中国文明考2:騎士道(武士道)精神の欠落
投稿者: bantering_remarks01 投稿日時: 2007/09/05 04:53 投稿番号: [144971 / 196466]
中国文明考2:騎士道精神(あるいは日本風に言えば武士道精神)の欠落
漢から六朝・隋唐を経て連綿と続いた中国の古代的貴族制社会は、中唐期の節度使の勢力強大化・分立をもって動揺し、晩唐の黄巣の乱を期に崩壊する。その後、五代十国の時代を経て北宋による統一を向かえるまでの約一世紀(870-960頃)を、中国史上の「武人の時代」と呼ぶそうである。同時期に、日本でも武士階級の興起があり、西欧でも騎士階級による封建社会の形成の動きがあった。
しかし中国の場合は、おそらく北方民族からの圧力が強力であったために、日本や西欧のように封建諸侯が分立したまま国家を存続させることが困難で、本来は武人勢力の一角に過ぎなかった宋朝による統一が促進され、統一の達成後は、再び国を分裂させないために、唯一絶対化された皇帝権の元で武人階級の抑圧(科挙制に基づく文人官僚支配の徹底化)が起こってしまった。
結局、中国は中世的封建制社会を形成するに至らないまま、近世的な官僚制皇帝専制国家に移行してしまった、というのが通説的な見解であろう。
要するに、日本的な武士道精神や、西欧的な騎士道精神が、後の世代の頼るべき精神遺産として形成されなかったのである。
では、中国社会に存在する武士道(騎士道)に替わる精神的遺産とは何か?
それは、私の見るところ「任侠道」である。
楚漢抗争の物語を読んでも、三国史演技を見ても、あるは後世の水滸伝の世界を考えても、そこにあるのは義兄弟の誓い等の「任侠道」すなわち「ヤクザの精神世界」である。これは一見ある種の美学を備えているようにも見えるが、本質的には武士道や騎士道の持つような死や犠牲的献身を超越した何か精神的な美的感性と哲学が欠落した、最終的には自己保存と利益万能のご都合主義の精神文化といえる。
台湾の民主化を成し遂げた李登輝前総統は、在任中に対岸の中国を「土匪国家」と罵倒したが、まさに「任侠道」にもとづくヤクザ(匪賊)が成り上がって国家権力を掌握して出発したのが今の中国である、と言うと言い過ぎであろうか。
しかし、中国の国家の成立を見ると、由緒正しい古代国家の系統は、B.C.2世紀初めの秦の滅亡で完全に途絶し、それ以降は、
①外来民族による征服国家(鮮卑系の北魏・隋・唐、遼・金・元・清)か、
②土匪の成り上がり国家(漢・五代の後梁・明・共産党支配化の現中国)
ばかりである。(なお、宋は五代の軍閥出身、中華民国も基本的に軍閥連合政権・・・土匪上がりが時代を経て少し上品になった程度)
「古代に既に大文明を築いていた中国がなぜ没落したのか・なぜ近代化が遅れたのか?」の答えが、ここ(騎士道精神の欠落)+前レス(女性的感性の欠如)にある、と思う。
漢から六朝・隋唐を経て連綿と続いた中国の古代的貴族制社会は、中唐期の節度使の勢力強大化・分立をもって動揺し、晩唐の黄巣の乱を期に崩壊する。その後、五代十国の時代を経て北宋による統一を向かえるまでの約一世紀(870-960頃)を、中国史上の「武人の時代」と呼ぶそうである。同時期に、日本でも武士階級の興起があり、西欧でも騎士階級による封建社会の形成の動きがあった。
しかし中国の場合は、おそらく北方民族からの圧力が強力であったために、日本や西欧のように封建諸侯が分立したまま国家を存続させることが困難で、本来は武人勢力の一角に過ぎなかった宋朝による統一が促進され、統一の達成後は、再び国を分裂させないために、唯一絶対化された皇帝権の元で武人階級の抑圧(科挙制に基づく文人官僚支配の徹底化)が起こってしまった。
結局、中国は中世的封建制社会を形成するに至らないまま、近世的な官僚制皇帝専制国家に移行してしまった、というのが通説的な見解であろう。
要するに、日本的な武士道精神や、西欧的な騎士道精神が、後の世代の頼るべき精神遺産として形成されなかったのである。
では、中国社会に存在する武士道(騎士道)に替わる精神的遺産とは何か?
それは、私の見るところ「任侠道」である。
楚漢抗争の物語を読んでも、三国史演技を見ても、あるは後世の水滸伝の世界を考えても、そこにあるのは義兄弟の誓い等の「任侠道」すなわち「ヤクザの精神世界」である。これは一見ある種の美学を備えているようにも見えるが、本質的には武士道や騎士道の持つような死や犠牲的献身を超越した何か精神的な美的感性と哲学が欠落した、最終的には自己保存と利益万能のご都合主義の精神文化といえる。
台湾の民主化を成し遂げた李登輝前総統は、在任中に対岸の中国を「土匪国家」と罵倒したが、まさに「任侠道」にもとづくヤクザ(匪賊)が成り上がって国家権力を掌握して出発したのが今の中国である、と言うと言い過ぎであろうか。
しかし、中国の国家の成立を見ると、由緒正しい古代国家の系統は、B.C.2世紀初めの秦の滅亡で完全に途絶し、それ以降は、
①外来民族による征服国家(鮮卑系の北魏・隋・唐、遼・金・元・清)か、
②土匪の成り上がり国家(漢・五代の後梁・明・共産党支配化の現中国)
ばかりである。(なお、宋は五代の軍閥出身、中華民国も基本的に軍閥連合政権・・・土匪上がりが時代を経て少し上品になった程度)
「古代に既に大文明を築いていた中国がなぜ没落したのか・なぜ近代化が遅れたのか?」の答えが、ここ(騎士道精神の欠落)+前レス(女性的感性の欠如)にある、と思う。
これは メッセージ 144970 (bantering_remarks01 さん)への返信です.
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