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一休宗純

投稿者: hendazo04 投稿日時: 2009/10/24 07:15 投稿番号: [147 / 178]
「私は強く引かれた人物は一休宗純ですね。私はもともと彼について研究したこともなければ、一休のことをとくに勉強したわけではありませんが、ただ一休の肖像画を見て、不思議に個性のある肖像画だと思ったのです。たいていの禅宗の高僧の絵だったら、いかにも立派な人間だったろうとか、そういう印象を受けるはずですが、一休の肖像はご存知のようになまなましくて、生きている人間と変わらないほど個性がはっきりしています。あれを見て、いったいどんな人間なのか知りたくなったのがはじまりなのです。もちろん前から一休についての童話みたいな頓智噺はいろいろ聞いたことがありましたが、しかし一休の漢詩は全然知らなかったし、伝記の詳しいことはなにも知らなかったものですから、『狂雲集』など読めば読むほどほんとに不思議な人物だと思いました。しかも、変な言い方ですけど、ぼくは<この人を理解できた>と思った・・・

この経験を講演としてはじめてアメリカで発表したのですが、ぼくの講演であんなに成功したものはなかったでしょう。若い人が多く、みんな感激していました。それは私の講演が上手だったからでなく、やはり一休の悩みに不思議な普遍性があって、現代人に訴えるような力があるからです。彼は、偽善者を徹底的に嫌って、罵って、ある意味ではずいぶんわがままな、ある意味では不道徳な生活をしたのですが、しかし、彼の怒り、彼の憤慨は、ほんとに身をもって理解できるような気がしました。私は禅宗のことを、臨済はどうとか、道元はどうだとか言えるような柄ではありませんが、ただ一休という人物にひかれて、全く世界史の中で有数の偉人だったと思うようになったのです」

司馬遼太郎・キーン共書『日本人と日本文化』中公新書
ドナルド・キーン=アメリカの日本文学研究者。文芸評論家。1953(昭和28)年京都大学大学院に留学。コロンビア大学名誉教授。1986年「ドナルド・キーン日本文化センターを設立。
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