内戦後の雑感その1
投稿者: adventureoftheultraworld 投稿日時: 2007/06/17 23:44 投稿番号: [13646 / 20008]
1
「パレスチナ問題」の終了
ハーレツに出ていたブラックなジョーク:「2国家解決策=『ガザに1国、西岸に1国』」。
アッバスによるハニヤの罷免と新内閣発足、マシャールとの会談拒否のほか、ハマス機関の非合法化系、示威的な武装行動など、敗北したファタハ側では西岸の支配強化に乗り出している。おそらく西岸は大規模な衝突にならないまま、ファタハ領となる。
「ガザと西岸を分離させるつもりはない」というのがハニヤやアッバス周辺の声明だが、事態は逆に進んでいる。(このあたりの「言ってることとやってることが違う」というのは、いつもの通りといえばそれまでだが。。)
より保守的なガザと、西洋的な空気さえ醸し出す西岸の社会文化の差は以前より言われていた。イスラエル軍により、両者間の交通はほぼ遮断されたことが違いをさらに強めている。ガザでは「アルカイダ」を名乗る集団がネットカフェやレストランを襲ったり、また未婚の男女が一緒にいるところを襲い、女性ニュースキャスターを脅迫するが、西岸ではこの手の話はほとんどなし。昨年夏のイスラエル軍によるガザ侵攻の際に、「西岸ではほとんど抗議運動がなかった。遠くの国のように扱われていた」ともいう。
ハマスタンとファタハランド、とは極端だが、社会文化が異なる遠隔地同士が、違う政体の元に支配されれば、統一の逆に向かう。遠心力が強まり、数年うちにはまったく別の実体となるだろう。かつて東パキスタンと西パキスタンが分離したように。
もう「イスラエル・パレスチナ紛争」ではなく、「イスラエル・西岸紛争」「イスラエル・ガザ紛争」と考えるほうが良いのでは?(いずれ「ガザ・西岸紛争」の可能性さえある)
分裂の代償として、これまでのパレスチナの対イスラエル3大要求も分割される。「東エルサレム」「入植地の撤去」はいずれもファタハ国の要求となり、ハマス国は関与しない。一方で「難民の帰還権」はハマス、ファタハがそれぞれ別の要求をするだろうから、解決がより難しくなるだろう。
2 東パレスチナ(西岸)、西パレスチナ(ガザ)、それぞれの将来。
2つの自治区、それぞれの強みと弱みを考える。
東パレスチナ(西岸、ファタハ)の強みは国際社会の支持を得ていること。アラブ諸国(シリア以外)、米、EU、国連が支持を表明。新内閣の発足に基づき制裁も解除される見込み。
逆に問題も多い。
1)入植地が点在している。壁や検問所によって域内が分離されている。イスラエルの検問所が内部にないガザに比べ、域内の統一性が大きく損なわれている。経済発展にも大きな足かせで、下手したら西岸内部でさらに分裂する可能性もある。
2)「穏健派」のファタハといっても、それはハマスと比較してのこと。実際にはアルアクサはテロを続けている。「いい事を言うが、部下を統制できない」アッバス氏が権力の座にいる以上はテロが続く。
3)テロリストの活動が続く以上、イスラエルが検問所等を撤去する可能性は低く、上の状態は解消しない。また、「ガザから撤退したのは間違いだった」というイスラエル国内世論が強く、西岸からの入植地撤廃は望めない。
3)東エルサレム問題を抱えるため、常にイスラエルとは対立状態が続く。
西パレスチナ(ガザ、ハマス)は?
支持はイラン、シリア。イランの潤沢な資金はあるが、問題なのは境を接するエジプトとの対立。しばらく前より「ハマスの高官がエジプト経由で出入りするたび、エジプト側の嫌がらせにあっている」という報道があった。ハマスへの経済制裁が続く中、イランからの支援も現ナマを運ぶしかないが、これまで黙認していたエジプトはどうするのか?
