テロに関する「唯経済的」考察
投稿者: hana_2001_jp 投稿日時: 2001/10/20 21:30 投稿番号: [101787 / 177456]
> テロに関する「唯経済的」考察
>
> 「超」整理日記テロに関する「唯経済的」考察テロに対する報復攻撃準備を伝えるニ
> ュースのなかで、「十字軍」とか「聖戦(ジハード)」という言葉が飛び交っている。
> 世界史の歩みは千年も逆行し、キリスト教世界とイスラム世界が衝突する時代に戻っ
> てしまったのだろうか? 現在われわれが直面している問題の本質は、「異なる宗教」
> に代表される「異なる文明」や「異なる価値観」の対立なのであろうか?すべてのイ
> スラム教徒が問題だなどと考えている人は、もちろんごく少数だ。しかし、イスラム
> 教の教義がなかったら今回のようなテロはなかったと考えている人は多いだろう。
>
> 以下では、宗教が衝突や軋轢の重要な原因になることは認めつつも、それは最重要の
> 要因ではないとする考え方を述べたい。歴史においても現代社会においても、宗教的
> 要因よりは、万人に共通する経済的要因のほうが重要だ。宗教や文化というベールを
> はぎとり、全ての事象を経済的に解釈することによってこそ、問題の本質がより明瞭
> に見えるのだ。
>
> このことは、まず、千年近くも昔の十字軍についていえる。多くの歴史の本には、
> 「十字軍遠征は理解しがたい行為だ」と書いてある。「聖地奪還」という名目はあっ
> たが、それは妄想にすぎなかった。そして、実際に行われたことの多くは、キリスト
> 教の精神とおよそかけ離れた蛮行だった。つまり、十字軍を宗教的に解釈しようとす
> る限り、一貫性を欠く愚挙と考えざるをえないというのである。
>
> これに対して、ツバイクは、その著『マゼラン』のなかで、経済的観点からみれば、
> 十字軍は一貫性のある合理的な行動であったと述べている。それは、聖なる墓所を奪
> 還するための宗教的行動ではなく、香辛料産出地である東洋に至るルートをイスラム
> 教徒の手から奪還するという、明確な目的を持った経済的行動だったというのだ。
>
> このような「唯経済的」史観は、『マゼラン』の冒頭の言葉、「始めに香辛料ありき」
> に端的に示されている。ツバイクは、この考えを大航海にも当てはめた。つまり、コ
> ロンブスやバスコ・ダ・ガマ、そしてマゼランたちを突き動かしたのは、経済的要因
> だったというのである。
>
> 十字軍の試みが失敗したため、東洋に至る別のルートを見出す必要があった。それは、
> 西に向かう海路のほかはなかった。とくにヨーロッパ最西端の小国ポルトガルにとっ
> て、西回りルートの発見は、きわめて重要だった。なぜなら、ポルトガルは、当時の
> 通商圏であった地中海への出口を持たなかったからである。15 世紀のポルトガル王
> 子エンリケは、アフリカ南端を経由してインドに達する海路を発見することに、生涯
> を捧げた。
>
> 歴史の本には、彼らを動かしたのは宗教的な動機だったと書いてある。エンリケ王子
> の目的は、キリスト教の伝道とプレスター・ジョン(東洋あるいはエチオピアにキリ
> スト教国を建設したという伝説上の人物)の発見だったといわれる。ガマも、インド
> への航海は、「神に奉仕し、ポルトガル王権の利益を実現するためのもの」と言って
> いる。彼らに宗教的情熱があったことは、否定できない。しかし、「そのベールをは
> がし、単純な経済論理をあてはめれば、歴史の筋書きは、じつに明快に理解できる」
> というのが、ツバイクの考えだ。(つづく)
>
> 「超」整理日記テロに関する「唯経済的」考察テロに対する報復攻撃準備を伝えるニ
> ュースのなかで、「十字軍」とか「聖戦(ジハード)」という言葉が飛び交っている。
> 世界史の歩みは千年も逆行し、キリスト教世界とイスラム世界が衝突する時代に戻っ
> てしまったのだろうか? 現在われわれが直面している問題の本質は、「異なる宗教」
> に代表される「異なる文明」や「異なる価値観」の対立なのであろうか?すべてのイ
> スラム教徒が問題だなどと考えている人は、もちろんごく少数だ。しかし、イスラム
> 教の教義がなかったら今回のようなテロはなかったと考えている人は多いだろう。
>
> 以下では、宗教が衝突や軋轢の重要な原因になることは認めつつも、それは最重要の
> 要因ではないとする考え方を述べたい。歴史においても現代社会においても、宗教的
> 要因よりは、万人に共通する経済的要因のほうが重要だ。宗教や文化というベールを
> はぎとり、全ての事象を経済的に解釈することによってこそ、問題の本質がより明瞭
> に見えるのだ。
>
> このことは、まず、千年近くも昔の十字軍についていえる。多くの歴史の本には、
> 「十字軍遠征は理解しがたい行為だ」と書いてある。「聖地奪還」という名目はあっ
> たが、それは妄想にすぎなかった。そして、実際に行われたことの多くは、キリスト
> 教の精神とおよそかけ離れた蛮行だった。つまり、十字軍を宗教的に解釈しようとす
> る限り、一貫性を欠く愚挙と考えざるをえないというのである。
>
> これに対して、ツバイクは、その著『マゼラン』のなかで、経済的観点からみれば、
> 十字軍は一貫性のある合理的な行動であったと述べている。それは、聖なる墓所を奪
> 還するための宗教的行動ではなく、香辛料産出地である東洋に至るルートをイスラム
> 教徒の手から奪還するという、明確な目的を持った経済的行動だったというのだ。
>
> このような「唯経済的」史観は、『マゼラン』の冒頭の言葉、「始めに香辛料ありき」
> に端的に示されている。ツバイクは、この考えを大航海にも当てはめた。つまり、コ
> ロンブスやバスコ・ダ・ガマ、そしてマゼランたちを突き動かしたのは、経済的要因
> だったというのである。
>
> 十字軍の試みが失敗したため、東洋に至る別のルートを見出す必要があった。それは、
> 西に向かう海路のほかはなかった。とくにヨーロッパ最西端の小国ポルトガルにとっ
> て、西回りルートの発見は、きわめて重要だった。なぜなら、ポルトガルは、当時の
> 通商圏であった地中海への出口を持たなかったからである。15 世紀のポルトガル王
> 子エンリケは、アフリカ南端を経由してインドに達する海路を発見することに、生涯
> を捧げた。
>
> 歴史の本には、彼らを動かしたのは宗教的な動機だったと書いてある。エンリケ王子
> の目的は、キリスト教の伝道とプレスター・ジョン(東洋あるいはエチオピアにキリ
> スト教国を建設したという伝説上の人物)の発見だったといわれる。ガマも、インド
> への航海は、「神に奉仕し、ポルトガル王権の利益を実現するためのもの」と言って
> いる。彼らに宗教的情熱があったことは、否定できない。しかし、「そのベールをは
> がし、単純な経済論理をあてはめれば、歴史の筋書きは、じつに明快に理解できる」
> というのが、ツバイクの考えだ。(つづく)
これは メッセージ 101778 (hana_2001_jp さん)への返信です.
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