米主導国際機関統治計画の滑稽さ
投稿者: etranger3_01 投稿日時: 2002/11/12 18:13 投稿番号: [149793 / 177456]
フセイン後、米主導の国際機関統治計画と米紙報道
【ワシントン11日=笹沢教一】米政府は、イラクのフセイン政権を打倒した場合、米主導の国際機関による暫定的な統治を計画している。11日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが、国防総省筋など複数の政府高官の話として伝えた。
同紙によると、フセイン政権崩壊直後は混乱が予想されるため、数千人規模の米軍が少なくとも3、4か月駐留し、大量破壊兵器の管理や人道支援による物資の供給、治安維持などにあたる。米軍をサポートする警察部隊も創設するという。その後、文民による国際的な機関を創設した上、イラクの新政権樹立まで、最低でも2年間、暫定的に統治し、その間、憲法草案起草や普通選挙実施も行う。
国際機関は米国が主導する見込みだが、米国務省は、米国の侵攻が地域の反米感情やテロを助長することを懸念し、暫定統治は国際機関によって行われることを希望しているという。
ブッシュ政権はこれまで、アフガニスタンなどの再建への関与に消極的だったが、イラクについては直接関与に乗り出す方針と見られる。(読売新聞)
[11月12日14時50分更新]
●コメント
現代の民主主義国家において主権はどこにあるか。国民にあるはずである。従って、政権を倒すことと、その国の政治システムを根底から塗り替えて暫定的な統治を行うのは滑稽な手段であると言わざるを得ない。
イラク国民に独裁政権を倒す力がないからという理由で、国連のお墨付きで独裁債権を倒すためにのみ助力するのはわかる。しかし、その後の政治システムの復旧・構築はあくまでイラク国内の反対政治勢力主導で行われるべきであり、他国が関与すべき問題ではない。
政権がなくとも国家主権は存在する。国民が存在し、政治システムが存在するからである。フセイン率いるバース党はあくまでその政治システムの中の政権党である。そしてバース党は、イラクの憲法に定められている手続きを経て、イラク国内の選挙法に従って(ただしテロル-恐怖-による票の誘導を行って)選出された与党なのである。
確固とした政治システムが存在する、アフガニスタンとは明らかに国情が異なる国家再建が国際機関主導で行われるのはおかしい。政権党が政界を去ることになったら、これまで反対勢力だった野党が政権党となるための信任を国民から得ればいいのである。いまのイラクにはその土壌もないというのか?
とにかくアフガンのように群雄割拠している永遠に内線状態にあるような政情が不安な多民族国家ではないのだ。アフガンの場合は力で政権を制し独自の法で国家を支配したタリバン政権を崩壊させた後には、権力の空白ができたためにそれを埋めるための暫定政府を国際監視のもとで成立させる必要があった。
しかし、イラクは違う。恒常的な内戦状態にもなく、軍閥貴族も存在しない。潤沢な石油資産で社会インフラは整備され、教育水準もアフガンとは比べものにならない。法整備もしっかりしている。
このような立派に近代国家として成り立っている国家の政権党を失脚させたからといって、それは「国際統治機構による暫定統治」などという戯言めいた結論には落ち着かないはずである。アメリカと安保理の賛成国がもくろんでいるのは、あくまでイラクの分割統治であり”大きなパイ”のはなはだ不均等だが妥当な配分なのである。イラクの国家としての主権は、いままさに風前の灯火にあると言っていいだろう。
【ワシントン11日=笹沢教一】米政府は、イラクのフセイン政権を打倒した場合、米主導の国際機関による暫定的な統治を計画している。11日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが、国防総省筋など複数の政府高官の話として伝えた。
同紙によると、フセイン政権崩壊直後は混乱が予想されるため、数千人規模の米軍が少なくとも3、4か月駐留し、大量破壊兵器の管理や人道支援による物資の供給、治安維持などにあたる。米軍をサポートする警察部隊も創設するという。その後、文民による国際的な機関を創設した上、イラクの新政権樹立まで、最低でも2年間、暫定的に統治し、その間、憲法草案起草や普通選挙実施も行う。
国際機関は米国が主導する見込みだが、米国務省は、米国の侵攻が地域の反米感情やテロを助長することを懸念し、暫定統治は国際機関によって行われることを希望しているという。
ブッシュ政権はこれまで、アフガニスタンなどの再建への関与に消極的だったが、イラクについては直接関与に乗り出す方針と見られる。(読売新聞)
[11月12日14時50分更新]
●コメント
現代の民主主義国家において主権はどこにあるか。国民にあるはずである。従って、政権を倒すことと、その国の政治システムを根底から塗り替えて暫定的な統治を行うのは滑稽な手段であると言わざるを得ない。
イラク国民に独裁政権を倒す力がないからという理由で、国連のお墨付きで独裁債権を倒すためにのみ助力するのはわかる。しかし、その後の政治システムの復旧・構築はあくまでイラク国内の反対政治勢力主導で行われるべきであり、他国が関与すべき問題ではない。
政権がなくとも国家主権は存在する。国民が存在し、政治システムが存在するからである。フセイン率いるバース党はあくまでその政治システムの中の政権党である。そしてバース党は、イラクの憲法に定められている手続きを経て、イラク国内の選挙法に従って(ただしテロル-恐怖-による票の誘導を行って)選出された与党なのである。
確固とした政治システムが存在する、アフガニスタンとは明らかに国情が異なる国家再建が国際機関主導で行われるのはおかしい。政権党が政界を去ることになったら、これまで反対勢力だった野党が政権党となるための信任を国民から得ればいいのである。いまのイラクにはその土壌もないというのか?
とにかくアフガンのように群雄割拠している永遠に内線状態にあるような政情が不安な多民族国家ではないのだ。アフガンの場合は力で政権を制し独自の法で国家を支配したタリバン政権を崩壊させた後には、権力の空白ができたためにそれを埋めるための暫定政府を国際監視のもとで成立させる必要があった。
しかし、イラクは違う。恒常的な内戦状態にもなく、軍閥貴族も存在しない。潤沢な石油資産で社会インフラは整備され、教育水準もアフガンとは比べものにならない。法整備もしっかりしている。
このような立派に近代国家として成り立っている国家の政権党を失脚させたからといって、それは「国際統治機構による暫定統治」などという戯言めいた結論には落ち着かないはずである。アメリカと安保理の賛成国がもくろんでいるのは、あくまでイラクの分割統治であり”大きなパイ”のはなはだ不均等だが妥当な配分なのである。イラクの国家としての主権は、いままさに風前の灯火にあると言っていいだろう。
これは メッセージ 149781 (ryuuyuuressi さん)への返信です.
固定リンク:https://yarchive.emmanuelc.dix.asia/1143582/bpjfa4lla5fa5m_1/149793.html