反日デモ」しこりを残しては前に進めない
投稿者: kubotakaaki2005 投稿日時: 2006/04/16 17:52 投稿番号: [73671 / 95793]
[「反日」デモ1年]「しこりを残しては前に進めない」
日中関係を大きく悪化させた出来事だった。
中国各地で吹き荒れた昨年4月の「反日」デモから1年になる。デモは、国連安保理常任理事国入りを目指した日本の動きを牽制(けんせい)しようとする「官製」の色彩が濃かった。
デモは、成都から北京などに飛び火し、4月16日の上海デモは最大規模となった。一部は、「愛国無罪」を叫んで暴徒化した。
胡錦濤政権は「安定維持」のため徹底した封じ込めに転じ、デモ再発の動きは消えた。しかし、「反日」デモ以後、日中間の不信と反目はさらに強まり、関係改善の道筋は見えない。
上海の日本総領事館は、北京の日本大使館と同様、激しい投石を受けた。中国政府は「デモの原因は日本の歴史問題にある」と言い続けている。日本が求める謝罪と補修の交渉は進まず、総領事館の投石の傷跡は当時のままだ。補修に応じないのは、国際条約の規定に反する。
「反日」デモは、日本の「嫌中」感情を一気に加速させ、対中強硬論が噴出した。昨年10月の小泉首相の5度目の靖国神社参拝で、中国は「反日」感情をさらに募らせている。互いの国民感情は、悪化の一途だ。
ところが、経済関係は順調に拡大してきた。「反日」デモにもかかわらず、日本の昨年の対中直接投資は前年より2割増え、3年連続で過去最高を記録した。貿易額も7年連続で記録を更新中だ。
「政冷経熱」と言われる現象が強まった1年といえる。
日中両国を軸とする東アジア経済は、後戻りできないレベルにまで相互依存、相互補完が進んだ。ただし、「経熱」が今後も続く保証はない。
絶対額では伸び続けている日本の対中投資だが、対アジア投資全体に占める比率を見ると、一昨年の56%から昨年は40%に低下した。
中国には格差拡大、腐敗まん延、環境汚染など、難問が山積している。日本製品ボイコットを叫んだデモには、充満する不満の発露という側面もあった。投資分散の動きは、高まる「中国リスク」を映したものだ。日本より中国依存度の高い韓国や台湾も、警戒を強めている。
日中関係の悪化は、東アジア全体の不安定要因となりかねない。ブッシュ米大統領が最近、日中に対話を促したのも、そうした懸念があってのことだ。
日中関係を先に進めるには、「反日」デモのしこりを解消することが必要だ。その努力を尽くし、関係改善への手だてを率直に探るべきだ。
(2006年4月16日1時26分 読売新聞)
日中関係を大きく悪化させた出来事だった。
中国各地で吹き荒れた昨年4月の「反日」デモから1年になる。デモは、国連安保理常任理事国入りを目指した日本の動きを牽制(けんせい)しようとする「官製」の色彩が濃かった。
デモは、成都から北京などに飛び火し、4月16日の上海デモは最大規模となった。一部は、「愛国無罪」を叫んで暴徒化した。
胡錦濤政権は「安定維持」のため徹底した封じ込めに転じ、デモ再発の動きは消えた。しかし、「反日」デモ以後、日中間の不信と反目はさらに強まり、関係改善の道筋は見えない。
上海の日本総領事館は、北京の日本大使館と同様、激しい投石を受けた。中国政府は「デモの原因は日本の歴史問題にある」と言い続けている。日本が求める謝罪と補修の交渉は進まず、総領事館の投石の傷跡は当時のままだ。補修に応じないのは、国際条約の規定に反する。
「反日」デモは、日本の「嫌中」感情を一気に加速させ、対中強硬論が噴出した。昨年10月の小泉首相の5度目の靖国神社参拝で、中国は「反日」感情をさらに募らせている。互いの国民感情は、悪化の一途だ。
ところが、経済関係は順調に拡大してきた。「反日」デモにもかかわらず、日本の昨年の対中直接投資は前年より2割増え、3年連続で過去最高を記録した。貿易額も7年連続で記録を更新中だ。
「政冷経熱」と言われる現象が強まった1年といえる。
日中両国を軸とする東アジア経済は、後戻りできないレベルにまで相互依存、相互補完が進んだ。ただし、「経熱」が今後も続く保証はない。
絶対額では伸び続けている日本の対中投資だが、対アジア投資全体に占める比率を見ると、一昨年の56%から昨年は40%に低下した。
中国には格差拡大、腐敗まん延、環境汚染など、難問が山積している。日本製品ボイコットを叫んだデモには、充満する不満の発露という側面もあった。投資分散の動きは、高まる「中国リスク」を映したものだ。日本より中国依存度の高い韓国や台湾も、警戒を強めている。
日中関係の悪化は、東アジア全体の不安定要因となりかねない。ブッシュ米大統領が最近、日中に対話を促したのも、そうした懸念があってのことだ。
日中関係を先に進めるには、「反日」デモのしこりを解消することが必要だ。その努力を尽くし、関係改善への手だてを率直に探るべきだ。
(2006年4月16日1時26分 読売新聞)
これは メッセージ 73670 (nippon_hinokami31 さん)への返信です.
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