして、ブラウン管カラーテレビや携帯音楽プレイヤーで世界一のブランドになった。今、サムスンやアップルが、日本企業が先駆けた半導体技術やパネル技術を利用して、日本企業が創造できなかった新しい顧客価値を商品化して世界の頂点に立っている。

  「彼を知りて己を知れば、百戦して殆(あや)うからず。彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に殆うし」(孫子)。
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