アフガニスタンの亡霊(3)
投稿者: marchingpeople 投稿日時: 2002/01/06 02:18 投稿番号: [129199 / 177456]
イランの善隣外交とトルコのイスラム主義
イランのイスラム革命とソ連のアフガン侵攻はトルコでもイスラム原理主義運動が若者にイスラムへの政治的回帰を呼び覚ますものとなった。紆余曲折の末1996年6月イスラム派の福祉党からエルバカン氏が新首相として就任した、トルコにはエネルギー資源の先行き不安を乗り切るために、イスラーム諸国の支援を期待する声があった。新首相はわが意を得たりと、狂信的な世論を助長する政策と行動にでて、国際関係に混乱を生じさせはじめた。
1996年8月から10月に、イラン、パキスタン、シンガポール、マレーシア、インドネシアを歴訪、さらにエジプト、リビアなどを訪問した。特にリビアの訪問は国内外からの懸念を受けた。
トルコはこの時、イランと天然ガス輸入長期契約を結び、97年にイラン〜トルコ・ルートの天然ガス・パイプラインで供給を行おうとした。しかし前年96年8月5日にニューヨーク州のアルフォンセ・ダマト上院議員(共和党)が提案 -- イラン・リビアに進出し、年間4000万ドル以上投資した外国企業に対して米国内銀行からの1000万ドル以上の融資を禁止し、米政府調達から締め出すだけでなくアメリカへの製品輸出も禁止するといった6項目の制裁を課すというもの。 -- した、対イラン・リビア経済制裁法(ダマト法)を成立させた米国がこの計画に待ったをかけた。
この結果、米国はトルコのエネルギー政策にも責任を負うようになり、代替え案として出た、トルクメニスタンからイランを通りトルコに向かうパイプライン計画には、「これが制裁法の精神を破ることになるとは思わないし、中央アジアのエネルギー資源を市場に供給するステップになる」(NSCスタッフ)として当時のクリントン米政権は天然ガス・パイプライン建設に反対しないとの方針を固めた。
このパイプラインが完成すると年間三千万立方メートルの天然ガスを送ることが期待され、総額十六億ドル規模のプロジェクトになる。2002年には稼動予定、将来はパイプラインを欧州にまで延長する計画となっている。
さらにこの計画は思わぬ効果を生みだした。97年10月のフランス・トタール社(99年7月フランスのエルフ・アキテーヌが買収)を中心とする仏・露・マレーシアの企業連合のイランの天然ガス田開発への参入を招くこととなった。そして98年1月、ハタミ大統領がCNNテレビを通じて米国国民との対話促進を提案して以来、両国間の民間交流が活発化も手伝って、98年5月、この計画も適用除外とする旨発表している。これに先立ちイタリアのディーニ外相が、97年4月以来イラン高官との接触を禁じた欧州連合(EU)の制裁が解除された直後の98年3月28日に、外相としては欧州各国で初めてテヘランを訪問し「EUはイランと、これまでの批判的対話に代わる新しい対話を始める必要性を認識している」と語り、EU―イラン関係改善の方針を示した。
しかし米国はイランに対する態度を固持し2001年8月に有効期限が到来したダマト法(ILSA)を、7月、米国上下両院が延長法案を可決し、8月、ブッシュ大統領が署名したことにより、5年間延長されることとなった。
だが、米国の制裁にも拘わらず、エネルギー分野における大型案件の契約が調印されていて、米国企業が逆制裁を受けているのが現状だ。
主な大型案件の成約例
97年10月 仏トタール社等による海上ガス田開発プロジェクト契約(約20億ドル)
99年11月 英蘭シェルによる海上油田開発プロジェクト契約(約8億ドル)
2000年7月 伊ENI社による海上ガス田開発プロジェクト契約(約38億ドル)
2001年6月 伊ENI社による陸上油田開発プロジェクト契約(約10億ドル)
トルコもの先行きも不明だ。97年12月12日に開かれたルクセンブルク欧州首脳会議でEUの従来の方針を確認し、人権問題を理由にトルコの加盟を拒否している。本音はトルコの加盟によりトルコの外交問題がEUの外交問題になる点と、欧州は南、北、東に限りがあるが、トルコを受け入れればウクライナ、カザフスタン、キルギスタンなど、誰にも門戸を開いて、韓国(ちなみに加盟条件をすべて満たしている)をも受け入れねばならなくなる東方拡大問題がある。しかし欧州にも欧州の問題があるが、このままトルコを放置すれば、汎イスラム主義、汎トルコ主義を育むことになり、トルコ自身が東方拡大を目指す結果になりかねない。
