bebson様 -- 爺の剣(4)
投稿者: k_g_y_7_234 投稿日時: 2006/11/26 19:08 投稿番号: [7554 / 73791]
爺の道場に足が遠くなった理由がもう一つあります。祖母が亡くなる少し前、私は祖母の枕元に呼ばれました。祖母の長男と長女(大姉さん)も同席しておりました。そこで祖母は、とてもビックリすることを私に話してくれました。祖母の次女、すなわち私の母の出生の秘密でした。
祖母の旦那様は、長女の大姉さんがお生まれになってまもなくお亡くなりになられたため、生活のために花柳界に戻って何年か経ったとき、初恋の人と宴席で偶然出合った。その初恋の人は、戦争で南方へ行き、終戦になっても戻らなかった。連絡もなかった。生きていることは知っていたけど、祖母は振られたと思い、そして周囲の圧力に抗しきれず他の人と結婚した、ということでした。再会した時、その人には奥様がいてなんともしようがなかった、といって涙ぐんでおりました。祖母の初恋の人、それは爺でした。
そして祖母は「爺は、お前の母親、好枝の実の父。だからお前は爺の実の孫娘じゃ」といいました。それはそれはびっくりいたしました。祖母は、枕元の手文庫を私に差し出しました。中には、爺からの手紙と書類がぎっしり入っておりました。祖母は、それから1ヵ月足らずで亡くなりました。
爺は、そんな私をまるで無視、他人のように扱っておりました。病弱の奥様がいらっしゃいましたから、「しかたがない」とは思っても、もう以前のようには爺とは接することが出来ませんでした。私の初恋の人、爺の息子さんの邦夫さんは、私の叔父さんになってしまいました。
こんなこともあって、爺の道場には行かなかったのです。剣道もやめようと思っておりました。そんなとき、爺がお店に来たのです。
直子
これは メッセージ 7536 (k_g_y_7_234 さん)への返信です.
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