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安全ということ

投稿者: uberzeitgeist 投稿日時: 2008/11/29 00:38 投稿番号: [45049 / 73791]
私は仕事でカリブ海のケイマン島に行ったことがあります。浜辺で見ているとジェット戦闘機がゆっくりとかなり低い高度で飛んでいます。

失速するのではないかと思うほどの速度です。やがて気づいたのはジェット戦闘機は海岸線をパトロールしているということでした。

ケイマンは小さな島国ですから軍隊はありません。国防はすべて英国任せです。グレナダに基地を持っている英国軍がかつての植民地の国防に全責任を持っているのです。

カリブ海はその昔は海賊の根拠地でした。いまはコロンビアからの麻薬密売ルートの中継地となっています。

米国の沿岸警備隊の対麻薬組織にたいする警戒・対応体制のビデオ映像は日本では想像できない凄まじいものでした。

ヘリコプター2機が一隻の高速密輸船を追い掛け回す様をビデオに取ったのです。ヘリから機関銃で撃つのですが高速船はそれを巧みに掻い潜りジグザグに逃げ回ります。

高速艇ばかりでなく飛行機でもコロンビアから米国に入り込むといいます。レーダーを避けて海面スレスレに飛んでくるのです。ハリウッド映画の原型です。

ちょうどその頃、北がミサイルを発射し日本の上空を通過させ、また、能登半島沖で北の情報船が見つかり巡視船の追跡を振り切り遁走しました。

私はこれを米国で聞いてなんて日本はのどかな国なのかと改めて感じました。巡視船のスピードが遅ければ、即、ハイスピード艇に切り替え10隻で足りなければ100隻揃えるという発想がまったくありません。

世界は安全な場所ではなく、安全であるために様々な工夫・実力の行使を行っているという現実がいまの日本人には見えていません。

日本人のこの見方の根源について考えると、やはり現在の「平和憲法」に辿り着くでしょう。

政府の憲法案に対し「軍事力なき国家などありえない」と批判したのは当時の共産党でした。

軍事力は米軍が提供していたからこそ「平和憲法」たりえたのです。その後、スコラ哲学のように解釈を積み上げ「自衛隊という軍隊」と「第9条」を並存させました。

ここに無理があります。「軍事力なき国家などありえない」と考えるのであれば「第9条」を速やかに取り払う必要があります。軍事力・軍隊というものを国家のなかに正当性をもって正確に位置付ける必要性があります。

明治憲法は「天皇の大権」を民主的に解釈運用するということである程度まで旨くいきました。

しかし軍部に「大権」を逆手に取られてしまったのです。現在の憲法にはもはや「大権」はありません。

私の見るところ現在の教育は「国家」「軍事力」「政治の働き」についてキチンと教えていません。

民主国であれば政治家・総理大臣が軍事力行使の最終意思決定権を持ち、軍人はこれに従うのがシビリアンコントロールの基本だと教える必要があります。

そのためには「国家」「軍事力」「政治の働き」についてしっかり教えねばなりません。

田母神氏の論考内容は別にして日本の空軍のトップが抱いた不満は、自衛隊が軍隊として正当性をもって国家のなかに位置付けられていないということでしょう。

この問題は米国の国力が疲弊していく今後、避けて通れなくなるに違いありません。
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