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日本の医者に求められるもの

投稿者: nyankotyanndamon 投稿日時: 2009/07/21 10:13 投稿番号: [4336 / 28555]
アメリカでは高校からカレッジに入学する際に入学試験というものがない。進学志望者は各地で年に
何度か行われているSAT というテストを受ける。このテストのスコアと担当教師の推薦状、それに自
分の将来展望を綴った作文を添えて各地の大学に提出する。SAT を重視する大学では、高いスコアをとっ
たものが有利である。他方、スコアよりも推薦状を重視する大学もあるから、適材適所に収まる仕組み
になっている。カレッジに入ると2 年間は、全員リベラルアートという教養学部で一般教養を学ぶ。そ
の後各自選んだ専攻を終え4 年で卒業する。
  医学部に入るのはそれからである。医学部に入学する前のカレッジでの専攻は問われない。芸術学部
を卒業後ダンスの教師をしていた者もあれば、経営学部を出てビジネスの一線で活躍していて急に医師
になるのを思い立ったという者もある。志望者の半分位はいったん就職し社会人になったあと医学の道
を選んだ確信型である。医学部入学のえり別けは、4 年制の大学在学中の成績、学部長の推薦状、自薦
の作文、およびMCAT(Medical College Administration Test)と呼ぶ医学部入学資格試験のスコアに
よって行われる。願書とこの4 点を志望大学の医学部に提出し、あとは吉報を待つ。志望者の中には
40 も50 もの大学に願書を出し、下手な鉄砲も数撃てば当たるという可能性に賭ける者もいる。
  アメリカのカレッジでは受講各科の成績を4 点満点で評価する。アイオワ大学医学部は平均が2.5
以下の者の願書は受けつけない。入学者の平均点が3.6 点であるから、カレッジを優等で卒業しなけ
ればアイオワ大学医学部入学は困難である。
  MCAT は、1.文章理解能力、2.物理,化学の基礎知識、3.作文能力、4.生物学、生化学の基礎
知識の4 項目の能力を問うテストで、その結果は何段階かに分かれたスコアで呈示される。各大学によっ
てスコアの足切りレベルは異なるが、競争率の高い大学ほど高い。MCAT 受験の当日、急病になったり、
交通事故に巻き込まれたりして受験ができなくても絶望ではない。正当な理由があれば1 〜2 週の内
に再試験をしてもらえる。たまたまの病気や事故のために若者に1 年を棒に振らせることは、アメリカ
の寛容な国民性に合わない。
−−−−−中略−−−−−
今の日本の制度では、医学部にいったん入学してしまうと、自分でも、また他人からみても意志に適
していないとわかったとき、進路を変えようがない。医学部中退者を雇ってくれるところなどありはし
ない。不本意ながら医師になるか、一度退学して他の学部に入り直すしかないのだ。こうした制約のた
めに、いやいやながら医師になった卒業生も多数あると聴く。アメリカの制度では、当の本人が意思に
適さないと気づいた時点で医学部を中退してもすでにカレッジを卒業しているから、やり直しの人生設
計をたてやすい。医学部教職にあるものは社会に良い医師を提供すると同時に、医師不適格者を排除す
るという義務がある。医師になるべきでないと判断した若者に、進路変更を告げるのは辛い。しかし心
を鬼にしてもそれを実行しなければ、教師の任務を果たすことはできない。昨今、日本では医学部は出
たけれど医師国家試験をパスしないものが5 人に1 人いると仄聞する。国家試験の補習授業まで行わ
れていると耳にすると、米国医学部との違いにただ驚くばかりである。
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