ユギオII - その93
投稿者: k_g_y_007_naoko 投稿日時: 2009/05/30 22:02 投稿番号: [56312 / 73791]
投稿者:大介&直子
<その93>
ふいに少将の男が振り返り、三枝たちを怪訝そうに見たが、三枝が目を合わせたとき、この男から不思議な殺気を感じた。それは一瞬のことであったが..
そのとき、
「お話しし忘れたことがあります。温首相閣下とちょっとの間お話できませんか? すぐに済みます..」
ふいにカンが三枝に耳打ちしたが、カンの目は少将の後ろ姿を見据えたままであった。三枝は「何かある?」と直感した。
三枝がすぐにこのことを海江田に耳打ちしていると、気配に気付いたのか、温が振り向き、そして立ち止まった。温の秘書官も立ち止まった。
「温閣下、大事なことを忘れておりました。5分ほどよろしいですか?」
「ん? なに構いませんよ、あなた方をお見送りするつもりでしたから..、では歩きながらでも..」
「いや、すみません..」
温は、にこやかな表情を浮かべていた。そして胡に背後から「少し遅れますが..」と告げると、胡は振り向いてうなずいた。男たちも全員振り向いてこちらを見ていた。三枝は、胡に視線を送りながらそれとなく例の少将の気配を探ったが、先程の殺気はなかった。
「こちらからまいりますと駐車場が近いですから、どうぞ..」
温が先導した。ほどなく外に出た。50メートルほど先に駐車場が見え、日本大使館の車のそばでは川嶋が所在なげに立っていた。三枝たちを認めると車に乗ろうとしたが、三枝はそこで待つよう手で合図した。
「どんなお話ですかな? ここなら回りに聞かれることもないでしょう..」
温は、表情こそ穏やかであったが、鋭い視線を海江田に向けた。確かに回りに人影はなかった。
「キゴ君からお話があるそうです..」
「ん?」
温は、カンに視線を向けた。カンは温のすぐ横に並ぶと、
「先程のナム少将のことですが、彼は我が国のチャン党幹部他数人の軍幹部と頻繁に会っております。チャン幹部は開戦強硬派の主要人物の一人です..」
「ん? 彼を知っていたのですか?」
「いえ、今まで会ったことはありませんが、我が同志からの報告です。丹東のある飯店で今月に入ってからでも、すでに3回ほど会合しているようです。いずれも私服で会っているとのことです..」
「う〜ん、そうですか..」
温は、考え込んだ。
「どうして、彼はここにいるのですか?」
カンが聞いた。
「どうしてですかな? 私が聞きたいくらいだが..?」
温は苦笑し、そして地面に視線を落とした。
「閣下、これから閣下に内密にご連絡申し上げたいことが多くなると存じますが、いかがいたしましょうか?」
海江田が聞いた。
「そうですな..」
そう言いながら、温は彼の秘書官を振り返った。
「劉君、ちょっと来なさい..」
「はい」
「海江田さん、彼は私が信頼している男です。ま、表向きは私の秘書官ですが、そちらの三枝さんと同業者かも知れませんな、違いましたかな、三枝さん?」
三枝は苦笑した。
車のそばで、三枝は劉秘書官に川嶋を紹介した。
<その93>
ふいに少将の男が振り返り、三枝たちを怪訝そうに見たが、三枝が目を合わせたとき、この男から不思議な殺気を感じた。それは一瞬のことであったが..
そのとき、
「お話しし忘れたことがあります。温首相閣下とちょっとの間お話できませんか? すぐに済みます..」
ふいにカンが三枝に耳打ちしたが、カンの目は少将の後ろ姿を見据えたままであった。三枝は「何かある?」と直感した。
三枝がすぐにこのことを海江田に耳打ちしていると、気配に気付いたのか、温が振り向き、そして立ち止まった。温の秘書官も立ち止まった。
「温閣下、大事なことを忘れておりました。5分ほどよろしいですか?」
「ん? なに構いませんよ、あなた方をお見送りするつもりでしたから..、では歩きながらでも..」
「いや、すみません..」
温は、にこやかな表情を浮かべていた。そして胡に背後から「少し遅れますが..」と告げると、胡は振り向いてうなずいた。男たちも全員振り向いてこちらを見ていた。三枝は、胡に視線を送りながらそれとなく例の少将の気配を探ったが、先程の殺気はなかった。
「こちらからまいりますと駐車場が近いですから、どうぞ..」
温が先導した。ほどなく外に出た。50メートルほど先に駐車場が見え、日本大使館の車のそばでは川嶋が所在なげに立っていた。三枝たちを認めると車に乗ろうとしたが、三枝はそこで待つよう手で合図した。
「どんなお話ですかな? ここなら回りに聞かれることもないでしょう..」
温は、表情こそ穏やかであったが、鋭い視線を海江田に向けた。確かに回りに人影はなかった。
「キゴ君からお話があるそうです..」
「ん?」
温は、カンに視線を向けた。カンは温のすぐ横に並ぶと、
「先程のナム少将のことですが、彼は我が国のチャン党幹部他数人の軍幹部と頻繁に会っております。チャン幹部は開戦強硬派の主要人物の一人です..」
「ん? 彼を知っていたのですか?」
「いえ、今まで会ったことはありませんが、我が同志からの報告です。丹東のある飯店で今月に入ってからでも、すでに3回ほど会合しているようです。いずれも私服で会っているとのことです..」
「う〜ん、そうですか..」
温は、考え込んだ。
「どうして、彼はここにいるのですか?」
カンが聞いた。
「どうしてですかな? 私が聞きたいくらいだが..?」
温は苦笑し、そして地面に視線を落とした。
「閣下、これから閣下に内密にご連絡申し上げたいことが多くなると存じますが、いかがいたしましょうか?」
海江田が聞いた。
「そうですな..」
そう言いながら、温は彼の秘書官を振り返った。
「劉君、ちょっと来なさい..」
「はい」
「海江田さん、彼は私が信頼している男です。ま、表向きは私の秘書官ですが、そちらの三枝さんと同業者かも知れませんな、違いましたかな、三枝さん?」
三枝は苦笑した。
車のそばで、三枝は劉秘書官に川嶋を紹介した。
これは メッセージ 1 (may7idaho さん)への返信です.