阿片密売の真犯人
投稿者: apoxy_07 投稿日時: 2005/04/26 23:42 投稿番号: [72068 / 196466]
http://homepage3.nifty.com/dabohaze/kibo/note/kimura/kimurahisao.htm
関東軍が目をつけたのがアヘンであった。日本は国内にアヘン吸煙が広まることを厳禁する方針を幕末維新期から徹底してとっていた(1857年の日米修好通商条約のなかに「アヘン貿易禁止条項」が入っている)。日本がアヘン問題に正面からぶつかるのは日清戦争勝利の後、台湾割譲(下関条約1895)を受けてからである。台湾にはアヘン吸煙の習慣が残っていた。後藤新平の「アヘン漸禁」方式をとる。これは、表向きは「急激に禁止しない」としながら、アヘン吸煙の習慣を残してアヘン貿易の利益を図ろうとした政策である。(この「漸禁」という奇妙な語も「醜悪な美語」の仲間に入れてもいいだろう。)
そもそもアヘンは19世紀にイギリス・フランスなどでも流行しており、イギリスが中国に持ち込んだことによるアヘン戦争(1840年)はイギリスの「汚ない」植民地政策として理解されることが多いが、この段階で「アヘン貿易」が国際的に禁じられていたわけではない。正当な貿易品として会計報告も公然とされている。アヘンの害毒が認識され、アヘン生産・貿易を国際的に禁止・制限する動きが出てきたのは20世紀に入ってからであり、国際アヘン会議(1909,上海)、ハーグ会議(1912)、国際アヘン条約(1931、国際連盟)などによって、徐々に徹底してきたのである。ただし、日本は国際アヘン条約を批准せず、33年には国際連盟を脱退する。
1912年のハーグ条約からアヘン貿易は禁止されていた。ただし、アヘンは鎮痛・鎮静など医療用として必要とされ、ことに戦時には需要が急増した。したがって、アヘン生産の合法枠というものは常にあった。1931年の国際アヘン条約において(1)アヘン生産の制限,(2)利用は医療・学術面に限定すること,(3)年間のアヘン必要量の概算義務制度が盛り込まれた。
したがって、日本が中国でアヘン栽培・交易を行い巨利を得、それを「自治政府」や軍隊運営に使ったことは、公然化することのできない国際法上の犯罪行為に類するものであった。そのため、日本の敗戦にともない関連資料が徹底的に廃棄され、関係者は口をつぐんだ。東京裁判で扱われたが、不十分なものであった。19世紀のアヘン戦争のイギリスと、20世紀のアジアにおける日本のアヘン戦略と、同日の下には論じられないことを認識すべきである(言うまでもなく、イギリスが免罪されると主張しようというのではない)。
もともと熱河省はアヘン栽培が盛んだったと言われる。日本軍は満州国でも蒙彊政権でもアヘン栽培を奨励している。大阪府三島郡(現茨木市)でアヘン栽培・改良に精力的に取り組んだ二反長音藏[にたんちょうおとぞう]は「阿片王」とニックネームされているが、満州へ出かけてアヘン栽培指導を行っている(二反長半(にたんおさなかば)『戦争と日本阿片史』(1977)に詳しいが、この本には音藏が張家口を訪問した際の記念写真が掲載されている。なお、二反長半は童話作家としても名をなした人物)。
日本軍の占領地区の中でも、ことに蒙彊政権はアヘン栽培の中心地となり、中国各地に「輸出」している。
倉橋正直『日本の阿片戦略』(1996) p167、単位は万両(1万両は 360㎏)
「自治政府」を看板に掛け「アヘン」で巨利をむさぼる。日本の中国大陸侵略が実にダーティで、「遅れてやってきた帝国主義」とはいいながら、その侵略現場での程度の悪さは驚くべきものであった。こういう歴史認識が日本国民の常識になっていないことが、いつまでも戦争責任問題がスッキリしない根本原因になっていると、わたしは考えている。それが「自分は日本国民である」と胸を張って言えない原因になっていると思う、隠されている何が出てくるか知れたものじゃないという。日本軍の残虐行為や汚行を指摘することを、「自虐史観」などと評する言い方はまったく誤っている、とわたしは考えている。
江口圭一『資料日中戦争期阿片政策』(1985)、岡田芳政・多田井喜生・高橋正衛編『続現代史資料(12)阿片問題』(1986)がとりあえず、基本資料である。これらは資料として重要だが、読みやすいのは江口圭一『日中アヘン戦争』(1988)である。
アヘン政策の目的は、何よりも、その生産・販売によって巨利を獲得することにあった。アヘン収益の使途は、蒙彊政権の場合、表向きは政権維持の財源に充てられたことになっているが、その実態は秘密のベールに包まれて不明である。また収益とされる金額そのものも、どれだけ正確であるか、無条件には信用できない。ともかく、そこには巨額のブラック・マネーが獲得され、運用されたのである。(江口圭一『日中アヘン戦争』p207)
