Re: 「終身強制重労働刑」――採算性の試算
投稿者: piazzollajp 投稿日時: 2012/04/19 19:20 投稿番号: [17497 / 17759]
次に、steffiさん発案の「終身強制重労働刑」に対する、私の意見をここに述べさせていただきます。ただし、私は、刑務所の運営や受刑囚のことについては何も知りませんので、的外れのところも多々あろうかと思います。ですから、あくまで一庶民の一意見としてお聞きください。
以下、(1)「終身強制重労働刑」制度の基本スキーム、(2)「終身強制重労働」の基本的性格、(3)具体的労働形態 について述べます。
(1)「終身強制重労働刑」制度の基本スキーム
国の代位給付対象を「被害者遺族への賠償金全額」とするsteffiさんの案は、あまりにもハードルが高すぎると思います。もちろん、実際にはケースバイケースでしょうが、一般論としては、steffiさんの試算結果でもそうであるように、加害者の稼ぎだけで全額を捻出することは困難であり、現在以上の国庫からの補填が必要になると思われます。現在の「遺族給付金相当額」をベースに、これに出来るだけの上乗せを目指す方が、まだ現実的ではないでしょうか。
(2)「終身強制重労働」の基本的性格
steffiさんは、これを「普通の人にはとても耐えられないような、きわめて過酷で危険な環境の下で長時間強制的に働かせる」ものと考えられています。これが、被害者の遺族側に立ったお考えであることは十分理解できますし、私自身、被害者の遺族の前で加害者の人権を当事者でもない人間が主張するなど、あってはならないことだと思っています。けれども、残念ながらこの考え方には、大きな論理的矛盾を孕んでいます。
ここでいう「普通の人」とは、一般社会で普通に暮らしている人を指しているのでしょうが、その「普通の人」が耐えられないことを、犯罪者である彼らが耐えられるのでしょうか。彼らとて、マラソン選手のような肉体のアスリートでもなければ、修験者のような強靭な精神を備えているわけでもありません。年寄りもいれば、女性もいるでしょう。肉体的、精神的には、彼らもまた「普通の人」と大きくは変わりません。つまり、「普通の人」にはとても耐えられないようなことは、彼らにもとても耐えられないのです。そのことを無視して強制的に働かせば、彼らは倒れて死ぬだけです。それも許容するというのであれば、アウシュビッツと同じになりますが、そこまではしないというなら、結局は、「普通の人」が耐えられる程度には、労働環境を整えてやらざるをえないのです。
そして、ここまでタガを外してしまうと、「終身強制重労働」の中身を肉体労働に限定する理由も薄れてきます。要は、この制度の最大の目的は、「被害者遺族への経済的救済」であり、それを果たすためなら、効率的に稼げるのなら頭脳労働でも何でもやらせるというところまで行き着いてしまいます。これこそ、かつて私が表現した、冷徹な「経済合理主義」に徹するということになりますが、現実には、果たしてそこまで割り切れるものでしょうか?
