NGO排除――お上が信用されないのは
投稿者: chottomato2 投稿日時: 2002/01/26 12:55 投稿番号: [132335 / 177456]
「勝手に名前を使われて迷惑している」という。北海道比例区選出の代議士、鈴木宗男さんのことである。
アフガニスタン復興支援国際会議が東京で開かれたさい、日本の二つの非政府組織(NGO)を代表する大西健丞さんが直前になって出席を拒まれた。
大西さんは本紙のひと欄で「お上の言うことはあまり信用しない」と語った。鈴木代議士がこれに怒っているので、電話して謝ってほしいと外務省の幹部がいう。大西さんはそれに応じなかった。そこで外務省が会議への参加を断ってきた――おおむね、こんなふうに報じられた。
鈴木さんは介入を否定している。ひとまずご本人の言に従っておこう。しかし、公然と語った次の発言にはひっかかる。問題の核心がよく表れてもいる。
「政府が信用できないのに、なぜ政府主催の会議に出たいのか理解できない」
役所にもの申すような団体は、相手にしたくない。外務当局のそういう態度にこの人は同調しているわけだ。だが、そんなことが今の世界に通用するだろうか。
どんな政府も完全ではない。役所にいたのではよく見えないことが、民間の目には明らかということもある。互いに立場が違うからこそ、協力し合う意味は大きい。
そういう発想が先進国を中心に世界に広まって、NGOがさまざまな分野でその意義と存在感を大きくしてきた。
NGOはお役人が天下って何でもいうことをきく特殊法人ではない。そもそも、お上を「あまり信用しない」ところから活動を始めることに存在意義のある団体だ。
それに、昨今の日本政府を信用しろというのも無理な話だ。外務省には機密費問題がある。各地の県警本部で不祥事が続く。狂牛病では農水省の体たらくだ。国民はそんなお上を妄信するほど愚かではない。
こんな話も聞く。
今回のアフガン復興支援国際会議では緒方貞子政府代表が共同議長を務めた。この人選でも、自民党のさる議員から外務省に圧力があったのだという。
その議員が推したのは、元国連事務次長の明石康さんだったそうだ。自民党は都知事選で同氏を擁立したが、結果は失敗だった。その借りを返すためだとか。
こんなところで「名前を出された」明石さんの方こそ迷惑だろう。外務省もこの話は断ったとされている。
外務畑の有力議員といわれる鈴木さんにもこの話は耳に入っているだろう。かげでこんなやり取りが行われる政府と与党との関係を、与党の一員である鈴木さんはどう考えているのか聞いてみたい。
お上には政治家、とりわけ与党第1党の議員が当然含まれる。その一人である鈴木さんの発言は、時代の流れにふさわしくなかった。それが日本のイメージとして世界の目にさらされた。国益を損なった。
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
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以上、今日のasahi.com「社説」より。
アフガニスタン復興支援国際会議が東京で開かれたさい、日本の二つの非政府組織(NGO)を代表する大西健丞さんが直前になって出席を拒まれた。
大西さんは本紙のひと欄で「お上の言うことはあまり信用しない」と語った。鈴木代議士がこれに怒っているので、電話して謝ってほしいと外務省の幹部がいう。大西さんはそれに応じなかった。そこで外務省が会議への参加を断ってきた――おおむね、こんなふうに報じられた。
鈴木さんは介入を否定している。ひとまずご本人の言に従っておこう。しかし、公然と語った次の発言にはひっかかる。問題の核心がよく表れてもいる。
「政府が信用できないのに、なぜ政府主催の会議に出たいのか理解できない」
役所にもの申すような団体は、相手にしたくない。外務当局のそういう態度にこの人は同調しているわけだ。だが、そんなことが今の世界に通用するだろうか。
どんな政府も完全ではない。役所にいたのではよく見えないことが、民間の目には明らかということもある。互いに立場が違うからこそ、協力し合う意味は大きい。
そういう発想が先進国を中心に世界に広まって、NGOがさまざまな分野でその意義と存在感を大きくしてきた。
NGOはお役人が天下って何でもいうことをきく特殊法人ではない。そもそも、お上を「あまり信用しない」ところから活動を始めることに存在意義のある団体だ。
それに、昨今の日本政府を信用しろというのも無理な話だ。外務省には機密費問題がある。各地の県警本部で不祥事が続く。狂牛病では農水省の体たらくだ。国民はそんなお上を妄信するほど愚かではない。
こんな話も聞く。
今回のアフガン復興支援国際会議では緒方貞子政府代表が共同議長を務めた。この人選でも、自民党のさる議員から外務省に圧力があったのだという。
その議員が推したのは、元国連事務次長の明石康さんだったそうだ。自民党は都知事選で同氏を擁立したが、結果は失敗だった。その借りを返すためだとか。
こんなところで「名前を出された」明石さんの方こそ迷惑だろう。外務省もこの話は断ったとされている。
外務畑の有力議員といわれる鈴木さんにもこの話は耳に入っているだろう。かげでこんなやり取りが行われる政府と与党との関係を、与党の一員である鈴木さんはどう考えているのか聞いてみたい。
お上には政治家、とりわけ与党第1党の議員が当然含まれる。その一人である鈴木さんの発言は、時代の流れにふさわしくなかった。それが日本のイメージとして世界の目にさらされた。国益を損なった。
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
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以上、今日のasahi.com「社説」より。
これは メッセージ 1 (messages_admin さん)への返信です.
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