SECURITARIAN から(2)
投稿者: koukotsuNoHito 投稿日時: 2001/10/23 22:10 投稿番号: [104239 / 177456]
しかし、国際社会の範囲が地球全体に広がり、国境を超えた活動がますます増加する今日、主権国家間の権利義務を調整するだけでは問題解決が出来ないことが多い。国際社会(international society または global community)の状況変化に対応して、国際法の主体も現在では、国際組織や(極めて限定された範囲とはいえ)個人(自然人、法人)にも拡大した。たとえば、1966年の「市民的及び政治的権利に関する国際規約」(自由権規約)では、人権侵害を受けた個人が条約上の手続を用いて規約人権委員会に直接に苦情を申し立てる方途が規定された(個人通報制度)。ヨーロッパ、豪州、アフリカなどの地域人権条約をはじめとするいくつかの人権関係条約も同様に個人通報制度をもっている。個人が国内法の介在なしに直接国際法上の権利実現を行う手段が整えられたのである。他方、個人が国際法上の義務を直接適用された例としては、国際連合(以下「国連」)安全保障理事会決議によって設置された国際刑事裁判所で、旧ユーゴやルワンダの内戦で戦争犯罪などを犯した個人を裁いていることが上げられる。
とはいえ、これは国際法の非常に限られた現象であることにも留意しなければならない。現在の世界は、基本的には法的価値が平等で上位機関をもたない主権国家が200程度並存する社会として営まれている事実を見過ごしてはならず、国連が世界政府のようなものを作りつつあると考えたり非政府団体(NGO)がただちに国家に取って代わって環境保護や人権保護のために世界中が守るべき法を作るようになる、と考えるのは非現実的である。国際法の主体の中心はあくまで主権国家である。このことを踏まえて、以下、国際法とはどういう法であるのかを考えて行きたい。
* 図表1「各国の憲法と条約の関係」
・国際法の法的性質――国内法との相違
①未組織の法
近代中央集権国家では、立法府が法を定立し、行政府がその法を適用し、司法府が違反者に対し法を執行するという方式を取っているが、国際法では、法の定立、適用、執行のいずれも基本的には国家がこれを行うという方式を取っており、近代国家成立以前の社会での法過程に似たものとなっている。そのため、国際法は「原始的な法」といわれたり、19世紀の半ばを過ぎても国際法は法なのかどうかが問われたりしてきた。今日では、さすがに国際法は単なる道徳であり法ではないと主張されることはなくなったが、国際社会の構造が国家のような組織化されたものではないだけに、国際法は私たちが経験的に認識している法とは異なる形で存在し、それを遵守させるやり方や処罰の方法も国内法とは相当違う姿を現す。
②国際法と国内法の関係
ところで、国際法規則と国内法が矛盾し衝突した場合はどうなるのか。原則は、国際法秩序では国際法が最高位を占め、国内法秩序においては国内法が最高であるので、国際法違反の国内法であっても国内的には無効になることはなく、また、国家は自国の国内法を理由に国際法違反を行うことはできない。具体的レベルでは、国際法と国内法が矛盾抵触した場合には、国家が、国際法上の義務を果たすために、国内立法を行ったり国際法に合致する方向で国内法を解釈するなど矛盾抵触を調整する義務を一般的に負うことになる。
とはいえ、これは国際法の非常に限られた現象であることにも留意しなければならない。現在の世界は、基本的には法的価値が平等で上位機関をもたない主権国家が200程度並存する社会として営まれている事実を見過ごしてはならず、国連が世界政府のようなものを作りつつあると考えたり非政府団体(NGO)がただちに国家に取って代わって環境保護や人権保護のために世界中が守るべき法を作るようになる、と考えるのは非現実的である。国際法の主体の中心はあくまで主権国家である。このことを踏まえて、以下、国際法とはどういう法であるのかを考えて行きたい。
* 図表1「各国の憲法と条約の関係」
・国際法の法的性質――国内法との相違
①未組織の法
近代中央集権国家では、立法府が法を定立し、行政府がその法を適用し、司法府が違反者に対し法を執行するという方式を取っているが、国際法では、法の定立、適用、執行のいずれも基本的には国家がこれを行うという方式を取っており、近代国家成立以前の社会での法過程に似たものとなっている。そのため、国際法は「原始的な法」といわれたり、19世紀の半ばを過ぎても国際法は法なのかどうかが問われたりしてきた。今日では、さすがに国際法は単なる道徳であり法ではないと主張されることはなくなったが、国際社会の構造が国家のような組織化されたものではないだけに、国際法は私たちが経験的に認識している法とは異なる形で存在し、それを遵守させるやり方や処罰の方法も国内法とは相当違う姿を現す。
②国際法と国内法の関係
ところで、国際法規則と国内法が矛盾し衝突した場合はどうなるのか。原則は、国際法秩序では国際法が最高位を占め、国内法秩序においては国内法が最高であるので、国際法違反の国内法であっても国内的には無効になることはなく、また、国家は自国の国内法を理由に国際法違反を行うことはできない。具体的レベルでは、国際法と国内法が矛盾抵触した場合には、国家が、国際法上の義務を果たすために、国内立法を行ったり国際法に合致する方向で国内法を解釈するなど矛盾抵触を調整する義務を一般的に負うことになる。
これは メッセージ 104238 (koukotsuNoHito さん)への返信です.
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