(3)具体的労働形態
steffiさんは、例として「潜水士」を挙げられていますが、これは一例にしても、あまり適切なものとは思えません。潜水士になるといって、今日いって明日なれるものでもありません。それなりの資格も訓練も必要でしょう。また、潜水業務が、年がら年中継続的にあるのかどうかも疑問です。仕事の現場が一定でなく、全国津々浦々となりますが、そのたびに彼らを移送する必要があり、コストがかさむと同時に逃亡のリスクも増えます。ましてや、仕事場が海の中では、厳重な監視をしようにもしようがないでしょう。
私は、基本的に、彼らを刑務所外作業に従事させることには反対です。彼らは本来死罪に値する凶悪犯です。彼らを常態的に塀の外に出しておくのは、脱獄のリスクが格段に増加し、社会平和を維持する観点から全く好ましくないと思います。となると、私が思いつく唯一のやり方は、民間から生産工場かなにかを一式買い上げ、その周囲を塀で囲んで丸ごと刑務所にし、受刑囚を集結させて、相互環視体制のもと、付加価値の高い製品を大量生産するというものです。いわば、受刑囚を労働力とした新規ビジネスを立ち上げるというものですが、これを実現するためには、多額の初期投資が必要となることを始め、種々の課題が想定され、これが全くの夢物語なのか、少しでも実現性があるのか、今の私には全く見当がつきません。
以下、(1)「終身強制重労働刑」制度の基本スキーム、(2)「終身強制重労働」の基本的性格、(3)具体的労働形態 について述べます。
(1)「終身強制重労働刑」制度の基本スキーム
国の代位給付対象を「被害者遺族への賠償金全額」とするsteffiさんの案は、あまりにもハードルが高すぎると思います。もちろん、実際にはケースバイケースでしょうが、一般論としては、steffiさんの試算結果でもそうであるように、加害者の稼ぎだけで全額を捻出することは困難であり、現在以上の国庫からの補填が必要になると思われます。現在の「遺族給付金相当額」をベースに、これに出来るだけの上乗せを目指す方が、まだ現実的ではないでしょうか。
(2)「終身強制重労働」の基本的性格
steffiさんは、これを「普通の人にはとても耐えられないような、きわめて過酷で危険な環境の下で長時間強制的に働かせる」ものと考えられています。これが、被害者の遺族側に立ったお考えであることは十分理解できますし、私自身、被害者の遺族の前で加害者の人権を当事者でもない人間が主張するなど、あってはならないことだと思っています。けれども、残念ながらこの考え方には、大きな論理的矛盾を孕んでいます。
ここでいう「普通の人」とは、一般社会で普通に暮らしている人を指しているのでしょうが、その「普通の人」が耐えられないことを、犯罪者である彼らが耐えられるのでしょうか。彼らとて、マラソン選手のような肉体のアスリートでもなければ、修験者のような強靭な精神を備えているわけでもありません。年寄りもいれば、女性もいるでしょう。肉体的、精神的には、彼らもまた「普通の人」と大きくは変わりません。つまり、「普通の人」にはとても耐えられないようなことは、彼らにもとても耐えられないのです。そのことを無視して強制的に働かせば、彼らは倒れて死ぬだけです。それも許容するというのであれば、アウシュビッツと同じになりますが、そこまではしないというなら、結局は、「普通の人」が耐えられる程度には、労働環境を整えてやらざるをえないのです。
そして、ここまでタガを外してしまうと、「終身強制重労働」の中身を肉体労働に限定する理由も薄れてきます。要は、この制度の最大の目的は、「被害者遺族への経済的救済」であり、それを果たすためなら、効率的に稼げるのなら頭脳労働でも何でもやらせるというところまで行き着いてしまいます。これこそ、かつて私が表現した、冷徹な「経済合理主義」に徹するということになりますが、現実には、果たしてそこまで割り切れるものでしょうか?
(3)具体的労働形態
steffiさんは、例として「潜水士」を挙げられていますが、これは一例にしても、あまり適切なものとは思えません。潜水士になるといって、今日いって明日なれるものでもありません。それなりの資格も訓練も必要でしょう。また、潜水業務が、年がら年中継続的にあるのかどうかも疑問です。仕事の現場が一定でなく、全国津々浦々となりますが、そのたびに彼らを移送する必要があり、コストがかさむと同時に逃亡のリスクも増えます。ましてや、仕事場が海の中では、厳重な監視をしようにもしようがないでしょう。
私は、基本的に、彼らを刑務所外作業に従事させることには反対です。彼らは本来死罪に値する凶悪犯です。彼らを常態的に塀の外に出しておくのは、脱獄のリスクが格段に増加し、社会平和を維持する観点から全く好ましくないと思います。となると、私が思いつく唯一のやり方は、民間から生産工場かなにかを一式買い上げ、その周囲を塀で囲んで丸ごと刑務所にし、受刑囚を集結させて、相互環視体制のもと、付加価値の高い製品を大量生産するというものです。いわば、受刑囚を労働力とした新規ビジネスを立ち上げるというものですが、これを実現するためには、多額の初期投資が必要となることを始め、種々の課題が想定され、これが全くの夢物語なのか、少しでも実現性があるのか、今の私には全く見当がつきません。
これは メッセージ 17496 (pia**ollaj* さん)への返信です.
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