RE:ICCについて質問
投稿者: etranger3_01 投稿日時: 2002/03/19 07:38 投稿番号: [138744 / 177456]
niokaさんからこのような質問を頂けるとは。精一杯答えさせていただきます。
ソース:Amnesty International発行
Fact Sheet No.10 AI Index IOR 40/10/00
>非加盟国(署名)の適用は、どのような扱い?
まず、署名は厳密的に国家の批准の意思を表明するだけのものであり、法的拘束力を持ちません。詳しくは後述のURLをご参照ください。国家が国際条約の拘束を受けるのは、その条約に批准した場合のみです。よって、ここでは批准(締約)、非批准(非締約)という概念で説明させていただきます。
署名と批准の違いとは:国際法研究室
http://homepage1.nifty.com/arai_kyo/intlaw/icccountdown.htm
さて、非締約国に対して規程が適用されるという条文は規程に明記されていません。但し、規程に定めるICCの管轄権を国家が認めなければならない状況が2つ存在します。
1)ICCと当該国の間に特別の合意があること
このような状況であれば、ICCは国家に対して協力(規程の適用)を求めることができます。そして、このような事前合意がなされた場合には、国家は規程第87号5項に基づいてICCの協力要請(規程の適用)に従わなければなりません。
この場合に国家が合意する協力事項には次のものが含まれます:
a)証人・物などの特定および所在確認
b)証拠の収集
c)捜査もしくは訴追対象の取調べ
d)法的文書の送達
e)証人の自発的な出頭の促進
f)建造物の検証・差し押さえ
g)文書提供
h)被害者・承認の保護および証拠保全
i)没収を目的とした武器および乗り物などの財産や犯罪の道具の特定・追跡・凍結
j)被害者の賠償に関するICCの判決に効果を与える協力(第75条5項)
2)国連安保理が「国際の平和と安全を脅かす事態」をICCに付託した場合
この場合は安保理が国連憲章第7章に基づく権限を行使することにより、非締約国がICCの協力要請に応じるよう強制できます(これを安保理発動の「非軍事的制裁」といいます。過去の例ではイラクに対する経済制裁、そしてICC関連では旧ユーゴおよびルワンダにおける特別国際刑事裁判所の設置がこれに該当します)。
>非加盟国にまたがる犯罪の場合、法の執行権は発生するのですか?
上記でご説明したとおり、上記の条件に従って非締約国が管轄権を認めた場合にのみ、ICCはその管轄権を非締約国に対しても行使できます。
>多国間条約、例えばNPTのように非加盟国それ自体が核を保有しても、国際的圧力うんぬんはともかく、その正当性は尊重されてますよね。ICCの場合、非加盟国にまたがる犯罪の場合、その国家の主権は尊重されるのですか?
尊重されます。 ICCも所詮は多国間条約ですから、原則として国家主権が優先されます。また、ICCの場合は補完性の原則がありますので、上記のいずれの状況にも該当しない場合、すなわち非締約国が国内法あるいは国内の政治体制下では公正な裁判を行うことができないなどの判断を下し、1)ICCに管轄権を付託するか、2)国連安保理が安全保障上の理由でICCに管轄権を付託しない限りは、非締約国は管轄権を拒否できます。
ソース:Amnesty International発行
Fact Sheet No.10 AI Index IOR 40/10/00
>非加盟国(署名)の適用は、どのような扱い?
まず、署名は厳密的に国家の批准の意思を表明するだけのものであり、法的拘束力を持ちません。詳しくは後述のURLをご参照ください。国家が国際条約の拘束を受けるのは、その条約に批准した場合のみです。よって、ここでは批准(締約)、非批准(非締約)という概念で説明させていただきます。
署名と批准の違いとは:国際法研究室
http://homepage1.nifty.com/arai_kyo/intlaw/icccountdown.htm
さて、非締約国に対して規程が適用されるという条文は規程に明記されていません。但し、規程に定めるICCの管轄権を国家が認めなければならない状況が2つ存在します。
1)ICCと当該国の間に特別の合意があること
このような状況であれば、ICCは国家に対して協力(規程の適用)を求めることができます。そして、このような事前合意がなされた場合には、国家は規程第87号5項に基づいてICCの協力要請(規程の適用)に従わなければなりません。
この場合に国家が合意する協力事項には次のものが含まれます:
a)証人・物などの特定および所在確認
b)証拠の収集
c)捜査もしくは訴追対象の取調べ
d)法的文書の送達
e)証人の自発的な出頭の促進
f)建造物の検証・差し押さえ
g)文書提供
h)被害者・承認の保護および証拠保全
i)没収を目的とした武器および乗り物などの財産や犯罪の道具の特定・追跡・凍結
j)被害者の賠償に関するICCの判決に効果を与える協力(第75条5項)
2)国連安保理が「国際の平和と安全を脅かす事態」をICCに付託した場合
この場合は安保理が国連憲章第7章に基づく権限を行使することにより、非締約国がICCの協力要請に応じるよう強制できます(これを安保理発動の「非軍事的制裁」といいます。過去の例ではイラクに対する経済制裁、そしてICC関連では旧ユーゴおよびルワンダにおける特別国際刑事裁判所の設置がこれに該当します)。
>非加盟国にまたがる犯罪の場合、法の執行権は発生するのですか?
上記でご説明したとおり、上記の条件に従って非締約国が管轄権を認めた場合にのみ、ICCはその管轄権を非締約国に対しても行使できます。
>多国間条約、例えばNPTのように非加盟国それ自体が核を保有しても、国際的圧力うんぬんはともかく、その正当性は尊重されてますよね。ICCの場合、非加盟国にまたがる犯罪の場合、その国家の主権は尊重されるのですか?
尊重されます。 ICCも所詮は多国間条約ですから、原則として国家主権が優先されます。また、ICCの場合は補完性の原則がありますので、上記のいずれの状況にも該当しない場合、すなわち非締約国が国内法あるいは国内の政治体制下では公正な裁判を行うことができないなどの判断を下し、1)ICCに管轄権を付託するか、2)国連安保理が安全保障上の理由でICCに管轄権を付託しない限りは、非締約国は管轄権を拒否できます。
これは メッセージ 138740 (nioka198 さん)への返信です.
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