最新データを反映した大人のBT戦車論 1
投稿者: may7idaho 投稿日時: 2007/04/25 10:31 投稿番号: [16613 / 73791]
子供が読む戦記物にでも書いてあるような、馬鹿馬鹿しいBT戦車礼賛にウンザリした方も多いでしょうし、とりあえず、文明論とか、『兵器の実際』研究(笑)としても、多少は、興味も惹くでしょうから、
ソ連ご自慢の、例の『BT戦車』の件、ちょっとばかり、プロの意見を聞いてきました。(トピずれ御容赦のほどを。何分、旧日本軍の戦死者の名誉のためでもあり・・・)
照会された英米のサイトは、なかなかなのですが(BT戦車、評価低いです)、長い・・・難しい、退屈・・・他には?と尋ねたところ、では、防衛庁出身者で、戦車のプロが書いたものということで、以下の記事を教えられました。
う〜ん、また、長い・・・が、英米に比べると、まだ、短いし、読みやすいか・・・それでも、端折って御紹介。
これですと、ソ連が公開した情報も十分に反映されており、ロシアの研究者の分析とも一致しているので、皆様にも楽しんで貰えるでしょう(苦笑)。
>ノモンハン事変における日本軍の戦車に対する戦史ファンの一般的な認識は、強力な45㎜カノン砲を装備するBT5高速戦車やT26戦車に散々な目に遭わされ、一方的な敗北を被ると言うイメージが定着しており、1000mをこえる遠距離で、ばたばたと倒される描写が戦記物小説ばかりでなくノンフィクション分野ですら散在していますし(元某衛庁高級職・・・つまり本職の出筆した記事にすら見られる程でした)。
しかし、私は兵器や戦史を研究していく中で、それがどうしても納得できなくなったのでした。
何故なら、カタログデータを見たとき、確かにソ連戦車の装備する45㎜カノン砲M1932は、距離1000mで垂直に置かれた約50㎜の装甲鋼鈑を貫通可能な、当時の戦車砲として強力無比な存在で、日本軍戦車の装甲を簡単に貫通できるのですが、逆に低貫通力で有名な日本軍の九〇式57㎜戦車砲や九四式37㎜戦車砲でも近距離ならソ連戦車の装甲を貫通できるだけの威力を有していることに気付いたからなのです。
近頃になってノモンハン事変に付いて私が以前より疑問に思っていた事についての記述がある資料が(ソ連の情報公開で)登場し、私の疑問に対する回答が示された事も、大きな力となりました。
ノモンハン事変におけるソ連軍の主力戦車であるBT5高速戦車は、前面装甲が13〜15㎜程度なのですから、貫通力がカタログデータ通りとして九七式57㎜戦車砲なら1000m程度の遠距離で、九四式37㎜戦車砲でも700m以内なら有効打を与える事が可能だし、砲弾の強度不足等を鑑みて貫通性能を低く見積もっていたとしても九七式57㎜戦車砲なら500m以内で、九四式37㎜戦車砲でも300m以内なら有効打が発生する可能性が極めて高いのです。
また、T26歩兵戦車に対してなら、かなりの遠距離から日本戦車が放つ砲弾で装甲が貫通可能と考えられます。
加えて、この砲弾や装甲の強度問題について忘れてならないのは、日本だけでなくソ連の砲弾や装甲も列強諸国、特に独英米と比べて性能が低いとされている事があります(ソ連の場合は独ソ戦においての捕獲品の多くがドイツ軍によって調査された資料がありますので皆さんも御存知の事と思います)。
ソ連鋳造装甲技術は、世界屈指の域に到達しようとしていましたが、それ以前に開発され生産されていたBT系列の高速戦車が有する装甲鋼鈑は、質的にそれ程の性能ではありませんでした。
そして、なにしろ実際のノモンハン事変での対戦車戦闘に関して残された記録の中に、BT5戦車に対して九四式37㎜砲の九四式徹甲弾が、射距離約700mで有効打撃を発生させられるとの記述が日ソ双方に残されており、ここまでの考えを裏付けてくれました(近頃、このソ連側の情報が開示された事で彼我双方の情報による比較が可能になりました)。
