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Re: 輸入農産物の価格、史上最高値を更新

投稿者: okasaki131 投稿日時: 2008/04/19 17:56 投稿番号: [33540 / 73791]
農産物輸出は日本農業再生の切札となるか

RIETI上席研究員 山下一仁

■農産物輸出促進の動き
国産農産物輸出促進の旗がさかんに振られている。昨年5月、鳥取県知事の音頭により輸出促進都道府県協議会が発足した。ジェトロも、昨年7月「日本食品等海外市場開拓委員会」を設立し、東アジア市場を中心に、市場調査、国際見本市への参加等を行っている。農林水産省は輸出支援の予算を今年度、4700万円から8億400万円に増額し、外国の貿易制度の調査、海外市場開拓ミッションの派遣、日本米の輸出可能性調査、販売促進活動への支援等を行う。

東アジア地域の経済発展による食品需要の拡大、農産物輸出成功事例の出現等も背景にあるが、この輸出促進の動きは、行政主導による上からの取組みである。ウルグァイ・ラウンド交渉の最中だった1989年頃にもこのような動きがあった。今回もWTOドーハ・ラウンド交渉で、更なる農業保護の削減が議論されており、また、ほとんどの産品について関税撤廃を要求される自由貿易協定の締結交渉でも、農業界は譲歩を迫られている。前回と同様、暗く沈みがちな農業界に対し、輸出という明るい話題を提供しようという狙いが感じられる。

WTO農業協定により、日本にはダンピング輸出ができる輸出補助金の交付は禁止されており、政府は海外市場調査等により、民間事業者の輸出を側面からアシストすることしかできない。したがって、輸出できるかどうかは国産農産物自体に、海外市場で売れる実力が本来備わっているかどうかにかかっている。



■なぜ輸出を促進するのか
その疑問に答える前に、関係者には冷や水をかけるようだが、国等が支援する公的な理由が、明らかにされる必要があろう。

貿易の利益は輸入・消費の利益であって輸出・生産の利益ではない。国際経済学者P・クルーグマンから引用すると「輸出ではなく輸入が貿易の目的であることを教えるべきである。国が貿易によって得るのは、求めるものを輸入する能力である。輸出はそれ自体が目的ではない。輸出の必要は国にとって負担である。」(『良い経済学、悪い経済学』日本経済新聞社147頁参照)とある。輸出促進は輸出しようとする産業にとっては利益であるが、国全体としては必ずしもそうではない。民間の輸出を国が支援することに対しては、食料安全保障、多面的機能等の理由により国内の農業を輸出という方法を採ってまでも振興する必要性についての説明が必要だろう。
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