★ 国家解体でいいのか ★ 渡部昇一
投稿者: yume_sarasa1211 投稿日時: 2010/07/10 18:28 投稿番号: [183452 / 196466]
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国家解体でいいのか
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渡部昇一書下ろしニュースレター 平成22年7月9日
参議院の焦点は消費税問題に移り、肝心の問題が陰に隠れてしまった感がある。
外国人地方参政権付与、夫婦親子別姓、そして人権の問題である。
これを論点の中心にして選挙戦が戦われていないことは残念である。
だが、今後の日本を考えれば、参院選ではこれらの問題がもっとも重要な論点で
あることに依然として変わりはない、と私は思っている。
こんな中、6月28日付産経新聞の「正論」で佐々淳行さんが菅首相について
論じておられた。いかにも佐々さんらしい歯切れのいい議論展開である。
東工大の学生運動指導者時代からの菅直人氏を知る佐々さんは、首相になった途端、
駐留米軍は抑止力として重要、普天間基地問題は日米合意を尊重、といった具合に
現実路線に軌道修正したかのような菅首相の変貌ぶりを捕らえ、
これがオタマジャクシが蛙になるような変容なのか、それともカメレオンが
色を変えるような一時的な変化なのか見定めたいとしている。
そして、それを見定めるために、三つの質問を投げかける。
この質問は私もまったく同感で、ぜひ菅首相の答えを聞きたいと思う。
その質問はこうである。
①当時副総理だった菅氏は、訪米した折にワシントンのアーリントン墓地に花輪を
捧げて参拝、アメリカのために命を捧げた兵士たちを慰霊した。
日本には靖国神社がある。
日本のために命を捧げた兵士たちを慰霊するために、代理でなく本人が参拝するのか。
②第2次安保闘争で警察官10有余名が死亡、約12,000人が負傷、
その後遺症で悲惨な後半生を送る人たちもいる。
全共闘世代の代表として殉職警察官慰霊に参列するか。
③中国は尖閣諸島の領有を宣言、実効支配しようとしている。
「中国と協議」「アメリカに聞いてみる」の鳩山外交を踏襲するのか、
それとも主権侵害に毅然と対抗するのか。
佐々さんは変容か一時的な変化かを見定めると粘り強いが、
私は菅首相の底は見えていると思う。
菅首相は自分の政治理念の原点として
松下圭一と永井陽之助の二人の政治学者を挙げている。
この二人が原点というのは、菅首相の政治思想のあり方を偽りなく示している。
松下圭一はひと言で言うなら国家解体論者である。
「国」と「国民」をなくし、「地方」と「市民」に移行させることを政治の理想とした。
また永井陽之助は「吉田ドクトリン」を規定し、評価した。
吉田ドクトリンとは吉田茂が行った政治の理念で、
軍備に金をかけず経済に力を注ぐ、というものである。
吉田は朝鮮戦争に際し米国の再軍備要請を断り、警察予備隊でお茶を濁し、
もっぱら経済復興に集中した。
永井陽之助はこの政治を吉田ドクトリンとして評価したのだが、
これをドクトリンと呼ぶのは曲解もいいところで吉田に対して失礼である。
つづく
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渡部昇一書下ろしニュースレター 平成22年7月9日
参議院の焦点は消費税問題に移り、肝心の問題が陰に隠れてしまった感がある。
外国人地方参政権付与、夫婦親子別姓、そして人権の問題である。
これを論点の中心にして選挙戦が戦われていないことは残念である。
だが、今後の日本を考えれば、参院選ではこれらの問題がもっとも重要な論点で
あることに依然として変わりはない、と私は思っている。
こんな中、6月28日付産経新聞の「正論」で佐々淳行さんが菅首相について
論じておられた。いかにも佐々さんらしい歯切れのいい議論展開である。
東工大の学生運動指導者時代からの菅直人氏を知る佐々さんは、首相になった途端、
駐留米軍は抑止力として重要、普天間基地問題は日米合意を尊重、といった具合に
現実路線に軌道修正したかのような菅首相の変貌ぶりを捕らえ、
これがオタマジャクシが蛙になるような変容なのか、それともカメレオンが
色を変えるような一時的な変化なのか見定めたいとしている。
そして、それを見定めるために、三つの質問を投げかける。
この質問は私もまったく同感で、ぜひ菅首相の答えを聞きたいと思う。
その質問はこうである。
①当時副総理だった菅氏は、訪米した折にワシントンのアーリントン墓地に花輪を
捧げて参拝、アメリカのために命を捧げた兵士たちを慰霊した。
日本には靖国神社がある。
日本のために命を捧げた兵士たちを慰霊するために、代理でなく本人が参拝するのか。
②第2次安保闘争で警察官10有余名が死亡、約12,000人が負傷、
その後遺症で悲惨な後半生を送る人たちもいる。
全共闘世代の代表として殉職警察官慰霊に参列するか。
③中国は尖閣諸島の領有を宣言、実効支配しようとしている。
「中国と協議」「アメリカに聞いてみる」の鳩山外交を踏襲するのか、
それとも主権侵害に毅然と対抗するのか。
佐々さんは変容か一時的な変化かを見定めると粘り強いが、
私は菅首相の底は見えていると思う。
菅首相は自分の政治理念の原点として
松下圭一と永井陽之助の二人の政治学者を挙げている。
この二人が原点というのは、菅首相の政治思想のあり方を偽りなく示している。
松下圭一はひと言で言うなら国家解体論者である。
「国」と「国民」をなくし、「地方」と「市民」に移行させることを政治の理想とした。
また永井陽之助は「吉田ドクトリン」を規定し、評価した。
吉田ドクトリンとは吉田茂が行った政治の理念で、
軍備に金をかけず経済に力を注ぐ、というものである。
吉田は朝鮮戦争に際し米国の再軍備要請を断り、警察予備隊でお茶を濁し、
もっぱら経済復興に集中した。
永井陽之助はこの政治を吉田ドクトリンとして評価したのだが、
これをドクトリンと呼ぶのは曲解もいいところで吉田に対して失礼である。
つづく
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これは メッセージ 183449 (riseidekanngaeru さん)への返信です.
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