米国金融セクターメモ(2)
投稿者: uberzeitgeist 投稿日時: 2008/09/21 04:08 投稿番号: [39787 / 73791]
◇評価
①7,000億ドルは想定以上の規模。不良資産を額面の50%で買い取れば1兆4,000億ドル、35%で買い取れば2兆ドルの不良資産を買い取ることができる金額(2,000億ドルで7,000億ドルの不良債権を買い取り、5,000億ドルを資本注入に充当するシナリオが考えられる)。これが実現すれば米国の問題は片付き、残るのは欧州となる。
欧州は、各国別に不良債権買取を進めることとなるが、米国に比べて展開が遅く、また、自己資本調達額も不足。この点からの資産圧縮圧力が残り続ける
②Sell shortを禁止したためShort coverを一気に誘発しただけでなく、今後バランスシートが疑わしい金融機関をテストする展開は避けられることとなった。しかし、7,000億ドルの資金枠が認められなければ、株式市場には流動性が不足し、実需売りを吸収する資金が限られる
③大統領選挙の最終段階で下院を握る民主党が税金投入をOKするか否か。今のところ議会指導者は事態の緊急性を理解したようだが、金融機関への税金投入のみならず国民への減税・住宅担保ローン負担軽減策を求めており、最終決着がこの週末にまとまるか否か定かではない
④政府が想定以上の数字を出してきたため、この案を議会指導者が拒否するようだと週明けの市場は嫌気するだろう
◇含意
Easy moneyの時代は完全に終了。今後、あらゆる資産のValuationが見直され低下するだろう。
①GSに代表される投資銀行およびヘッジ・ファンド全盛の時代は終了。1995年以前のオーソドックスなスタイルに回帰するだろう(高Leverage時代の終了)
②証券化・金融派生商品の市場は縮小するだろう(信用の収縮)。金融派生商品のなかでもCDSはバフェット言うところのWeapon of Mass Destruction。この破裂を封じ込める策は今のところは存在せず、時間をかけて期限切れとともに残高が減少するのを待つしかない
③銀行のバランスシート調整は当分の間続き、また、貸出し基準の厳格化もその間続くだろう
④2002年からのEasy moneyに支えられたGlobalizationにより拡大された生産能力の調整が起き、これがデフレ圧力となろう(世界経済の体温計としての銅・石油価格動向に注目)
⑤米国政府のバランスシートは膨れ上がることとなり、ドルは売られやすくなる
◇結論
7,000億ドルプランが認められれば、米国金融業界からの資産圧縮圧力は消滅するが、欧州金融業界からのそれはまだ無くなった訳ではない。しかしマーケットセンチメントは急改善し、マーケットは戻りを試すだろう。今後の注目点は、米国の住宅市場動向と経済のファンダメンタルズに移り、経済指標、企業決算と見通しを注意深く見ていく展開となろう。
これは メッセージ 1 (may7idaho さん)への返信です.
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