ユギオII - その97
投稿者: k_g_y_007_naoko 投稿日時: 2009/06/02 00:13 投稿番号: [56387 / 73791]
投稿者:大介&直子
<その97>
「尾行がついてますね」
ふいに川嶋が言った。そして、運転席のモニタのボタンを押した。画面に後部カメラからの映像が映り、黒塗りの乗用車に2人の男が見えた。川嶋がマイク付きのイヤホンを片方の耳に付けた。
「公安かな?」
三枝が言うと、
「違うかも知れません。途中から付きましたからね..」
「危険は?」
「ないようです。とにかく幹線道路を走りましょう」
「そうしてくれ..」
「それから、その後ろに白いバンが見えますね..」
「ああ、見えるが..」
「田所です。まさかの場合、それなりに行動することになっています」
「用意がいいな..」
三枝の言葉に川嶋はにが笑いを浮かべた。
「大使館の公用車に尾行が付くのか? 我々を警護しているとも考えられるが?」
海江田が言った。
「違うと思います。警護にしては連絡がありませんし、不自然です。我々がどこへ行くのか、立ち寄るのか、その辺の監視でしょう..」
「ま、用心にこしたことは..」
三枝がそこまで言うと、
「ちょっと待ってください..。ん、なに? 了解..」
川嶋は、イヤホンの相手と話した。
「田所からです。どうやら人民解放軍の車らしいと言ってます..」
「そうか..」
三枝がうなずくと、
「追い越しをかける気配がありませんし、前方にそれらしき車も見えませんから、まず大丈夫でしょう..」
川嶋はややホッとした表情を浮かべたが、視線は前方と左右にしきりに動いた。
「川嶋さん、瀋陽の方はどういう方ですか? せめてそれだけでもお聞かせくださいませんか?」
カンが言った。気になっているようである。川嶋は少し考えていたが、
「そうですね、我々が信頼している情報提供者の一人です。普通、情報提供者は報酬を要求するのですが、彼はまったく要求しません。ま、内容は朝鮮族に関する問題がほとんどで、彼らが置かれている立場を日本もぜひ理解してほしいといったことが目的のようです。 彼は市の職員ですが、朝鮮族問題には非常に詳しいですね。瀋陽日本領事館の私の同僚と接触しています..」
「お年は? 結婚しているのですか? 他にご家族は?」
カンが矢継ぎ早に聞いた。
「キゴさんよりいくつか年上でしょう。彼自身はまだ独身のようですが、他に妹さんが二人いて、二人とも結婚しているそうです。それぞれ小さなお子さんがいると聞いていますが..。母君のことは、60を過ぎているということしか分かりません..」
「そうですか..」
「海江田さん、やはり会わせてはいかがでしょうか? 少々危険かも知れませんが..」
三枝が言った。三枝は、瀋陽の男、カンの親戚にあたる人物は使えると思った。情報提供するぐらいの人物であるから、ある程度の危険は承知の上に違いないと思った。しかし、海江田は無言のままである。
三枝たちの車は、日本大使館へすべり込んだ。尾行の車はそのまま通り過ぎたが、田所が追って行った。
んじゃ、
<その97>
「尾行がついてますね」
ふいに川嶋が言った。そして、運転席のモニタのボタンを押した。画面に後部カメラからの映像が映り、黒塗りの乗用車に2人の男が見えた。川嶋がマイク付きのイヤホンを片方の耳に付けた。
「公安かな?」
三枝が言うと、
「違うかも知れません。途中から付きましたからね..」
「危険は?」
「ないようです。とにかく幹線道路を走りましょう」
「そうしてくれ..」
「それから、その後ろに白いバンが見えますね..」
「ああ、見えるが..」
「田所です。まさかの場合、それなりに行動することになっています」
「用意がいいな..」
三枝の言葉に川嶋はにが笑いを浮かべた。
「大使館の公用車に尾行が付くのか? 我々を警護しているとも考えられるが?」
海江田が言った。
「違うと思います。警護にしては連絡がありませんし、不自然です。我々がどこへ行くのか、立ち寄るのか、その辺の監視でしょう..」
「ま、用心にこしたことは..」
三枝がそこまで言うと、
「ちょっと待ってください..。ん、なに? 了解..」
川嶋は、イヤホンの相手と話した。
「田所からです。どうやら人民解放軍の車らしいと言ってます..」
「そうか..」
三枝がうなずくと、
「追い越しをかける気配がありませんし、前方にそれらしき車も見えませんから、まず大丈夫でしょう..」
川嶋はややホッとした表情を浮かべたが、視線は前方と左右にしきりに動いた。
「川嶋さん、瀋陽の方はどういう方ですか? せめてそれだけでもお聞かせくださいませんか?」
カンが言った。気になっているようである。川嶋は少し考えていたが、
「そうですね、我々が信頼している情報提供者の一人です。普通、情報提供者は報酬を要求するのですが、彼はまったく要求しません。ま、内容は朝鮮族に関する問題がほとんどで、彼らが置かれている立場を日本もぜひ理解してほしいといったことが目的のようです。 彼は市の職員ですが、朝鮮族問題には非常に詳しいですね。瀋陽日本領事館の私の同僚と接触しています..」
「お年は? 結婚しているのですか? 他にご家族は?」
カンが矢継ぎ早に聞いた。
「キゴさんよりいくつか年上でしょう。彼自身はまだ独身のようですが、他に妹さんが二人いて、二人とも結婚しているそうです。それぞれ小さなお子さんがいると聞いていますが..。母君のことは、60を過ぎているということしか分かりません..」
「そうですか..」
「海江田さん、やはり会わせてはいかがでしょうか? 少々危険かも知れませんが..」
三枝が言った。三枝は、瀋陽の男、カンの親戚にあたる人物は使えると思った。情報提供するぐらいの人物であるから、ある程度の危険は承知の上に違いないと思った。しかし、海江田は無言のままである。
三枝たちの車は、日本大使館へすべり込んだ。尾行の車はそのまま通り過ぎたが、田所が追って行った。
んじゃ、
これは メッセージ 1 (may7idaho さん)への返信です.