誠実な醜女と不実な美女
投稿者: lilasnosakukoro 投稿日時: 2006/08/22 14:42 投稿番号: [9371 / 22816]
タイトルは、故米原万里(ロシア語の同時通訳者でエッセイスト。劇作家井上ひさしの義姉。父親はもと共産党員)氏の有名なセリフ。
要するに、翻訳ってもんは
「原語の文法や語彙に忠実に訳し過ぎると日本語としてめちゃ読みにくくなり、日本語としてわかりやすく翻案し過ぎると原語の意味から離れてしまう」
ってこと。そのあたり、アズさんなら実感されることが多いだろうなと(勝手に)思ってしまう。
で、歴史小説の類に興味津々の私から言わせれば、「誠実な醜女と不実な美女」論は歴史小説にもずばり当てはまる。
資料通りに書いていればそれは単なる論文かせいぜいがエッセイ。小説やドラマにするにはエンターティメント性が必要不可欠。だから、「医女」の一言から全数10回のドラマを仕立て上げてもそのドラマが面白ければ脚本家の技量が優れていることを証明しているに過ぎない。
だいたい、有名な「司馬史観」なんて言葉を産み出させた故司馬遼太郎氏の小説どころかエッセイでさえ実は氏の創作――もしくは事実の部分的な切り取りに過ぎなかったなんてことはしょっちょう。
今の大河ドラマも、『チャングムの誓い』に負けずとも劣らないくらい歴史考証はちゃめちゃだし。(そもそもあの時代の一応武士階級に属する女性が夫のことを「うちの人」なんて言うわけなし)
『チャングムの誓い』につべこべ言いたかったら『水戸黄門』や『大岡越前』『巧妙が辻』もちゃんと批判するのが公平だと思う。(だいたい私なんて、古代ローマからヨーロッパの歴史に関しての三百代言荒唐無稽で原稿料もらってきたぞ。でなきゃフィクションなんて書けないもん)
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