追記 >> 「カンパ処罰法」絶対反対!
投稿者: chottomato3 投稿日時: 2002/05/10 20:36 投稿番号: [141725 / 177456]
カンパしたら処罰の危険性
「テロ資金供与防止条約」の批准と関連国内法「公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律案(テロ資金提供処罰法案)」の審議が国会で始まっている。当初は「テロ対策」ということで、野党も含め議員たちの多くが賛成し、すでに衆議院は通過してしまった。今後、参議院で審議される予定だが、この条約と法案は、実はメディア規制法案や有事法制と同様に重大な問題をはらんでいる。
NGO(非政府組織)や難民に寄付をした経験のある人は少なくないだろう。今回の条約・国内法は、そうした市民活動の基本であるカンパ行為に大いに関係してくる。
まず「テロ資金供与防止条約」は、テロにかかわる団体・個人への資金援助と受領を犯罪として処罰しようとすることを目的にしている。しかし、対象となる「テロ行為」の定義はあいまいで、国際的に共通の認識があるとはいえない。国連でも意見が分かれ、議論が続いているのが実情だ。
米国やドイツ、ロシア、中国を含む大多数の諸国も、まだ批准していない。テロ対策強化の国際的流れはわかるが、なぜ、これほど疑問の多い条約を拙速で批准せねばならないのか。
さらに、条約を実行するための国内法として政府が提案した「公衆等脅迫目的資金提供処罰法」となると、条約の範囲をはるかに超えた法律である。
対象になる犯罪行為は「公衆、政府、外国政府、地方公共団体に対する脅迫目的」としてひとくくりにされ、航空機、船舶、人質などだけでなく、「爆発物を爆発させ、放火し、その他(中略)重大な危害を及ぼす方法により重大な損傷を」電車などの運搬車両、道路、公園などの公共施設、原発、電気、ガスなどの公用施設、建造物などに与えることに広げている。
しかも、授受された資金が対象とされる犯罪行為に使われたかどうかにかかわらず、10年以下の懲役または1千万円以下の罰金が科される。刑法にはない「カンパ罪」の新設であり、私たちは「カンパ処罰法」と呼んでいる。
これでは、パレスチナの子どもたちの教育資金をカンパをしたら処罰、ということもありうる。アフガニスタン難民支援、チベット独立、ミャンマー(ビルマ)軍政に反対する活動や反戦運動など、他にも様々な市民活動が対象になる可能性が考えられる。
人の命を奪うテロは許されない。だが、南アフリカのアパルトヘイト廃止運動やネルソン・マンデラ氏の活動、東ティモール独立運動なども、かつては時の政府からテロ活動として弾圧された。
テロの定義は難しい。
ところが、この法案では、テロ行為かどうかの判断は捜査機関にゆだねられ、破壊活動防止法・団体規制法のような団体認定の手続きもない。これでは処罰範囲は、恣意的なものとなる可能性がある。
表現手段を奪われた民衆の抵抗をテロ行為と認定して規制すれば、海外の抑圧的な宗教・政治体制の延命に手を貸すことにもなりかねない。カンパの処罰となれば、思想信条の自由や結社の自由などが著しく侵害される恐れもある。NGOへの市民の支援も萎縮しかねず、すでに日本弁護士連合会が反対の声明を発表、NGOも反対の動きを強めている。
戦前の治安維持法には「結社の目的遂行のためにする行為」を処罰対象とする目的遂行罪があった。今回の条約と国内法はそれ以上に治安立法として猛威をふるう危険があることを、しっかり言っておきたい。
(弁護士・社民党幹事長 福島瑞穂)
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以上、5月9日朝日朝刊「私の視点」より無断転載。(ごめんなさい)
「テロ資金供与防止条約」の批准と関連国内法「公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律案(テロ資金提供処罰法案)」の審議が国会で始まっている。当初は「テロ対策」ということで、野党も含め議員たちの多くが賛成し、すでに衆議院は通過してしまった。今後、参議院で審議される予定だが、この条約と法案は、実はメディア規制法案や有事法制と同様に重大な問題をはらんでいる。
NGO(非政府組織)や難民に寄付をした経験のある人は少なくないだろう。今回の条約・国内法は、そうした市民活動の基本であるカンパ行為に大いに関係してくる。
まず「テロ資金供与防止条約」は、テロにかかわる団体・個人への資金援助と受領を犯罪として処罰しようとすることを目的にしている。しかし、対象となる「テロ行為」の定義はあいまいで、国際的に共通の認識があるとはいえない。国連でも意見が分かれ、議論が続いているのが実情だ。
米国やドイツ、ロシア、中国を含む大多数の諸国も、まだ批准していない。テロ対策強化の国際的流れはわかるが、なぜ、これほど疑問の多い条約を拙速で批准せねばならないのか。
さらに、条約を実行するための国内法として政府が提案した「公衆等脅迫目的資金提供処罰法」となると、条約の範囲をはるかに超えた法律である。
対象になる犯罪行為は「公衆、政府、外国政府、地方公共団体に対する脅迫目的」としてひとくくりにされ、航空機、船舶、人質などだけでなく、「爆発物を爆発させ、放火し、その他(中略)重大な危害を及ぼす方法により重大な損傷を」電車などの運搬車両、道路、公園などの公共施設、原発、電気、ガスなどの公用施設、建造物などに与えることに広げている。
しかも、授受された資金が対象とされる犯罪行為に使われたかどうかにかかわらず、10年以下の懲役または1千万円以下の罰金が科される。刑法にはない「カンパ罪」の新設であり、私たちは「カンパ処罰法」と呼んでいる。
これでは、パレスチナの子どもたちの教育資金をカンパをしたら処罰、ということもありうる。アフガニスタン難民支援、チベット独立、ミャンマー(ビルマ)軍政に反対する活動や反戦運動など、他にも様々な市民活動が対象になる可能性が考えられる。
人の命を奪うテロは許されない。だが、南アフリカのアパルトヘイト廃止運動やネルソン・マンデラ氏の活動、東ティモール独立運動なども、かつては時の政府からテロ活動として弾圧された。
テロの定義は難しい。
ところが、この法案では、テロ行為かどうかの判断は捜査機関にゆだねられ、破壊活動防止法・団体規制法のような団体認定の手続きもない。これでは処罰範囲は、恣意的なものとなる可能性がある。
表現手段を奪われた民衆の抵抗をテロ行為と認定して規制すれば、海外の抑圧的な宗教・政治体制の延命に手を貸すことにもなりかねない。カンパの処罰となれば、思想信条の自由や結社の自由などが著しく侵害される恐れもある。NGOへの市民の支援も萎縮しかねず、すでに日本弁護士連合会が反対の声明を発表、NGOも反対の動きを強めている。
戦前の治安維持法には「結社の目的遂行のためにする行為」を処罰対象とする目的遂行罪があった。今回の条約と国内法はそれ以上に治安立法として猛威をふるう危険があることを、しっかり言っておきたい。
(弁護士・社民党幹事長 福島瑞穂)
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以上、5月9日朝日朝刊「私の視点」より無断転載。(ごめんなさい)
これは メッセージ 141724 (chottomato3 さん)への返信です.
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