韓国の明日 - ユギオ2(その31)
投稿者: k_g_y_007_naoko 投稿日時: 2008/10/26 19:15 投稿番号: [42679 / 73791]
投稿者:大介
そういうカンを、勝俣は心の中を探るかのように見据えていたが、やおら時計に目をやると、「時間だな、では行こう」と席を立った。
車寄せで新井が待っていた。
「出来たか?」
「ええ、あせりましたが…」
新井はそういうと、勝俣に封筒を渡した。車は新井が運転し、三枝は助手席に座った。車が動き出してまもなく、
「カン君、これが君のパスポートと特別在留許可証だ。在日朝鮮人ということになっている。日本での通名はそこに書いてある」
カンは、勝俣から受取った証明書をしげしげと見た。
「三枝君にも見せてあげなさい」
勝俣の言葉に従うように、カンは目の前の助手席に座っている三枝の肩越しに書類を差し出した。日本国政府発行のパスポートと在留許可証であった。パスポートには、先程新井が撮った写真が貼ってあり、ご丁寧に日本国出国スタンプ、日本国再入国許可スタンプ、そして韓国入国スタンプが押されていた。ということは、カンは正規ルートで韓国に入国したのであり、またいつでも自由に日本に入国できるということであった。
しかし三枝は、もう一方の特別在留許可証に貼られてある写真を見て驚いた。写真は確かにカンであるが、パスポートの背広姿とは違ってジャンパー姿であり、年齢も若く見えた。日付もパスポートよりかなり前である。名義は、いずれも木子信仁となっていた。
「キゴ ノブヒト?」
めずらしい名字である。名前も皇族が好みそうな名であった。
「勝俣主任、この名前は誰が付けたのですか?」
三枝は、おもわず聞いてしまった。
「カン君の父親だ…」
勝俣がそういうのを、カンが神妙な顔で聞いていたことに勝俣も三枝も気付かなかった。
「ところでカン君、これから李大統領に引き合わせるが、李大統領はじめ、同席する人物は皆、君の名がカンなにがしかであり、北からの密使であることを知らせてある。ただし、これから会う人物以外、君の素性は極秘となっているから、他で身分が問われる場合にだけ、これを使ってもらいたい。君の学歴や職業など、その他のことは李某氏に関係していると伝えればわかると、君の父親から頼まれているが…」
「ええ、分かりました。それで十分です。ありがとうございます」
礼を述べるカンの横顔を勝俣は射るような目で見ていた。
車は、青瓦台に入った。三枝は、時折車外に注意を払ってみたが、尾行の気配はなかった。
これは メッセージ 42563 (k_g_y_007_naoko さん)への返信です.
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