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Re: 【わかる中国知財法】職務発明制度(1

投稿者: valakooda 投稿日時: 2005/11/30 20:07 投稿番号: [104277 / 196466]
■   A類職務発明の詳解

  「特許法実施細則」第11条1項によると、A類職務発明は下記の三つのいずれかをさす。

(1)従業者がその職務上行なった発明
(2)所属会社等から課された本来の職務以外の任務を遂行して行なった発明
(3)退社等後1年以内に行なった、元の所属会社等における職務、または元の所属会社等から課された任務と関連性のある発明

  (1)にいう「職務」(中国語原文は「本職」)とは、その従業者が任じられた持ち場の内容または性格から、これを行なうことが当然に期待され、予定されていることを意味する。例えば、病院の麻酔医である原告の職務について、「患者の手術に先立って現有の薬物及び機器を利用し患者に麻酔を施すこと」であるとし、原告が考案した医療器械の改良品は職務発明に該当しないとした判決がある。

  職務の内容または性格は、職名、職種のほかに、社内の部門設置、社内規則等に基づき判断されるのが一般的である。また、高い地位に就き、高い給与を受ける者については、その職務の範囲は広く解すべきものとする裁判例がある。

  (1)だけを適用すると、会社の研究施設で勤務する技術者など、研究開発を職務とする従業者でない限り、その行なった発明は職務発明にあたらないことになり、会社側にとって不都合がある。これを補完するものとして(2)が設けられている。すなわち、本来ならば発明の完成が予定されていない職種に就く従業者であっても、会社は、これに任務を与え、研究開発に関与させることにより、当該任務のもとに当該従業者が行なう研究開発から生み出される成果物を職務発明とすることができる。

  従業者に職務以外の任務を課すには、明確な目的を有する指示のみならず、概括的な指示を与えても要件を満たしうる。しかし、事案ごとの判断を要するが、研究開発に関する具体的な内容または方向をある程度明確にしなければ、「任務」にはあたらないと解すべきであろう。さもなければ、会社はその従業員全員に対し研究開発せよと一言すれば、従業員の知恵のすべてを自己の財産として巻き上げることができる、という理不尽な結果を来たすからである。

  A類職務発明は、在職中に完成したものに限らない。(3)によると、発明は従業者が退社後に完成したものであっても、過去1年間内の職務または課された任務と関連性があれば職務発明に該当し、その特許出願権及び特許権は元の勤務先会社に帰属する。なお、退社でなく、社内での職種変動等の場合にもこの規定が適用されると解されている。

  (3)の規定は、会社側の利益保護に傾くきらいがある。他方、従業者が転職後に行なった発明について、元の勤務先と転職先の会社がその権利を争うことになるなど、実務上の混乱を招く。

  また、発明が在職中に完成されたにもかかわらず、従業者がその事情を隠して退社し、1年間を経てから自らの名義で出願するといったことも実際に発生しているが、会社側が発明の完成時を立証するのは困難な場合が多く、利益が損なわれてしまう。このような損害を避けるためには、従業者の研究開発過程を記録させて発明を把握しておくなど、日常的な管理が大切となる。

  次回の【わかる中国知財法】(12月14日)はB類職務発明及び従業員発明者への補償制度を解説する。(執筆者:あさひ・狛法律事務所 外国法アドバイザー・DENG,Mang)


(サーチナ・中国情報局)
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