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ユギオII - その94

投稿者: k_g_y_007_naoko 投稿日時: 2009/05/30 22:07 投稿番号: [56313 / 73791]
投稿者:大介&直子

<その94>

「明日、私の大先輩である小山田元外務審議官が来る。退官されてから政界に入ることもなく、悠々自適に過ごされていたようだが、どうやら世田谷の爺さんに口説かれたらしい..」
日本大使館へ戻る車の中で海江田が口を開いた。
「え?   小山田さんですか?」
「彼は、君を知っているそうだ..」
「ええ、私が③室に配属になったとき、小山田さんは主任管理官でした。ずいぶんシゴかれましたが..」
小山田元審議官は、主任管理官時代、カミソリの異名を取っていた。当時の室員は全員、彼の前ではピリピリしていたことを三枝は思い出していた。

「小山田さんは、君も知っての通り、この中国に人脈が多い。江沢民氏の上海時代もよくご存知の人物だ。明日からは、彼が中国との折衝を担当する」
「えっ、すると海江田さんは?」
「ん、私か?   私はこれからロシアを担当する。どうも世田谷の爺さんの意向らしい..。あはははは..」
「そうですか..」
三枝が思案していると、
「小山田さんは、今こちらに向かっているとのことです。つい先程連絡がありました。今夜7時の便で北京に着くそうです」
ふいに川嶋が言った。
「そうか、それはタイミングがいい..。ところでキゴさん、あなたはロシア語が出来ますか?」
「え?   はい、多少ですが..」
「それは好都合だ..」
三枝は、海江田がカンをロシアへも連れて行こうとしているのが分かった。

「キゴ君、海江田さんに話してくれないかな、君の素性を..」
三枝は思い切って聞いてみた。
「ん?   何のことかな?」
海江田はいぶかしがったが、ほどなくカンが、
「海江田様、実は竜頭の白斑の人物とは私のことです..」
と告白した。
「……」
海江田は、あっけにとられたようにカンを見ていた。そのとき、
「竜頭の白斑がある人物って、ひょっとして朝鮮王のことじゃないですか?」
川嶋がすっとんきょうな声で言った。三枝は驚いた。
「なんだ、川嶋君知っていたのか?   どこで聞いた?」
「あはははは、これ有名な話ですよ。作り話かと思っていたんですが..。中国の朝鮮族なら誰でも知ってるんじゃないですか?」
「誰でも?」
三枝の頭がめぐるましく回転した。
「キゴさん、あなたにその白斑があるんですか?   マジですか?」
川嶋がしつっこく聞いた。
「ええ、後でお見せいたします..」
「え!   本当ですか?   本物ですか?   キゴさんが本物の朝鮮王なんですか?」
「ええ..」
川嶋はいかにも「まいった」という顔をした。


んじゃ^^
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