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孫文と「シナ」

投稿者: daibenniu 投稿日時: 1999/04/15 13:53 投稿番号: [1985 / 196466]
孫文と「シナ」

  朝日新聞によると東京都知事選に立候補を表明した石原慎太郎氏は、記者会見で「シナ」という言葉を連発した。
そして、この言葉を使う理由としてこう述べた。
  「シナは、清が滅んで大陸が混乱したとき、孫文がつくった言葉だ。孫文は台湾でも大陸でも国父として尊敬され
ている。なぜ日本人が使うと差別になるのか、さっぱりわからない」「シナ」が孫文の造語だったとは初耳である。

  「シナ」の起源について、京都大学編さんの「東洋史辞典」は、始皇帝の建てた秦(チン)の名が周辺諸国に広ま
り、「シン」「チーナ」などになり、それが変化したものと記している。
  十七世紀に中国に滞在したイエズス会の宣教師、マルティノ・マルティニがとなえた説だという。漢字で書く「支
那」は、サンスクリット語の仏典を漢訳したときにできた。

  日本でも、江戸時代には蘭学者の間で用いられたという。「シナ」や「支那」の起源は、十九世紀半ばに生まれた
孫文よりずっと古いのである。

  一方、中国人は自国を、中華とか「漢」「唐」など王朝の名で呼んできた。だが、日本女子大の久保田文次教授に
よると、清朝の打倒をめざした孫文ら革命派は「清」を使うのを潔しとせず、「支那」を使った。差別的な言葉では
なかった。

  一九一一年に辛亥革命が起こり、その翌年に中華民国が成立する。ところが、日本政府は新国家を承認しないばか
りか、日本文の公文書では「支那」を使用することを決定する。
  政府は「正式な国号の使用」を要求した。その後の日本の中国侵略とともに、中国人は「支那」に反発を強めた。
  東京都知事は首都の顔である。中国からのお客さんも多かろう。相手が嫌がっている呼称を、わざわざ使うことは
ないのではないか。

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