関東軍が目をつけたのがアヘンであった。日本は国内にアヘン吸煙が広まることを厳禁する方針を幕末維新期から徹底してとっていた(1857年の日米修好通商条約のなかに「アヘン貿易禁止条項」が入っている)。日本がアヘン問題に正面からぶつかるのは日清戦争勝利の後、台湾割譲(下関条約1895)を受けてからである。台湾にはアヘン吸煙の習慣が残っていた。後藤新平の「アヘン漸禁」方式をとる。これは、表向きは「急激に禁止しない」としながら、アヘン吸煙の習慣を残してアヘン貿易の利益を図ろうとした政策である。(この「漸禁」という奇妙な語も「醜悪な美語」の仲間に入れてもいいだろう。)
そもそもアヘンは19世紀にイギリス・フランスなどでも流行しており、イギリスが中国に持ち込んだことによるアヘン戦争(1840年)はイギリスの「汚ない」植民地政策として理解されることが多いが、この段階で「アヘン貿易」が国際的に禁じられていたわけではない。正当な貿易品として会計報告も公然とされている。アヘンの害毒が認識され、アヘン生産・貿易を国際的に禁止・制限する動きが出てきたのは20世紀に入ってからであり、国際アヘン会議(1909,上海)、ハーグ会議(1912)、国際アヘン条約(1931、国際連盟)などによって、徐々に徹底してきたのである。ただし、日本は国際アヘン条約を批准せず、33年には国際連盟を脱退する。
1912年のハーグ条約からアヘン貿易は禁止されていた。ただし、アヘンは鎮痛・鎮静など医療用として必要とされ、ことに戦時には需要が急増した。したがって、アヘン生産の合法枠というものは常にあった。1931年の国際アヘン条約において(1)アヘン生産の制限,(2)利用は医療・学術面に限定すること,(3)年間のアヘン必要量の概算義務制度が盛り込まれた。
したがって、日本が中国でアヘン栽培・交易を行い巨利を得、それを「自治政府」や軍隊運営に使ったことは、公然化することのできない国際法上の犯罪行為に類するものであった。そのため、日本の敗戦にともない関連資料が徹底的に廃棄され、関係者は口をつぐんだ。東京裁判で扱われたが、不十分なものであった。19世紀のアヘン戦争のイギリスと、20世紀のアジアにおける日本のアヘン戦略と、同日の下には論じられないことを認識すべきである(言うまでもなく、イギリスが免罪されると主張しようというのではない)。
もともと熱河省はアヘン栽培が盛んだったと言われる。日本軍は満州国でも蒙彊政権でもアヘン栽培を奨励している。大阪府三島郡(現茨木市)でアヘン栽培・改良に精力的に取り組んだ二反長音藏[にたんちょうおとぞう]は「阿片王」とニックネームされているが、満州へ出かけてアヘン栽培指導を行っている(二反長半(にたんおさなかば)『戦争と日本阿片史』(1977)に詳しいが、この本には音藏が張家口を訪問した際の記念写真が掲載されている。なお、二反長半は童話作家としても名をなした人物)。
日本軍の占領地区の中でも、ことに蒙彊政権はアヘン栽培の中心地となり、中国各地に「輸出」している。
倉橋正直『日本の阿片戦略』(1996) p167、単位は万両(1万両は 360㎏)
「自治政府」を看板に掛け「アヘン」で巨利をむさぼる。日本の中国大陸侵略が実にダーティで、「遅れてやってきた帝国主義」とはいいながら、その侵略現場での程度の悪さは驚くべきものであった。こういう歴史認識が日本国民の常識になっていないことが、いつまでも戦争責任問題がスッキリしない根本原因になっていると、わたしは考えている。それが「自分は日本国民である」と胸を張って言えない原因になっていると思う、隠されている何が出てくるか知れたものじゃないという。日本軍の残虐行為や汚行を指摘することを、「自虐史観」などと評する言い方はまったく誤っている、とわたしは考えている。
江口圭一『資料日中戦争期阿片政策』(1985)、岡田芳政・多田井喜生・高橋正衛編『続現代史資料(12)阿片問題』(1986)がとりあえず、基本資料である。これらは資料として重要だが、読みやすいのは江口圭一『日中アヘン戦争』(1988)である。
アヘン政策の目的は、何よりも、その生産・販売によって巨利を獲得することにあった。アヘン収益の使途は、蒙彊政権の場合、表向きは政権維持の財源に充てられたことになっているが、その実態は秘密のベールに包まれて不明である。また収益とされる金額そのものも、どれだけ正確であるか、無条件には信用できない。ともかく、そこには巨額のブラック・マネーが獲得され、運用されたのである。(江口圭一『日中アヘン戦争』p207)
これは メッセージ 72051 (yuki6000jp さん)への返信です.
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