対米全面テロ

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アメリカ市民>JMM No.177

投稿者: yoursong319 投稿日時: 2002/08/19 12:55 投稿番号: [146409 / 177456]
そんな出口のない世相の中、珍しく感動を呼ぶ事件がありました。先週の7月25日
から三日間におよぶ、ペンシルベニア州のクエクリーク炭鉱事故と奇跡の生還劇は、
全米の注目を浴び、本当に久しぶりに前向きな気持ちを呼び起こしたのです。事故は
地下80メートルの横坑で起きました。誤って地下水脈に通じるパイプに穴を開けて
しまったところから、摂氏10度近い水が一気に出水、9人の作業員が横坑に閉じこ
められたのです。水位は刻一刻と上昇し、9人は絶望かと思われました。

事態を知った地上では、80メートル下の横坑に向けて細い管を通し、圧搾空気を地
上から送るという作戦に出ました。これが利いて、圧搾空気の圧力が出水を押戻し
9人が閉じこめられた空間には僅かな空洞が確保されたのです。作業員達は胸までを
水につかりながら、お互いの身体を密着させて体温を維持したと言います。

救出へ向けて、今度は人一人が通る太さの縦穴を80メートルの地上からドリルで掘
るという作戦が取られました。まるで、映画の『アルマゲドン』にあったようなドリ
ル作戦です。ですが、今回は難航を極めました。約二日を要したドリル作戦の途中で、
ドリルの損傷のために穴を一回り細いものに変更する騒動や、硬い岩盤にぶつかって
ドリルが進まなくなる事態などが起き、その度にペンシルベニア州のシュウェイカー
知事は悲痛な会見を繰り返していました。

この間、9人はそれこそ恐ろしい低温の水に胸までつかって抱き合いながら、「死ぬ
ときは一緒だ」と決意をして遺書を認めて弁当箱に詰めながらも、お互いを励まし
合っていたのだと言います。事故発生から三日半の過ぎた土曜日の深夜、ついに9人
の待つ80メートルの地下に、ドリルの穴が届きました。すぐに電話線が下ろされて、
9人の生存が確認されると緊張していた地上には一瞬の安堵が走ったといいます。で
すが、その後の収容作業は再び難航しました。

細いドリルの穴にギリギリ入る筒状のコンテナを下ろして、一人一人を救出するので
す。全員を収容するのに結果的に3時間以上を要しました。そうして、最終的に、
シュウェイカー知事の掲げた「9オブ9(9人中9人が無事)」という紙がTV画面
におどると、全米に安堵が広がってゆきました。詳しい事故原因はまだ調査中ですが、
州政府の発表によりますとこの炭坑は、昨年に行われた全米の炭鉱事故救出活動コン
テストで一位になった、つまり万が一の事態への備えができていた、それが救出劇の
成功の背景にあったのだそうです。

一方で、同時に発表された詳細では、いくらドリルの穴を貫通させても、水位を下げ
ないとコンテナを下ろした時に水位が上がってしまって作業員達が水没してしまう、
そのために圧搾空気とポンプで根気よく水位を下げる作業を平行させたのも成功につ
ながったのだと言います。いずれにしても、久々の美談でした。なによりも人命が尊
重されたこと、人々が希望を捨てなかったこと、堅実な危機対応策が成功したことな
どが背景にあるにしても、とにかく絶えて久しかった良い話に人々が安堵したという
ところでしょうか。


私は、この話にはアメリカの庶民のちからを見る思いがします。ペンタゴンのお歴々
は世界からソッポを向かれてもイラク侵攻を考え続け、ウォール街の紳士達はもはや
ストックオプションで巨利を得ることはできなくなったのに、新しい資本主義の枠組
みを作れずにいます。冷戦末期以来、過去20年ほどのアメリカの力の優位を支えた
パワーに昔日の面影も立派さもないなかで、地下の深い闇の中でお互いを信じ、仲間
を信じて耐えた作業員達の物語はどうしようもなく輝いて見えるのです。問題は、そ
うした庶民の力を新しい時代の流れへと結集してゆくことでしょう。大恐慌時代以来
の様々な歴史の教訓が総動員させられる、そんな時期なのかも知れません。
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