イランのイスラム革命とソ連のアフガン侵攻はトルコでもイスラム原理主義運動が若者にイスラムへの政治的回帰を呼び覚ますものとなった。紆余曲折の末1996年6月イスラム派の福祉党からエルバカン氏が新首相として就任した、トルコにはエネルギー資源の先行き不安を乗り切るために、イスラーム諸国の支援を期待する声があった。新首相はわが意を得たりと、狂信的な世論を助長する政策と行動にでて、国際関係に混乱を生じさせはじめた。
1996年8月から10月に、イラン、パキスタン、シンガポール、マレーシア、インドネシアを歴訪、さらにエジプト、リビアなどを訪問した。特にリビアの訪問は国内外からの懸念を受けた。
トルコはこの時、イランと天然ガス輸入長期契約を結び、97年にイラン〜トルコ・ルートの天然ガス・パイプラインで供給を行おうとした。しかし前年96年8月5日にニューヨーク州のアルフォンセ・ダマト上院議員(共和党)が提案 -- イラン・リビアに進出し、年間4000万ドル以上投資した外国企業に対して米国内銀行からの1000万ドル以上の融資を禁止し、米政府調達から締め出すだけでなくアメリカへの製品輸出も禁止するといった6項目の制裁を課すというもの。 -- した、対イラン・リビア経済制裁法(ダマト法)を成立させた米国がこの計画に待ったをかけた。
この結果、米国はトルコのエネルギー政策にも責任を負うようになり、代替え案として出た、トルクメニスタンからイランを通りトルコに向かうパイプライン計画には、「これが制裁法の精神を破ることになるとは思わないし、中央アジアのエネルギー資源を市場に供給するステップになる」(NSCスタッフ)として当時のクリントン米政権は天然ガス・パイプライン建設に反対しないとの方針を固めた。
このパイプラインが完成すると年間三千万立方メートルの天然ガスを送ることが期待され、総額十六億ドル規模のプロジェクトになる。2002年には稼動予定、将来はパイプラインを欧州にまで延長する計画となっている。
さらにこの計画は思わぬ効果を生みだした。97年10月のフランス・トタール社(99年7月フランスのエルフ・アキテーヌが買収)を中心とする仏・露・マレーシアの企業連合のイランの天然ガス田開発への参入を招くこととなった。そして98年1月、ハタミ大統領がCNNテレビを通じて米国国民との対話促進を提案して以来、両国間の民間交流が活発化も手伝って、98年5月、この計画も適用除外とする旨発表している。これに先立ちイタリアのディーニ外相が、97年4月以来イラン高官との接触を禁じた欧州連合(EU)の制裁が解除された直後の98年3月28日に、外相としては欧州各国で初めてテヘランを訪問し「EUはイランと、これまでの批判的対話に代わる新しい対話を始める必要性を認識している」と語り、EU―イラン関係改善の方針を示した。
しかし米国はイランに対する態度を固持し2001年8月に有効期限が到来したダマト法(ILSA)を、7月、米国上下両院が延長法案を可決し、8月、ブッシュ大統領が署名したことにより、5年間延長されることとなった。
だが、米国の制裁にも拘わらず、エネルギー分野における大型案件の契約が調印されていて、米国企業が逆制裁を受けているのが現状だ。
主な大型案件の成約例
97年10月 仏トタール社等による海上ガス田開発プロジェクト契約(約20億ドル)
99年11月 英蘭シェルによる海上油田開発プロジェクト契約(約8億ドル)
2000年7月 伊ENI社による海上ガス田開発プロジェクト契約(約38億ドル)
2001年6月 伊ENI社による陸上油田開発プロジェクト契約(約10億ドル)
トルコもの先行きも不明だ。97年12月12日に開かれたルクセンブルク欧州首脳会議でEUの従来の方針を確認し、人権問題を理由にトルコの加盟を拒否している。本音はトルコの加盟によりトルコの外交問題がEUの外交問題になる点と、欧州は南、北、東に限りがあるが、トルコを受け入れればウクライナ、カザフスタン、キルギスタンなど、誰にも門戸を開いて、韓国(ちなみに加盟条件をすべて満たしている)をも受け入れねばならなくなる東方拡大問題がある。しかし欧州にも欧州の問題があるが、このままトルコを放置すれば、汎イスラム主義、汎トルコ主義を育むことになり、トルコ自身が東方拡大を目指す結果になりかねない。
これは メッセージ 129198 (marchingpeople さん)への返信です.
固定リンク:https://yarchive.emmanuelc.dix.asia/1143582/bpjfa4lla5fa5m_1/129199.html