ICC:法治の源泉と米国加入について
投稿者: etranger3_01 投稿日時: 2002/02/05 15:42 投稿番号: [134049 / 177456]
>私ばかりではなくここを見ている多くの方にとっても、意義ある発信であったと思います。
kamemusiさん、こちらこそありがとうございます。実は、私もやっと確信を持ってこの質問に答えられるようになったのですよ。それは、先月のJNICC-Amnesty Japan懇親会に行って初めて直接公のICC推進者の話を聞くことができ、私自身、数々の疑問に答えてもらったからなのです。やっと得ることができて、自分の中でもまとまった考えを提示する機会をくださりありがとうございました。
>ICCにおける法の支配とは純然とした「契約」の観念なのですね。
そうです。法治が基本であり、その中で権限の委譲(国家主権の一部委譲)がなされる限り、そこには社会契約が成立します。システムの中で保護を受けることが可能となる締約国は、そのための条件(義務)を満たす必要があり、またシステムは条件を遵守する締約国を保護する義務があります。さらに、各締約国の権利を保護するために、締約国同士の間にも他の締約国を保護するための義務が生じ、それを遵守することで集団社会契約が成立します。これは西洋思想なのでしょうか。異邦人の私はいとも簡単にこの概念を「合理的」であると受け止めてしまいます(苦笑)
>ただ、現実を踏まえて言えば、ぜひアメリカを締結国に加えたい、説得を続けてほしいと思いました。
……そうですね。アメリカはICC構想の提唱国です。国連発足と時期を同じくして、国連の前身であった国際連盟を提唱したアメリカが、ICCを起草しました。しかし、その後半世紀に渡って、冷戦などのパワーゲームによりこうした国際司法機構の機能は事実上、機能不全状態でした。1998年にトリニダートトバゴにより再提唱されて初めて、ICCは再び国際社会の陽の目を見ることになりました。実に起草から50年以上後の話です。私は個人的には、アメリカに締約国になってもらいたい気持ちはあっても、最初の60カ国の輪に加わってほしいという気持ちはありません。最初の60の締約国からなる締約国会議は、ICCの運営に携わるいわば常任理事国の役割を果たします。ここに、私個人としてはアメリカに入って欲しくないのです。そこまで、信用できないのですよ。哀しいことながら…。
現実問題として、現在ICCシステムはEU主導で胎動し始めています。以前投稿したMSG#133118を参照していただければおわかりになるように、現在の全50カ国の批准国のうち、EU加盟国が13カ国、アフリカ諸国は11カ国となっています。つまり半数の25カ国がEUの影響下にあります(アフリカ諸国のほとんどはEU諸国と旧宗主国関係になります。これらの国々における政策・法制などに関する勧告や経済支援などにおいて、EU諸国は依然として大きいな影響力を持っています。すなわち、アフリカ諸国はほとんど旧宗主国の言いなりと言っても過言ではないでしょう)。
また最新のCICCニュースによれば、EUは本年度ICC予算に5億ユーロの拠出を決めています。これに対してアメリカは史上最高額の国防予算を計上したばかり。明らかに方向性が違います。さらにアメリカは、昨年末にICCに対する協力を凍結する政府歳出予算法案を可決したばかり。1年の期限付きにしたとはいえ、年内にICCが発足し、実質的な運営が来年にも開始されるという段になってるいまでは、アメリカの加入はあまり実質的な影響を及ぼしそうにありません。影響力のないアメリカなど、必要ないのです。またアメリカも、影響力を及ぼせない国際機構になど参加したくないでしょう。
EU全部に匹敵する資金運営の上で大きな発言権を将来持ちうるのは、おそらく日本です。現状でも国際司法裁判所(ICJ:国連システムの一部であり、国家間の紛争を調停し法に照らした勧告を行うための調停機関)に優秀な人材を送り込んでいますから、来年度に判事の選定選挙が行われる際には、日本も有力候補に入るでしょう。そして同盟国である日本が本当に加盟に踏み切ったら、アメリカもさすがに態度を変えるかもしれません。日本のアメリカ離れは、「アメリカが望む形でさえあれば」アメリカは容認しますが、それ以外の形では受け入れざる現実でしょうからね。日本の動きとそれを注視するアメリカの反応に今後も注目です。
