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中国「反日デモ」の裏側で

投稿者: hangyosyufu 投稿日時: 2005/05/06 02:16 投稿番号: [75830 / 196466]
「日本がスケープ・ゴートにされた」とする同情的な分析は欧米のメディアに多い。中国全土に吹き荒れた「反日デモ」の本質は反中国政府、反中国共産党だとする解説が日本以外の有力メディアに蔓延している。

胡錦濤主席は「手を打つのが遅すぎた。もう間に合わない」と後悔の弁を吐いた様子だとニューズウィークが伝えた。4月9日の北京での反日騒動直後に政治局常任委員会が緊急に招集された席での発言という。

「反日デモ」の暴力的破壊行為は世界から顰蹙を買った。「愛国無罪」を叫ぶ狼藉を目撃した関係者からは北京オリンピックボイコットの声まで挙がった。

しかし中国は、一体何を隠そうとして反日をガス抜きに使ったのか?
 
所得格差、地域格差への不満は各地で暴動を頻発させてきた。最近はこの列に民族対立と環境汚染への強い怒りが加わり、農村や貧困地域に拡大する反政府暴動は、まさに「黄巾党の乱」に似た様相を帯びてきた。

昨年10月、重慶の暴動は同市萬州区で五万人が暴れた。三峡ダム建設現場から強制的に立ち退かされた農民が流れ込んだ地区で生活苦の人達が主体だった。
 
同年10月下旬、四川省漢源県でおきた15万人の大暴動は漢源ダムで立ち退かされた農民が立ち上がった必死の抵抗だった。この暴動は数十人が死んだと言われるが、爾後、現場は戒厳令が敷かれ、軍が投入されているため、詳細の事情がわからない。

折江省東陽市は北に歌山鎮、南に画水鎮、別名「歌山画水」といわれた。風光明媚、水墨画にも描ききれない美しい場所だった。人々は自然を愛し、環境に親しんだ。
 
この環境を破壊したのは四年前から稼働している化学工場の廃液と煤煙である。自然環境を享受してきた村人に異常な病気が蔓延しはじめた。東陽市郊外に急造の「竹渓工業団地」から汚染された廃液が流され続けた。

なかでも悪質なのは染料工場、化学肥料、農薬製造大手企業だ。しかし利潤をあげて税収に寄与するほか、共産党幹部が株主でもあり、地方政府は公害対策をなおざりにした。
 
工場周辺に小学校、中学校が建ち並び、もし事故が起これば数千人、数万人の生命に危機が及ぶと専門誌が指摘していた(04年10月16日付け『中国化工報』)。
 
付近の草木が枯れ、河が異臭を放ち、農薬の廃液が農地を汚し、毒性の空気を吸い込んだ妊婦が奇形児を産んだ。環境破壊、公害対策を訴えて、最初は老人たちが路上に座り込み、地方政府に抗議を開始した。
 
村人たちは監視チームを組織してトラックの搬入を見張り道路を竹網で封鎖し、警察に逆らい、ついには三千人の警官隊と激突、数十人が死傷、争乱状況へと陥った。事情を知った付近の村人五万人が駆けつけたからだ。

同じ頃に北京や広州、深センなどでは「反日デモ」が当局との暗黙の了解のもとに組織されたのだった。
 
東陽市では激怒した村人らが政府ビルに投石し公用車三十数両を横転させ警官とみるや殴りかかった。大規模な衝突はこうして公害、環境汚染が元凶となった。
 
同様の農民暴動は河南省浚北県、江蘇省盆城県、四川省遂寧市、重慶市合川県、広東省紹関などで報告されている。

「反日デモ」が中国の国内矛盾のすり替えに使われたことは確かである。(宮崎正弘)
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