●動物実験について 日本生理学会
投稿者: sanba_3_sanba 投稿日時: 2008/10/06 06:38 投稿番号: [420 / 1048]
http://wwwsoc.nii.ac.jp/psj/public/doubutsu.html#uttae_1
1.動物実験は人の医学に役に立たない?
ヒトと他の動物は種が違うので、動物実験の結果はヒトに適用できず役に立たないという主張がありますが、間違いです。地球上の生命は大腸菌からヒトに至るまで根は一つであり、共通の生命原理によって貫かれています。もちろん種によって薬の有効量や効き方には差があります。しかし、病気の起こる原因や治療法の基本原理は多くの点で人とサル・イヌ・ネコ等の脊椎動物の間で共通します。ですから、ヒトのために開発された治療や薬が、逆にペットや家畜の治療にも使われるのであり、これは当然のことです。ヘルシンキ宣言(1964)がヒトを対象とする医学研究は動物実験に基づかなければならないと述べているのも、また、新薬は動物で十分に試された後にヒトに使われるのも同じ理由に拠ります。
2.動物実験は代替法で十分に置き換えられるか?
動物を使わないですむ代替法がある場合は当然そうすべきというのが研究者のコンセンサスです。3つのRという動物実験の原則(別項に説明)の1つのRです。代替法の研究は発展させる必要があります。実際、現代技術の粋を集めた人体モデル、コンピュータ・シミュレーションは医学教育に大いに取り入れられつつあります。私どもはこの技術が動物実験の一部を代替えできるまでにますます発展することを期待しています。しかし、コンピュータ・シミュレーションは生命現象から得たデータを入力してはじめて可能となるものですし、今のところ、未知の生命現象や病因を探る研究は直接生物を用いてしかなし得ません。一方、細胞培養や組織培養の技術の発展には目覚ましいものがあり、医学・生理学的研究はそれらを大いに活用していますし、新薬開発時のスクリーニング・テストにも使われています。しかし、心臓などの各器官や身体全体の機能を解明する研究や病気の原因、病態を調べる研究は、今のところ動物実験に頼る以外はありません。新薬をヒトに使用する前に動物で試す必要は今後とも無くなるとは思えません。代替法によって動物実験の必要が全面的になくなる可能性は、少なくとも近い将来は期待できません。
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