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関白秀吉

投稿者: hendazo04 投稿日時: 2009/10/10 08:37 投稿番号: [142 / 178]
「その部屋は縦十三畳、横四畳の広さがあり、樹木や鳥が黄金をもって描かれており、関白は奥の上座に座し、絶大な威厳と貫録を示していた。
副管区長が入室し、最初の室の入口において直ちに関白に向かい屈伸した。副管区長に続き、他の司祭たちが一人一人同じように身をかがめて敬礼しながら進んでいくと、キリシタンの秘書が声高々とおのおののバテレンにつき誰で何と呼ぶか関白に披露した。先と同じ順序で我々は身を起こし、後方に退いて入口近くに着席した。

関白はあたかもはるかな聖幕屋(聖書に書かれた移動式組み立て神殿)にあるがごとく、元来あまり見栄えのせぬその容貌の特徴は我らの席からは辛うじて識別できるほどであった。間もなく関白は我らに対し、自室にすぐ隣接した部屋に入るようにと命じ、我らがそこに席を移すと、諸候らをその部屋の片側にある廊下に退かせ、ジェスト(高山)右近には、汝はキリシタンだから伴天連の近くに来るがよいと言い、彼だけは我らとともに同室するよう命じた。
関白は、異教徒の諸候らの前で右近に我らのことを話したが、こうしたことは関白の右近に対する特別な好意であった。

ほどなく種々の果実を盛った黄金色の高い足つきの盆のようなものが二つ運ばれ、司祭らの前に差し出され、司祭らはそのおのおのから果実を一つずつ手に取った。
やがて関白は自室から立ち上がり、副管区長師のすぐ近くに来て座ったが、両人の間には畳半畳ほどの隔たりもなかった。彼はおもむろに司祭に語りかけ、いくつか自身が行おうと決心していることを打ち明けた。同席の日本人たちは誰も皆、彼がこれほど打ち解けた態度を伴天連に示している様子に接し、関白の性分から稀有なことと驚嘆した。彼はその時通訳をしていたルイス・フロイス師にすぐ着目し、彼と信長時代の五畿内での昔話をゆるゆる始めた。また彼は、伴天連らがひたすらにその教えを伝え広めようと望んで、母国から遠く隔たったこの日本に滞在している心ばえを称賛し、それを何度か繰り返した。それから以下のように語った。

余も伴天連らが一つのことに専念しているように、すでに最高の地位に達し、日本全国を帰服せしめたうえに、もはや領国も金も銀もこれ以上獲得しようとは思わぬし、その他なんの物も欲しくない。ただ余の名声と権勢を死後に伝えしめることを望むのみである」

ルイス・フロイス『完訳日本史(4)豊臣秀吉編』
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