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少年院から

投稿者: dorawasabi5001 投稿日時: 2008/05/05 01:02 投稿番号: [15679 / 17759]
★少年院から・・=毛利甚八

  ◆光市母子殺害事件を考える

  ◇厳罰化では何も残らぬ

 

  ・・   二人の死という重大な結果から、少年は山口家庭裁判所で検察官送致(逆送)の決定を受けた。


  逆送とは、少年事件であっても公開の法廷で検察官が罪を証明し、刑事弁護人が少年の利益を守るために弁護するという攻防を行ったうえで、裁判官が「罪があったかどうか、どんな罪があったか」を確かめ(事実認定)、

懲役や死刑など罰の選択(量刑判断)をするということだ。


しかし、ルーキーの裁判官(未特例判事補)が多い家庭裁判所が、被害の重大な難しい事件を地裁の合議部に丸投げしている側面もある。


少年法にもとづいた家裁ならではの包容力が、厳罰化の風にあおられて弱くなっているようだ。
・・


  今回の差し戻し控訴審とは、最高裁の「本当に死刑にできないのかどうか、もっとしっかり考えなさい」というプレッシャーを受けながら、

広島高裁が「死刑か無期懲役か」を含めた量刑について判断を下すものである。



  ・・   そうした裁判の経緯や騒動とは別に、光市の事件はさまざまな教訓に満ちている。



  加害者の元少年は父親に虐待を受けて育っていたといわれる。母親は虐待を受けた末にうつ病になり、自殺している。



対応すべき山口県の児童相談所の働きかけはあったのか。児童相談所の情報収集能力、予算、人材は十分にあったのか?


  逆送したために元少年は8年にわたって拘置所に留め置かれたまま裁判を受けてきた。


その間に贖罪教育や労働訓練は行われなかった。少年院に送られていれば、少年はなんらかの精神的成長をみせただろう。


被害者遺族に真摯な謝罪ができるような教育が行われなかった司法制度に問題はなかったのか?


  現在、法務省は被害者保護のためとして「少年審判を被害者等が傍聴できる」よう少年法を改正しようとしている。


被害者保護と言いつつ、検察官は被害者と遺族の悲しみや無念を、裁判で加害者を責める武器に見立てようとしてはいないか?


  そもそも被害者と遺族が、加害者を死刑にしなければ無念が晴れないような状態に追い込んでいるのは誰か?


  判決のはるか前に被害者や遺族の受けた傷が回復するように、経済援助や精神的ケアなどを行うのは国家が最優先すべき仕事ではないのか?



  「死刑か、無期懲役か」を語る前に考えなければならない多くの問題が顔をのぞかせている。



  なぜかメディアも国民も「もし被害者になったら」という仮定から始まり、国家や警察や検察は「自分と同じ正義の側に立っている」という観点に立ち、


なんの疑問も持たず「加害者はまったくの他人」と考えて厳罰化になびいていくようだ


正義を語る口調が、どこか八つ当たりや嫉妬に似ているのが特徴だ。


  もし光市の事件に死刑判決が出て、多くの人の胸がスカッとしたとすれば、その後に残るものはいったい何だろうか?   ただの忘却ではないのか?


 
  【死刑は金も知恵もいらない、国家と政治家にとってもっとも安上がりな事件の解決方法だ。】


テレビをながめる前に、加賀乙彦著『死刑囚の記録』(中公新書)、森達也著『死刑』(朝日出版社)を開いて欲しい。


  【悲劇が起きるまでに積み重なった被告人の不幸をみつめ、教訓をつかみだし、同じような境遇の子どもを生みださないために、児童相談所・学校・地域などに欠けているものを補っていく。】


被害者の死に報いる、事件を風化させない道とは、未来に役立てるために悲劇をみつめ噛みしめる辛抱強さのなかにあるのだと思う。


http://mainichi.jp/life/edu/sodachi/
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