ガザは食糧援助ライン、燃料と電力供給と生命線をイスラエルに握られている。とりあえずはイスラエルは人道援助を続ける見込み。
私は、意外と、東パレスチナよりガザのほうが国際関係上は、しばらくの間はうまくやっていけるのではないかと思う。対イスラエルの力関係はあまりに明白なので、イスラエルに電力供給を切らせるようなほどの馬鹿なことはできない。しかもGilad Shalit君という人質もある。EUも食糧援助を続けそう。イランやシリアが余計なことをさせない限り、軍事的冒険をしなければ大丈夫だろう。
不安点というと原理主義化。ハニヤは否定しているが、一部のハマス幹部は「ガザの世俗主義はもう終わりだ!」との勢いよい声明を出している。実際、ハマスを抑えられるものはなにもない。イスラム法支配とまではいかなくても、その方向に向かう。
ここで民衆の不満を呼べば、また「内部問題を解決するには、イスラエルに戦争を売るのが一番!」となりかねない。
ハーレツに出ていたブラックなジョーク:「2国家解決策=『ガザに1国、西岸に1国』」。
アッバスによるハニヤの罷免と新内閣発足、マシャールとの会談拒否のほか、ハマス機関の非合法化系、示威的な武装行動など、敗北したファタハ側では西岸の支配強化に乗り出している。おそらく西岸は大規模な衝突にならないまま、ファタハ領となる。
「ガザと西岸を分離させるつもりはない」というのがハニヤやアッバス周辺の声明だが、事態は逆に進んでいる。(このあたりの「言ってることとやってることが違う」というのは、いつもの通りといえばそれまでだが。。)
より保守的なガザと、西洋的な空気さえ醸し出す西岸の社会文化の差は以前より言われていた。イスラエル軍により、両者間の交通はほぼ遮断されたことが違いをさらに強めている。ガザでは「アルカイダ」を名乗る集団がネットカフェやレストランを襲ったり、また未婚の男女が一緒にいるところを襲い、女性ニュースキャスターを脅迫するが、西岸ではこの手の話はほとんどなし。昨年夏のイスラエル軍によるガザ侵攻の際に、「西岸ではほとんど抗議運動がなかった。遠くの国のように扱われていた」ともいう。
ハマスタンとファタハランド、とは極端だが、社会文化が異なる遠隔地同士が、違う政体の元に支配されれば、統一の逆に向かう。遠心力が強まり、数年うちにはまったく別の実体となるだろう。かつて東パキスタンと西パキスタンが分離したように。
もう「イスラエル・パレスチナ紛争」ではなく、「イスラエル・西岸紛争」「イスラエル・ガザ紛争」と考えるほうが良いのでは?(いずれ「ガザ・西岸紛争」の可能性さえある)
分裂の代償として、これまでのパレスチナの対イスラエル3大要求も分割される。「東エルサレム」「入植地の撤去」はいずれもファタハ国の要求となり、ハマス国は関与しない。一方で「難民の帰還権」はハマス、ファタハがそれぞれ別の要求をするだろうから、解決がより難しくなるだろう。
2 東パレスチナ(西岸)、西パレスチナ(ガザ)、それぞれの将来。
2つの自治区、それぞれの強みと弱みを考える。
東パレスチナ(西岸、ファタハ)の強みは国際社会の支持を得ていること。アラブ諸国(シリア以外)、米、EU、国連が支持を表明。新内閣の発足に基づき制裁も解除される見込み。
逆に問題も多い。
1)入植地が点在している。壁や検問所によって域内が分離されている。イスラエルの検問所が内部にないガザに比べ、域内の統一性が大きく損なわれている。経済発展にも大きな足かせで、下手したら西岸内部でさらに分裂する可能性もある。
2)「穏健派」のファタハといっても、それはハマスと比較してのこと。実際にはアルアクサはテロを続けている。「いい事を言うが、部下を統制できない」アッバス氏が権力の座にいる以上はテロが続く。
3)テロリストの活動が続く以上、イスラエルが検問所等を撤去する可能性は低く、上の状態は解消しない。また、「ガザから撤退したのは間違いだった」というイスラエル国内世論が強く、西岸からの入植地撤廃は望めない。
3)東エルサレム問題を抱えるため、常にイスラエルとは対立状態が続く。
西パレスチナ(ガザ、ハマス)は?
支持はイラン、シリア。イランの潤沢な資金はあるが、問題なのは境を接するエジプトとの対立。しばらく前より「ハマスの高官がエジプト経由で出入りするたび、エジプト側の嫌がらせにあっている」という報道があった。ハマスへの経済制裁が続く中、イランからの支援も現ナマを運ぶしかないが、これまで黙認していたエジプトはどうするのか?
ガザは食糧援助ライン、燃料と電力供給と生命線をイスラエルに握られている。とりあえずはイスラエルは人道援助を続ける見込み。
私は、意外と、東パレスチナよりガザのほうが国際関係上は、しばらくの間はうまくやっていけるのではないかと思う。対イスラエルの力関係はあまりに明白なので、イスラエルに電力供給を切らせるようなほどの馬鹿なことはできない。しかもGilad Shalit君という人質もある。EUも食糧援助を続けそう。イランやシリアが余計なことをさせない限り、軍事的冒険をしなければ大丈夫だろう。
不安点というと原理主義化。ハニヤは否定しているが、一部のハマス幹部は「ガザの世俗主義はもう終わりだ!」との勢いよい声明を出している。実際、ハマスを抑えられるものはなにもない。イスラム法支配とまではいかなくても、その方向に向かう。
ここで民衆の不満を呼べば、また「内部問題を解決するには、イスラエルに戦争を売るのが一番!」となりかねない。
これは メッセージ 13636 (imonoyamashotengai さん)への返信です.
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