kamemusiさん、こちらこそありがとうございます。実は、私もやっと確信を持ってこの質問に答えられるようになったのですよ。それは、先月のJNICC-Amnesty Japan懇親会に行って初めて直接公のICC推進者の話を聞くことができ、私自身、数々の疑問に答えてもらったからなのです。やっと得ることができて、自分の中でもまとまった考えを提示する機会をくださりありがとうございました。
>ICCにおける法の支配とは純然とした「契約」の観念なのですね。
そうです。法治が基本であり、その中で権限の委譲(国家主権の一部委譲)がなされる限り、そこには社会契約が成立します。システムの中で保護を受けることが可能となる締約国は、そのための条件(義務)を満たす必要があり、またシステムは条件を遵守する締約国を保護する義務があります。さらに、各締約国の権利を保護するために、締約国同士の間にも他の締約国を保護するための義務が生じ、それを遵守することで集団社会契約が成立します。これは西洋思想なのでしょうか。異邦人の私はいとも簡単にこの概念を「合理的」であると受け止めてしまいます(苦笑)
>ただ、現実を踏まえて言えば、ぜひアメリカを締結国に加えたい、説得を続けてほしいと思いました。
……そうですね。アメリカはICC構想の提唱国です。国連発足と時期を同じくして、国連の前身であった国際連盟を提唱したアメリカが、ICCを起草しました。しかし、その後半世紀に渡って、冷戦などのパワーゲームによりこうした国際司法機構の機能は事実上、機能不全状態でした。1998年にトリニダートトバゴにより再提唱されて初めて、ICCは再び国際社会の陽の目を見ることになりました。実に起草から50年以上後の話です。私は個人的には、アメリカに締約国になってもらいたい気持ちはあっても、最初の60カ国の輪に加わってほしいという気持ちはありません。最初の60の締約国からなる締約国会議は、ICCの運営に携わるいわば常任理事国の役割を果たします。ここに、私個人としてはアメリカに入って欲しくないのです。そこまで、信用できないのですよ。哀しいことながら…。
現実問題として、現在ICCシステムはEU主導で胎動し始めています。以前投稿したMSG#133118を参照していただければおわかりになるように、現在の全50カ国の批准国のうち、EU加盟国が13カ国、アフリカ諸国は11カ国となっています。つまり半数の25カ国がEUの影響下にあります(アフリカ諸国のほとんどはEU諸国と旧宗主国関係になります。これらの国々における政策・法制などに関する勧告や経済支援などにおいて、EU諸国は依然として大きいな影響力を持っています。すなわち、アフリカ諸国はほとんど旧宗主国の言いなりと言っても過言ではないでしょう)。
また最新のCICCニュースによれば、EUは本年度ICC予算に5億ユーロの拠出を決めています。これに対してアメリカは史上最高額の国防予算を計上したばかり。明らかに方向性が違います。さらにアメリカは、昨年末にICCに対する協力を凍結する政府歳出予算法案を可決したばかり。1年の期限付きにしたとはいえ、年内にICCが発足し、実質的な運営が来年にも開始されるという段になってるいまでは、アメリカの加入はあまり実質的な影響を及ぼしそうにありません。影響力のないアメリカなど、必要ないのです。またアメリカも、影響力を及ぼせない国際機構になど参加したくないでしょう。
EU全部に匹敵する資金運営の上で大きな発言権を将来持ちうるのは、おそらく日本です。現状でも国際司法裁判所(ICJ:国連システムの一部であり、国家間の紛争を調停し法に照らした勧告を行うための調停機関)に優秀な人材を送り込んでいますから、来年度に判事の選定選挙が行われる際には、日本も有力候補に入るでしょう。そして同盟国である日本が本当に加盟に踏み切ったら、アメリカもさすがに態度を変えるかもしれません。日本のアメリカ離れは、「アメリカが望む形でさえあれば」アメリカは容認しますが、それ以外の形では受け入れざる現実でしょうからね。日本の動きとそれを注視するアメリカの反応に今後も注目です。
これは メッセージ 134027 (kamemusi48 さん)への返信です.
固定リンク:https://yarchive.emmanuelc.dix.asia/1143582/bpjfa4lla5fa5m_1/134049.html