中国崩壊の序章
投稿者: mudy_watar2 投稿日時: 2005/06/04 22:36 投稿番号: [44490 / 95793]
米国の対中貿易赤字は、2004年には過去最大の1620億ドル(約17兆円)に達しており、今年の1〜2月は、さらに前年同期を47.4%も上回るといった有様である。原因は繊維・衣料品などの輸入急増が原因とされる。
この事態に対し、米国の経済界はもちろん、議会も人民元の切り上げを強く求めている。
米国が中国に、人民元の変動相場制への移行を執拗に要求して圧力を掛けている
のは、このような背景があるのである。
事実上ドルに固定されている人民元は、変動相場制に移行すれば確実に切り上がる。しかし、人民元の切り上げが米国の貿易赤字削減に効果があるという主張に疑問を呈する向きもある。
米国金融界の元締め・アラン・グリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、「人民元の切り上げが実現しても米国製品の需要が増えるわけではなく、中国から輸入していたのと同じ製品を他の地域から輸入することになるだけで貿易赤字削減効果はない」と指摘している。逆に、中国からの輸入品の価格が上昇して「物価を押し上げる要因となる」とも述べている。
人民元切り上げ、貿易赤字削減効果ない…FRB議長
2005年05月21日 読売新聞(要約:筆者)
まさに身内から疑問符を突きつけられた形だが、それでも米国は、人民元の変動相場制への移行を要求する圧力を弱めない。
今回のセーフガードの発動は、最後通牒に近いものなのかも知れない。なぜなら、中国が事前に輸出関税引き上げ(実質的な輸出価格の引き上げ)を申し入れていたにもかかわらず、それを無視してセーフガード発動を強行したからである。これは、人民元の変動相場制への移行要求が、単に貿易赤字の削減だけを目的としたものではないとの憶測を呼ぶ。
もちろん、強硬姿勢の背景に議会対策や世論(経済界)対策といった面があるのは間違いない。しかし、グリーンスパンFRB議長の「貿易赤字削減効果はない」という発言を勘案すれば、それだけでは説明がつかない。
中国のGDP(国内総生産)は2004年までの10年間で3倍になった。今のままのペースでいけば、10年後には日本を追い越す規模になる。軍事力と経済力を兼ね備えた超大国になる可能性のある中国を、このまま放置しておいてよいのか。
変動相場制への移行要求には、米国のそういう政治的懸念も秘められていると見るのが自然であろう。
これに対して中国はどう対応するのか。WTO(世界貿易機関)に提訴するのは間違いない。しかし、低賃金と長時間労働、福利厚生もほとんどないという状況から生み出された中国の低コストを、WTOがどう判断するかである。「購買力平価で比較すると、人民元はドルより40%も低く設定されている」という米国議会の試算もある。
上記記事にあるように、米国だけではなくEUもセーフガード発動の動きを強めているし、ブラジルなど開発途上国・新興国も制限措置の検討を始めている。
WTOが中国の言い分を認めるかどうかは分からない。商務省機関紙・国際商報が云うように、中国は、人民元の変動相場制移行以外に打つ手のない「四面楚歌」の状況なのだ。
なぜ中国は人民元のドル固定にこだわるのか。為替リスクを避けるための手段(リスクヘッジ)である為替先物市場が、まだ整備されていないという技術的な事情もある。
外圧に屈した形での変更は世論の反発を買うという懸念もある。しかし最大の理由は、資金の流出とそれに伴う経済の崩壊である。
人民元がドルに固定され、為替リスクがないことが外国からの資金流入を促してきた。さらに、将来的に人民元の価値が上昇することが確実ならば、人民元投資は大きなメリットがある。
しかし、変動相場制に移行すれば、人民元の価値は高くなる局面ばかりではない。
投機マネーは市場を見ながら動く。それは、ちょっとしたきっかけで流出していく。このことは、高成長を続けていた東南アジアや韓国で1990年代後半に経験済みである。
資金の流出は通貨の暴落を招く。通貨の暴落は大不況を誘き寄せる。事実、1997年夏以来の通貨危機は、東南アジアや韓国に未曾有の大不況をもたらした。
このときの事情を国際通貨基金(IMF)アジア太平洋地域事務所長・斉藤国雄氏は次のように分析している。
