SECURITARIAN から(5)
投稿者: koukotsuNoHito 投稿日時: 2001/10/23 22:26 投稿番号: [104259 / 177456]
・法の一般原則
中央集権国家は、社会状況の変化に応じその要請に応える法規則を成文で体系的に制定することができるが、国際社会では諸国家が合意した部分のみが法となるので、国際法そのものが体系性を欠き、法が存在しない分野がそのまま放置される。また、社会情勢が急速に変化したり、新しい現象が生じた時などに迅速に法を定立し対応することも困難である。従ってどうしても適用すべき法がない状態、つまり「法の欠缺(けんけつ)」が生じてしまう。このようにある事案に適用すべき条約も慣習法も存在しない場合に国際裁判で法の欠缺を治癒する方策として適用される諸国の国内法の共通部分を「法の一般原則」といい、ICJ規定では3番目の法源として挙げている。具体的には、違法行為に対しては責任が発生するという原則や、禁反言(国家が過去の行動と矛盾する行動をその後に取ることにより、過去の行動を信じた他国に不利益を及ぼすことを禁止する原則)、権利濫用の禁止、判決の履行を害する行為の禁止、間接証拠の証拠能力などである。
・条約と慣習法の関係
①協力関係
条約と慣習法の法としての効力は同等であり、1、特別法は一般法より優先的に適用される、2、後から成立した法が以前からあった法を改廃する、という2つの原則に従って解釈される。一般に条約は当事国だけを拘束する特別法であり、同じ事項について存在する慣習法に優先して適用されるが、条約の解釈の中から生まれた慣行が慣習法となり、後から成立した法として条約文言に先んじて適用される場合もある。ただし、ここで注意しなければならないのが、国際法上の強行規範という概念である。従来、国際法は国家の合意で作成されるものであり、国家が合意しさえすればどのような内容の法でも有効であると考えられていた(強行規範に対してこれを任意規範という)が、第二次大戦後、合意してはいけない事項がある、という共通認識が作られるようになった。たとえば、侵略、力による植民地樹立・維持、奴隷制度、集団殺害、人種隔離政策(アパルトヘイトなど)などが国家の合意が禁止されている事項であろうと考えられている。強行規範に反する合意は無効であって、特別法として当事国間で適用することは出来ない。
これは メッセージ 104257 (koukotsuNoHito さん)への返信です.
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