この記録は、ソ連製の装甲鋼鈑に対してならば日本製砲弾の性能が大きく低下しない事も裏付けています。つまり鋼材の強度問題は、日ソの徹甲弾の貫通力と装甲の強度についてのデータに、大きな差はないと考えられるのです。<
続く
ソ連ご自慢の、例の『BT戦車』の件、ちょっとばかり、プロの意見を聞いてきました。(トピずれ御容赦のほどを。何分、旧日本軍の戦死者の名誉のためでもあり・・・)
照会された英米のサイトは、なかなかなのですが(BT戦車、評価低いです)、長い・・・難しい、退屈・・・他には?と尋ねたところ、では、防衛庁出身者で、戦車のプロが書いたものということで、以下の記事を教えられました。
う〜ん、また、長い・・・が、英米に比べると、まだ、短いし、読みやすいか・・・それでも、端折って御紹介。
これですと、ソ連が公開した情報も十分に反映されており、ロシアの研究者の分析とも一致しているので、皆様にも楽しんで貰えるでしょう(苦笑)。
>ノモンハン事変における日本軍の戦車に対する戦史ファンの一般的な認識は、強力な45㎜カノン砲を装備するBT5高速戦車やT26戦車に散々な目に遭わされ、一方的な敗北を被ると言うイメージが定着しており、1000mをこえる遠距離で、ばたばたと倒される描写が戦記物小説ばかりでなくノンフィクション分野ですら散在していますし(元某衛庁高級職・・・つまり本職の出筆した記事にすら見られる程でした)。
しかし、私は兵器や戦史を研究していく中で、それがどうしても納得できなくなったのでした。
何故なら、カタログデータを見たとき、確かにソ連戦車の装備する45㎜カノン砲M1932は、距離1000mで垂直に置かれた約50㎜の装甲鋼鈑を貫通可能な、当時の戦車砲として強力無比な存在で、日本軍戦車の装甲を簡単に貫通できるのですが、逆に低貫通力で有名な日本軍の九〇式57㎜戦車砲や九四式37㎜戦車砲でも近距離ならソ連戦車の装甲を貫通できるだけの威力を有していることに気付いたからなのです。
近頃になってノモンハン事変に付いて私が以前より疑問に思っていた事についての記述がある資料が(ソ連の情報公開で)登場し、私の疑問に対する回答が示された事も、大きな力となりました。
ノモンハン事変におけるソ連軍の主力戦車であるBT5高速戦車は、前面装甲が13〜15㎜程度なのですから、貫通力がカタログデータ通りとして九七式57㎜戦車砲なら1000m程度の遠距離で、九四式37㎜戦車砲でも700m以内なら有効打を与える事が可能だし、砲弾の強度不足等を鑑みて貫通性能を低く見積もっていたとしても九七式57㎜戦車砲なら500m以内で、九四式37㎜戦車砲でも300m以内なら有効打が発生する可能性が極めて高いのです。
また、T26歩兵戦車に対してなら、かなりの遠距離から日本戦車が放つ砲弾で装甲が貫通可能と考えられます。
加えて、この砲弾や装甲の強度問題について忘れてならないのは、日本だけでなくソ連の砲弾や装甲も列強諸国、特に独英米と比べて性能が低いとされている事があります(ソ連の場合は独ソ戦においての捕獲品の多くがドイツ軍によって調査された資料がありますので皆さんも御存知の事と思います)。
ソ連鋳造装甲技術は、世界屈指の域に到達しようとしていましたが、それ以前に開発され生産されていたBT系列の高速戦車が有する装甲鋼鈑は、質的にそれ程の性能ではありませんでした。
そして、なにしろ実際のノモンハン事変での対戦車戦闘に関して残された記録の中に、BT5戦車に対して九四式37㎜砲の九四式徹甲弾が、射距離約700mで有効打撃を発生させられるとの記述が日ソ双方に残されており、ここまでの考えを裏付けてくれました(近頃、このソ連側の情報が開示された事で彼我双方の情報による比較が可能になりました)。
この記録は、ソ連製の装甲鋼鈑に対してならば日本製砲弾の性能が大きく低下しない事も裏付けています。つまり鋼材の強度問題は、日ソの徹甲弾の貫通力と装甲の強度についてのデータに、大きな差はないと考えられるのです。<
続く