http://banmakoto.air-nifty.com/blues/2005/05/post_ecce.html
この事態に対し、米国の経済界はもちろん、議会も人民元の切り上げを強く求めている。
米国が中国に、人民元の変動相場制への移行を執拗に要求して圧力を掛けている
のは、このような背景があるのである。
事実上ドルに固定されている人民元は、変動相場制に移行すれば確実に切り上がる。しかし、人民元の切り上げが米国の貿易赤字削減に効果があるという主張に疑問を呈する向きもある。
米国金融界の元締め・アラン・グリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、「人民元の切り上げが実現しても米国製品の需要が増えるわけではなく、中国から輸入していたのと同じ製品を他の地域から輸入することになるだけで貿易赤字削減効果はない」と指摘している。逆に、中国からの輸入品の価格が上昇して「物価を押し上げる要因となる」とも述べている。
人民元切り上げ、貿易赤字削減効果ない…FRB議長
2005年05月21日 読売新聞(要約:筆者)
まさに身内から疑問符を突きつけられた形だが、それでも米国は、人民元の変動相場制への移行を要求する圧力を弱めない。
今回のセーフガードの発動は、最後通牒に近いものなのかも知れない。なぜなら、中国が事前に輸出関税引き上げ(実質的な輸出価格の引き上げ)を申し入れていたにもかかわらず、それを無視してセーフガード発動を強行したからである。これは、人民元の変動相場制への移行要求が、単に貿易赤字の削減だけを目的としたものではないとの憶測を呼ぶ。
もちろん、強硬姿勢の背景に議会対策や世論(経済界)対策といった面があるのは間違いない。しかし、グリーンスパンFRB議長の「貿易赤字削減効果はない」という発言を勘案すれば、それだけでは説明がつかない。
中国のGDP(国内総生産)は2004年までの10年間で3倍になった。今のままのペースでいけば、10年後には日本を追い越す規模になる。軍事力と経済力を兼ね備えた超大国になる可能性のある中国を、このまま放置しておいてよいのか。
変動相場制への移行要求には、米国のそういう政治的懸念も秘められていると見るのが自然であろう。
これに対して中国はどう対応するのか。WTO(世界貿易機関)に提訴するのは間違いない。しかし、低賃金と長時間労働、福利厚生もほとんどないという状況から生み出された中国の低コストを、WTOがどう判断するかである。「購買力平価で比較すると、人民元はドルより40%も低く設定されている」という米国議会の試算もある。
上記記事にあるように、米国だけではなくEUもセーフガード発動の動きを強めているし、ブラジルなど開発途上国・新興国も制限措置の検討を始めている。
WTOが中国の言い分を認めるかどうかは分からない。商務省機関紙・国際商報が云うように、中国は、人民元の変動相場制移行以外に打つ手のない「四面楚歌」の状況なのだ。
なぜ中国は人民元のドル固定にこだわるのか。為替リスクを避けるための手段(リスクヘッジ)である為替先物市場が、まだ整備されていないという技術的な事情もある。
外圧に屈した形での変更は世論の反発を買うという懸念もある。しかし最大の理由は、資金の流出とそれに伴う経済の崩壊である。
人民元がドルに固定され、為替リスクがないことが外国からの資金流入を促してきた。さらに、将来的に人民元の価値が上昇することが確実ならば、人民元投資は大きなメリットがある。
しかし、変動相場制に移行すれば、人民元の価値は高くなる局面ばかりではない。
投機マネーは市場を見ながら動く。それは、ちょっとしたきっかけで流出していく。このことは、高成長を続けていた東南アジアや韓国で1990年代後半に経験済みである。
資金の流出は通貨の暴落を招く。通貨の暴落は大不況を誘き寄せる。事実、1997年夏以来の通貨危機は、東南アジアや韓国に未曾有の大不況をもたらした。
このときの事情を国際通貨基金(IMF)アジア太平洋地域事務所長・斉藤国雄氏は次のように分析している。
http://banmakoto.air-nifty.com/blues/2005/05/post_ecce.html
これは メッセージ 1 (nono7370 さん)への返信です.
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