中国の問題

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Re: 中国の問題

投稿者: nyankotyanndamon 投稿日時: 2008/11/21 13:56 投稿番号: [612 / 28555]
にして、戦争地域を大東亜のみに限定する意味にあらず」と説明し8、「アジア解放論」
を謳ったのである。
戦争の呼称については、一説によれば、海軍から「太平洋戦争」や「対米英戦争」と
いう案が出たが、支那事変を含むことと、対ソ戦争に発展するかもしれないことを考慮
し、新秩序建設という政治的意味を加えて「大東亜戦争」という名称に落ち着いたのだ
という9。情報局の説明は戦争地域が大東亜に限定されないことに力点があるように見え
るが、対ソ戦の可能性まで考慮したとは考えられないので、ハワイ攻撃の戦果と新秩序
建設という政治目的を強調したかったのであろう。緒戦の成功が政治目的の強調を促し
たと見るべきかもしれない。
緒戦の成功に伴う昂揚感は、東條首相の議会演説によく表れている。1942 年1 月、
彼はフィリピン、ビルマへの独立付与の可能性に言及し10、4 月には「ビルマ人のビル
マ」に次いで「印度人の印度」が実現さるべきことを呼びかけた11。森松氏は、日本人
は戦争指導者も庶民も、緒戦の勝利と「アジア解放論」の響きの良さに酔いしれてしま
ったのではないか、と指摘している12。この点はつとに原四郎氏が批判していたところ
でもあった13。
原氏は次のように論じている。戦争目的を自存自衛に限定しておいたならば、石油を
始めとする戦略物資の入手が確保された場合、日本は南方から全面撤収して戦争を終末
に導くことができるはずであった、と14。しかし、対米英戦を始める前ならばともかく、
開戦後にそんなことが可能だろうか。たとえ日本がそうしたとしても、アメリカはそれ
で和平に応じただろうか。きわめて疑問である。
むしろ、ここで注目すべきは、森松氏や原氏の指摘にも拘わらず、実際には「自存自
衛」から「大東新秩序」への戦争目的の拡大が戦争指導に禍いをもたらした形跡はほと
んど見当たらない、ということではないだろうか。後述するように日本にとって戦争終
末の捕捉が難しかったことはたしかだが、「アジア解放論」の戦争目的設定によってその
難しさが増したとは思われない。
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