パンドラの時代・・・?
投稿者: pyu_pyu_kitakaze 投稿日時: 2004/07/04 19:04 投稿番号: [171072 / 177456]
「十年後」
(月刊『現代』7月号)
毎月この欄で悲観的なことを書いている。
政治家の質は落ちる一方だし、今や国政には論旨というものがな
い。違憲的な政策が議論もなくどんどん決まってゆく。食言は無視
され、政府の目くらましを有権者は素直に受け入れる。全体が右へ
右へとシフトする。「心のノート」とか国歌強要とか、国は国民の
心の中に踏み込むようになった。
景気はよくならない。「リストラに成功した」会社ばかりが黒字
に転化し、社会ぜんたいでは失業者が増える。中高年男性の自殺者
は減らないし、未来に希望がないのだから出生率が下がるのは当然。
この先、事態はいよいよ悪くなるとしたら、具体的には何が起こ
るか。経済が低迷し、社会不安が増す。それに対して有効な策を持
たない分だけ国は強権化し、内外に対して攻撃的になる。中では私
権が制限され、外に向かっては資源と市場を確保するために武力の
役割が強調される。
アメリカへの依存は変わらないが、そのアメリカは冷戦以来の影
響力を大きく削がれていよいよ武力に頼るようになる。その傭兵と
してやがて日本軍は中南米あたりでゲリラ掃討作戦を請け負うだろ
う。
国民が硝煙の匂いに慣れたころ、ちょっとしたきっかけで起こっ
た隣国との小競り合いが意外に大きな規模の戦闘になり、戦死者の
数と共に軍の存在感は増す。原発の事故が起こり、被曝した周辺住
民の封じ込めのために核戦争装備の兵士が出動する。
個々の現象としてこのままではないかもしれないが、そちらに向
かう流れは歴然とある。根底にあるのは個人に対する国家の優位の
思想だ。国民のための国家ではなく、国家のための国民。兵士が国
のために死んでいるのだからきみたちも文句を言わずに奉仕しろ。
悲観論が好きなわけではない。願わくば十年後にこの文章を読み
返して、ことごとく外れと知り、不明を恥じたいものだ。
池澤夏樹
http://www.impala.jp/pandora/index.html
____________________
(「敵」を見極めよう)
少し付け加えるなら、
そうしてその「兵隊」は、
食うあてのなくなった極貧層から供給される。米国のように。
そのために貧富の差がますますひどくなるようにしておかなければならない。
こう考えると、「政治家」どものレベルの低下を幸い、
行き当たりばったりで軽薄断言していると見えるコネズミに「首尾一貫性」が見えてくるだろう。
こいつらのなすがままに放っておいたら、自分の生活が守れない。
だからこいつらは「敵」である。
コネズミを引きずり降ろすかどうかなんていう低次元のことではない。
その補完物も含めて、の話だよ。
毎月この欄で悲観的なことを書いている。
政治家の質は落ちる一方だし、今や国政には論旨というものがな
い。違憲的な政策が議論もなくどんどん決まってゆく。食言は無視
され、政府の目くらましを有権者は素直に受け入れる。全体が右へ
右へとシフトする。「心のノート」とか国歌強要とか、国は国民の
心の中に踏み込むようになった。
景気はよくならない。「リストラに成功した」会社ばかりが黒字
に転化し、社会ぜんたいでは失業者が増える。中高年男性の自殺者
は減らないし、未来に希望がないのだから出生率が下がるのは当然。
この先、事態はいよいよ悪くなるとしたら、具体的には何が起こ
るか。経済が低迷し、社会不安が増す。それに対して有効な策を持
たない分だけ国は強権化し、内外に対して攻撃的になる。中では私
権が制限され、外に向かっては資源と市場を確保するために武力の
役割が強調される。
アメリカへの依存は変わらないが、そのアメリカは冷戦以来の影
響力を大きく削がれていよいよ武力に頼るようになる。その傭兵と
してやがて日本軍は中南米あたりでゲリラ掃討作戦を請け負うだろ
う。
国民が硝煙の匂いに慣れたころ、ちょっとしたきっかけで起こっ
た隣国との小競り合いが意外に大きな規模の戦闘になり、戦死者の
数と共に軍の存在感は増す。原発の事故が起こり、被曝した周辺住
民の封じ込めのために核戦争装備の兵士が出動する。
個々の現象としてこのままではないかもしれないが、そちらに向
かう流れは歴然とある。根底にあるのは個人に対する国家の優位の
思想だ。国民のための国家ではなく、国家のための国民。兵士が国
のために死んでいるのだからきみたちも文句を言わずに奉仕しろ。
悲観論が好きなわけではない。願わくば十年後にこの文章を読み
返して、ことごとく外れと知り、不明を恥じたいものだ。
池澤夏樹
http://www.impala.jp/pandora/index.html
____________________
(「敵」を見極めよう)
少し付け加えるなら、
そうしてその「兵隊」は、
食うあてのなくなった極貧層から供給される。米国のように。
そのために貧富の差がますますひどくなるようにしておかなければならない。
こう考えると、「政治家」どものレベルの低下を幸い、
行き当たりばったりで軽薄断言していると見えるコネズミに「首尾一貫性」が見えてくるだろう。
こいつらのなすがままに放っておいたら、自分の生活が守れない。
だからこいつらは「敵」である。
コネズミを引きずり降ろすかどうかなんていう低次元のことではない。
その補完物も含めて、の話だよ。
これは メッセージ 171071 (pyu_pyu_kitakaze さん)への返信です.
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