ユギオII - その24
投稿者: k_g_y_007_naoko 投稿日時: 2009/05/07 19:51 投稿番号: [55258 / 73791]
投稿者:チー
<その24>
20xx年6月18日夕「ソウル郊外、秘密基地」
「李閣下と取引に来たのです」と、カンは静かに言った。
米大佐は、カンのこのかたくなな言葉に「こいつ、たかが一介のグループの密使のくせに、まるで北の大使気取りでいるようだ..」と思ってはみたが、これ以上の尋問は無理だと悟った。そしてハン次官になにやら目配せした。ハン次官は三枝に視線を移すと、やはり仕方がないといった顔で、
「では、今日はこれで終わりにしましょうか..。お二人には宿舎を用意しますから、後ほどご案内します。お疲れでしょうから、今夜はゆっくりお休みください。明日の予定は分かりませんが、分かり次第ご連絡しましょう..」
三枝は、カンを見た。その横顔には疲れがにじんでいた。ここのところ睡眠もろくに取っていないようであった。そういう三枝もわずかな睡眠時間の日々が続いたあげく、突然今回の任務を命じられていた。しかし、ソウルへのヘリでカンから聞いた話には、興奮を超え、身震いすらした。「まだ着いたばかりだ、今夜はぐっすり眠らなければ..」と思った。
ハン次官が三枝のそばに来た。そして、耳元で「明日の大統領のスケジュールをチェックしてみますが、あまり期待しないでください..」とささやいた。三枝は思わず、
「君の国は、のんきでいいね」
と言った。この三枝の皮肉にハンは苦笑いで返した。
「ところで、私をカンと同室にしてもらいたいが、いいですかな?」
ハンは少し考えていたが、
「三枝さんがそれでよろしければ、そう手配しましょう。いい考えですね..」
ハンはニコリとすると部屋から出て行った。三枝とカンは、そのまま部屋に軟禁状態に置かれた。
まもなく、軍服姿の若い女が入ってきた。スラリとしたなかなかの美人である。
「どうぞこちらへ、宿舎にご案内いたします」
そう言うと、女兵士にはニコリとした。我々を警戒するような素振りはみじんもなく、始終おだやかな笑顔を浮かべていた。基地建物の裏口を出ると、広々とした緑の芝生に瀟洒なヴィラ造りの建物が何棟か建っていた。女兵士は、一番手前のヴィラに三枝たちを案内した。聞くと、基地を訪れる米軍や韓国軍の高級将校用ゲストハウスであると言った。入口には警護兵が2名立っていたが、女兵士を見ると最敬礼した。
彼女は、韓国軍中尉であった。
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